続き物です
前作を読んでから今回を読む事をお勧めします
rd(+nr)gt
rd side
告白してみなよ
さっきのなるせの声が頭の中で離れない
告白、してみようかな
正直怖い
今までの俺らの十数年の関係がいよいよ本当に崩れてしまうのではないかと考えると不安で仕方がない
考え始めると、酔っ払ってセフレになろう、なんて言った日から随分と俺らの関係は歪なものへとなっていたと思う
きっかけを作ったのは俺だが、それに乗ったのもぐちつぼだ
ただ、セフレと恋人では大きく意味合いがちがう
だけど、酔っ払ったあの日以前からなんとなく思っていたその気持ちは回を重ねる毎に俺の心の中で、根を張り、幹を太くし、枝葉をつけた
最初は好きな人とセックスできるなんて、ラッキーなんて思ってたけど、身体だけの関係では満足出来なくなってきていた
もっと、ぐちつぼのそばにいたい。もっとぐちつぼと笑い合いたい。
そんな気持ちを胸に約束した日に会う
ただ、その日には一つ問題があった
なるせもいるという事実だ
俺はどうもそういうことが苦手で、相手を喜ばせる事ができなかったが、なるせはそういうことが得意らしく、俺を置いて2人だけで盛り上がってることも多々あった
そんな、なるせに俺は嫉妬し、でも、セフレという関係上その嫉妬を隠さねばならぬと思い、興味のないフリをして過ごしてきた
目の前で気の抜けた顔を晒して、グースカ寝るぐちつぼに笑ってしまう
「よし」
小さく声に出して、俺は自分とぐちつぼの後片付けを始めた
gt side
腰が痛い
そんな最悪な目覚めと同時に昨日のことを思い出す
ベッドには俺1人で、向かいの1人がけのソファにはらっだぁが昨日と同じくスマホ片手にくつろいでいる
その顔が、どこか悲しそうで、張り詰めた顔に少し緊張する
「後処理、ありがとね」
昨日、声を上げて恍惚に身を任せていたのか、俺の声はガラガラだ
俺が起きたのに気づいていなかったのか、らっだぁは俺へと視線を合わせ、驚きを露わにする
「あぁ、うん」
何事もなかったのように、すぐにスマホに視線を戻す彼に、少しの違和感を覚える
なんと無く気まづい空気が流れる
これが恋人同士であれば、ハグをして、お互いに愛の言葉でも交わすのだろうか
だけど、俺らはセフレであって、そんな事をする雰囲気ではないのを俺は知っている
起きてから見当たらないもう1人の人影に、疑問を持ちながらも、質問するタイミングを見失なってしまった
「ねぇ、ぐちつぼ、?」
どれくらい時間が経ったのだろうか、とても長い時間ののち、らっだぁが神妙な面持ちで俺の名前を呼ぶ
スマホを置いてこちらをまっすぐに見つめる目は、昨日の蔑むような目では無く、真剣な目をしていた
ただ、その瞳の持つ、俺の腹の底を見られるような、全てを見透かすような瞳は、目を逸らそうとも有無を言わさぬ物を感じた
「何、」
「俺さ、ぐちつぼのこと好きだ。恋愛として。」
「…!!!」
俺の中で衝撃が走る
あのいつものように、抑揚のない声で発されたその「好き」という2文字は俺の心臓を揺らし、血の巡りが速くなる
好き…、レンアイってなんだ、、
俺はらっだぁのこと「好き」なのか、?、、??
「あは、突然ごめんね、忘れて良いよ」
にへら、と力なく笑うらっだぁが立ち上がる
その顔は何とも悲痛で、今まで見たことのないほどに表情が凝り固まっている
「あ、おい、」
やっとの思いで、何とか声を発して帰ろうとするらっだぁを繋ぎ止める
「俺も、らっだぁが好きだ」
「…!?」
突然口から出てきた言葉は俺自身にとってもびっくりすることだった
だけど、口にした途端、それは俺の心にストンとハマり、もう長い間考えてきたような事実のような気がする
目の前で目を白黒させて戸惑うらっだぁに、唾を一つ飲み込んで再び口にする
「らっだぁが好きです。もちろん、恋愛として」
ゆっくりと噛み締めるように、らっだぁに本気だとわかってもらうように、しっかりと発音する
いきなり、ぎゅっと抱きつかれる
「正式にお付き合いお願いします」
なんて、耳元で言われちゃうから、
「俺からもお願いします」
と食い気味に答える
そして、どちらからともなくキスを交わした
らっだぁの運転する車に乗って帰宅途中、俺らはまるでもう何年も連れ添ったカップルのようだった
あの時の、俺の言葉はきっと気持ちに蓋をしていた、その内側から飛び出した本心なのだと思う
「俺さ、ぐちつぼのこと気持ちよくできないからさ、練習させて。これから」
ぶはっと俺は飲んでいた水を吹き出してしまった
平然と言ってのけるらっだぁの顔を盗み見る
「は、?これから、、?」
「うん、早い方がいいでしょ、こんなの」
「まぁ、そうか、?」
あぁ、俺はこうやってらっだぁに飲まれて行くんだろうな
それでも、らっだぁに振り回されるのは悪い気がしない
これが、「愛」かな、なんて
nr side
自然と涙が頬を伝う
なんで、俺は泣いてんだよ
俺はいつもそうだ、自分の気持ちを見なかったふりをして相手に合わせちまう
ホテルを出て、俺らが使っていた部屋を見上げる
カーテンがしっかりとしまっている。
まるでそのカーテンは線引きをしているようで、ますます悲しくなってくる
あのとき、「ぐちつぼは絶対らっだぁの事好きだと思う」なんて言わずに「俺だって」って言えてたらな
そしたら俺だって今頃、あのカーテンの内側でぐっちと一緒にいれたのかもしれない
あのときの俺の声こわく無かったかな、うまく笑えてたかな
家に帰って、コートも脱がずにベッドにダイブする
あぁ、一人だななんて、感じてしまうとどうしようもなく悲しくなって、全てを忘れるために目をぎゅっと閉じる
なるせさんが最後どうしようもない感じで終わってしまったのが心残りです
rdgtはこの続き書くかもです
コメント
5件
最高すぎます😭nr→gtの気持ちに気づく余裕もなさそうなrd→gtの気持ちも、面とrdの(→gtの)気持ちを知って身を引いてしまうnrもどちらも解釈一致すぎです。最後ちょっと胸が締め付けられる感じなのがまたもう…🤦🏻♀️結果nrの片想いで終わってしまいましたが、こんな感じのnr+gtも良すぎる👍🏻
悲しいけど、最高でした!