チッ結局俺が助けることになんのかよ、面倒事増やしやがってサングラスが」
「光?!大丈夫?!」
俺がこういっている間にも光の背中から血が出ているのがわかった
光「お前はさっさとそのガキ連れて逃げろよ!」
「で、でも!!」
光「うるせぇな!早く行けっつったら行けよ!」
「光だけ置いて行けるわけないじゃん!」
光「あ”ぁ?!さっき置いてったくせに何言ってんだよ!」
「で、でも…」
何も言い返せない
でも、引く訳にはいかない
そんなふうに言い争っていると横から
「危ない!!!」
という声が聞こえ俺らは驚き咄嗟に後ろをむくと後ろにいた怪物がまた腕を振り上げていた
光「ッおい!そのガキ抱えろ!逃げるぞ!」
「え”、あっうん!!」
そう言われ俺はすぐに女の子を抱き抱えた
「ごめんね!ちょっと我慢してて」
女の子「大丈夫!私もごめんなさい!」
その簡単な話を終わらせ、俺は光の後を追う
光「はぁっはぁっ一旦っ大丈夫か…?…おっ…と…」
光は体勢を崩したのか倒れるように座った
「大丈夫?!」
光「大丈夫…だわ別に…」
俺がオロオロとしていると隣から
「赤いのどくどく出てる…」
という声が聞こえた
「ねぇ光」
光「あ”?」
「それ…痛くないの?」
素直に気になったことだ、
俺ならすぐに泣いてたと思う、なのになんでそんなに平気そうな顔してるのかが不思議でたまらない
それを全て言葉として口に出すと光は一瞬きょとんとした顔をしたが直ぐに
光「痛いに決まってんだろ!我慢してんだよ!…そ・も・そ・も!ガキがいんのに泣くわけにいかねぇだろ!」
という大きな声を出した、大きな声を出した時一瞬しかめっ面になったような気がする
光「はぁ…気が抜けちまった…なぁお前らさ、なんかタオル持ってねぇ?」
タオル?そんなの俺は持ってない、だって家から連れ出されたから何も用意できなかったのだ
女の子「タオル?タオルはないけどね!綺麗なハンカチならあるよ!使う?」
光「お、おーありがたいが…使っていいのか?」
女の子「うん!どーぞ!」
そのやり取りをしたあと光は女の子に貰ったハンカチを傷口に当て少しでも止血をしようとしていた
光「い”…っ…」
…なにか出来ないかな…
なんか俺…光に助けて貰ってばっかだ
それで光に怪我させちゃったし…
「光!俺さ!近くに止血できそうなものないか探してくる!化け物に見つからないように気をつけるから!」
そういい俺はすぐに街の方に探しに行った
馬鹿なことをしているのはわかっている
それでも、人や止血できるものさえ見つかれば光を助けることが出来るかもしれない
とにかくできるだけ綺麗な布を探そう
…あ、てかあの家に探しに行くか
街から少し離れてるから気づかれてない気がする
なんとなくだけど
「おっ!やっぱ少し壊れてるけど他と比べたらましだ!」
他の家と比べ一応原型が残っており、中のものも大丈夫そうなので一応警戒しつつ俺は中に入る
中には誰も…
いない!よし!
「それじゃあさっさと取って戻らないと」
そう声に出しながら洗面所の方へ走っていく
「ご、5枚あれば足りるかな?!」
焦って思考がまとまらない、それでも何とかタオルを集めることが出来た
「早く戻ろう」
その一心で俺は来た道を走った
光大丈夫かな
血は…自然に止まるわけないからな…
もう少しだけ待っていて欲しい
走って光の場所へ戻ろうとすると近くに怪物がいるのが見えた
まだ気づいてないみたいだが見つかれば俺はどうしようもできない
早く戻りたいのは山々だが一旦隠れることにしよう
でも近くに場所が…
ない
一応あるのは瓦礫とかの近くなら一応身は隠せそうだ
とにかく今は化け物がここを去るのを待つことにする
「早くどっか行ってくれないかなぁ…」
かれこれ10分はこうだ
なぜここから動かないのか分からない
いや、正確には動いてるけど移動をしていない
というかさっきまで化け物持っといた気がするんだけどどこに行ったんだろうかそんなことを考えていると突然目の前の化け物が
悲鳴をあげながら真っ二つに割れた
いや、割れたと言っていいのか分からない
そもそも割れたのかすらも分からない
見てなかったって言うのもあるがそもそも一瞬すぎたのだ
そうやって俺が驚きキョトンとしているとどこから来たのか分からない男の人が2人話しながらこちらに来た
会話は全く聞こえなかったがとても険しい顔をしているのが分かった
というか今出ても大丈夫かな、いやでも光が心配だ
化け物もいなくなったしあそこに行こう
そう思い俺は光のいる場所へ走っていった
「はぁッやっと、ついた…」
全力で走ったためか息が苦しく目眩がする
それでも息を整えつつ早歩きで光の方へ向かう
「え…?」
そこには
「ひかッ…光!!」
目をつぶっている光と泣いている女の子がいた