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最初に言おう、この小説はフィクションの中のような華々しい最後はむかえない。
最後に待つのは血と欲と絶望だ。
地獄へとゆっくりと浸かっていく物語。
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《やあやあ、ようこそ!これからみなさんにはデスゲームをしてもらいます!》
ノイズがかった放送がなった。
陽気な声とは裏腹に内容は理解し難いものだった。
教室は混沌に満ちた。泣き喚くもの、逃げようとするもの、放心するもの。
これが人間なのだ。
時に人は脆く欲深く残酷だ。
それをこれが証明してくれるだろう。
混沌が渦巻く中、ただ1人冷静なやつがいた。
平凡で普通でただの男子高校生のようだ。
美しく黒光りする長い髪以外は。
名前も思い出せないので名無し君とでもしておこう。
名無し君は前にたち、静かに言った。
「落ち着きなよみんな、今暴れたって逃げれる確証なんかないよ。」
デスゲームが始まるというのにこいつは酷く冷静であった。
まるで知っていたかのように。
《ぼくの紹介がまだだったね!ぼくはフユキ、ゲームマスターだ!》
モニターにうつった彼は俺と同世代、それより下の年齢に見える名前はフユキというらしい。
《きみたちには今からぼくの探究心ならびに好奇心のためにデスゲームをしてもらうよ!》
人間とは罪深い。
今からこいつは自分の欲のために2-D組30名の命を奪うらしい。