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天樹
「俺はどうも家事ができなくて・・・」
最近よく話すようになったハウレスがそんな事を言いだした。
『そうなの?大丈夫だよ、ハウレスならすぐできるようになるよ』
私はハウレスはやろうと思えば何でもできる天才肌の人だと思っていて、そう言ってしまった。
しかし、ハウレスは気まずそうに実は・・・と話を切り出した。
「昨日、残り物のスープを夜食にしようと思って温めたんですけど・・・なぜか真っ黒になって鍋をダメにしてしまって・・・ロノにも怒られてしまいました・・・」
どうやら違う意味で天才的な家事スキルを持っているらしい。
これは手強いかもしれない、と私は覚悟を決めた。
「それで、今日の相談なのですが・・・
俺に片付けを教えていただけませんか?」
『・・・私も片付けそんな得意じゃないんだけど・・・』
「それでも、汚部屋って言われるほど散らかっていませんよね!?
それくらいでいいんです!お願いします!」
『お・・・うん・・・』
若干汚い部屋だと言われた気がしないでもないが、とりあえず2階執事達の部屋に入れてもらった。
『おわ・・・思った以上に散らかってる・・・』
ハウレスが使っているという区画だけ矢鱈と物が多く、ゴッチャゴチャだった。
『・・・とりあえず、シャツとかは洗濯物ってことでいいの?籠とかに纏めたほうが良いよ・・・』
「はい・・・すみません・・・」
ゴチャゴチャの山の中から服と思われるものを引っ張り出してランドリーに運ばせる。
『洗濯は後でまとめてやろう。一旦、ゴミとゴミじゃないもの分けようね』
私は元の世界に戻ってゴミ袋を持ってきて、要るもの要らないものに分けさせた。
『じゃ、これはゴミね』
「・・・はい」
すごい量のゴミが出て、ハウレスもびっくりしていた。
『とりあえず、洗濯物入れる籠と・・・要るか要らないか考えたいものを入れるものが要るね・・・
百均で籠と入れ物買ってくるから待ってて』
私は母親にお小遣いを貰って近所の百均に出かけた。
そう言えば家から出るのは何時以来だろう。母親もお小遣いがほしいと言ったらびっくりしていた。
(カゴと・・・折りたたみの洗濯物入れ・・・カゴは重ねられるやつのが良いかな)
大きなレジ袋にパンパンにカゴ類を入れて帰り、親には買ったグッズの整理をしたいという言い訳をして部屋に戻った。
『ただいま〜』
「お帰りなさいませ!主様・・・すごい荷物ですね、持ちます」
『ありがと。軽いから大丈夫だよ』
2階執事の部屋に戻り、カゴを置いて説明を始めた。
『こっちのやつは洗濯物を入れるやつね。脱いだらこれに絶対入れて』
「はい」
『で、こっちの重なるやつには後で考えるものをとりあえず入れるの。
それで、何日か使わなかったら下の方に行くでしょ?それは捨てよう?』
「なるほど!いい考えですね」
という訳で、定期的にハウレスの部屋の掃除を手伝い、片付けのアイデアを出したりするようになった。
「すみません・・・主様にこんなこと・・・」
『良いんだよ、だって・・・
3600回練習したら、きっと上手にできるようになるよ。それまで付き合う』
「・・・ありがとう、ございます」
ハウレスは嬉しそうだけどどこか泣きそうな、そんな目をしていた気がした。