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私は レミリア・スカーレット
誇り高き吸血鬼 。
私には、たった一人の妹がいる 。
「 お嬢様、紅茶ができました 。」
私が大好きな、咲夜の紅茶 。
「えぇ。いただくわ 。」
返事をし、私は口にカップを運ぶ 。
素晴らしく美味しい紅茶にうっとりした 。
「ありがとう、美味しいわ。」
心からの笑顔をむけると、咲夜は微笑み
会釈をしてから礼を言った 。
「咲夜ー ! お菓子ってある ? 」
咲夜に満面の笑みで菓子をねだる、
フランドール・スカーレット
私の妹 。
嬉しそうに菓子を受け取る彼女を見ながら、
一口紅茶を口にした 。
フランは向かいの席に腰かけると、
いつも食べている菓子の小包を開けていた 。
うまく開けられないのか、
イライラしているのが顔にでている 。
「お姉様 ! これ全然開かないわ !! 」
「ふふ、貸してみなさい 。」
私が菓子を受け取ると
フランはこちらを凝視した 。
真っ直ぐとした紅い瞳が
きらきらと輝いている 。
幸福感を覚えながら、小包を開けた 。
「はい、どうぞ 。」
「お姉様って意外と凄いのね…」
「一言余計よ 。 」
少し小生意気なところも可愛いものだ 。
「咲夜、片付けを頼めるかしら?」
「はい、仰せのままに 。」
「感謝するわ 。」
軽く会釈をして、部屋を後にした。
大きな満足感が私を優しく包み込んだ 。
途端に、眠くなる 。
ベッドに腰掛け、そのまま夢へ沈んだ 。
「ん、ふわぁ…」
電子時計を見ると am2:23 。
嫌な時間に目覚めた 。
と思い、ため息をした 。
丑三つ時、というやつだ 。
吸血鬼が幽霊を怖がるなんて馬鹿な話だが
怖いものは怖い 。
人間の咲夜はもう寝てしまっただろう 。
起こしてしまうのも悪い。
寝起きであやふやな頭を回転させていると
私の足はフランの部屋へと進んで行く 。
< ドゴーン !
雷が鳴り、暗い廊下が一瞬明るくなった 。
私は音に驚き、情けないながら
声が漏れてしまった 。
誰も居ない廊下に雨の音だけが響く 。
怖い 。 今、幽霊が来たら 。
グングニル倒せるのかしら 。
… もし、倒せなかったら 、?
怖くなって、目に涙が浮かぶ 。
こういう時に限って、
無駄に思考を巡らせてしまう 。
フランの部屋の前に着くや否や、
逃げ込むように部屋に入った 。
「あら、お姉様? まだ起きていたの?」
キョトンとした顔を見たとたん、
とてつもなく安心した 。
「どうしたの?お姉様 」
不思議そうな音色で尋ねてくる妹 。
雷が怖いから来た、なんて言ったものなら
紅魔館の主である威厳が無くなってしまう 。
思考を巡らせているとき、ふと
フランの体に視線をずらす 。
ー とても薄く、ほぼ水着のようなレースに
透けて見える白のブラとパンツ 。
「フラン… その格好は … 」
「あー、これー ? 最近暑いじゃん ?
だからちょっと透けてるのー。可愛くない ?」
むっ、として思わず言い返した。
「そんな格好をして… 姉と妹だとしても、恥じらいを持ちなさい。全く…」
ふん、と鼻を鳴らし、フランを見た。
すると、彼女はニヤッと笑みを浮かべ、
「お姉様ってばもしかして、
私の格好に照れちゃってるのー ?? ♡」
予想もしない言葉を発した 。
「そ、そんな訳ないでしょう !? // 」
思わず言いかえした 。でも、フランは
全てお見通しと言わんばかりに私の腰に
いやらしく手を回してきた 。
びくりと体が震える 。それを見たフランは
舌をだして 、
「 何その反応 ♡ 図星 ? 嬉しいなぁ♡ 」
と目を細めて私を見た 。
昼間とは別人の様に違く見える目の輝き 。
それに囚われたように固まってしまった 。
まるで宝石のように紅く澄んだ目 。
ー 美しかった 。
少しの沈黙が流れると、フランは、
私の鎖骨を細い指でなぞった 。
「んっ、 」
小さく声が漏れた 。
その声も、彼女は聞き逃さずに、
「あら。お姉様ったらいやらしいわね 。」
少し口角を上げて言った 。
恥ずかしくなり、フランから顔を逸らす 。
すると、彼女はもう片方の手を私の頬に添えて、
軽く動かし、自分の方へ向かせた 。
視線が絡み合う 。満足そうに笑うフラン 。
私は愛しさを覚え、全てを受け入れると言わんばかりに、彼女に微笑んだ 。
それを合図に、フランの唇が近づく 。
私は目をつむり、軽くキスをした 。
「今日は、永い夜になりそうね 。」
どちらかがそう言った 。