目が覚めると、保健室だった。
神山が居ないことにほっとした。ここの先生は養護教諭らしからぬ適当さで、少し苦手だけど…神山に会うよりかずっといい。
「起きたの?授業出る?まあもう6時間目だし、早退してもいいけど。」
ぶっきらぼうに先生が言う。その口ぶりには、面倒くささが滲み出ていた。
「あ…帰ります。」
「はい」
俺はおもむろに立ち上がって、保健室を出ようとした。
「あと、三宮くん痩せすぎね。もっと食べて。」
………周りに心配されるほど、痩せてるのか、俺。
俺はそのまま、学校を早退した。
家に帰ってから鏡を見て、絶句した。あばら骨が浮いてるだけじゃない。肌も血色感がなくって…。おかしい。俺じゃないみたいだ。
はあ、とため息をついて。俺は冷蔵庫を開けた。
何も食べる気になれなかった。
俺は部屋に戻って、深く眠った。
「…三宮の家って、ここか?」
神山亮は、三宮の家の前で佇んでいた。早退したと聞いて、プリントを届けに来ただけ……のはずだった。
三宮に、避けられているのが辛くて、三宮に会いたくなっていた。
自分が思っている以上にきっと興味があるんだ。
だからこれは、愛なんかじゃ、ない。
「あれ…誰?」
誰かの声がした。中一くらいの、少年だった。
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