桃赤
地雷サン回れ右
赤「肉まんください、」
深夜2時を回った頃。
俺はコンビニで腹拵えをしていた。
お金も後少し。もう1人で生きるのも厳しいかもしれない。
ふと隣を見る。
桃色の彼は唐揚げちゃんを5つほど買っている。
飛んだ胃袋だ。
桃「はい、これ」
赤「、、はっ、?」
彼が持っているのは4つ。
一つくれた。残りは弟達にあげるらしい。
赤「…、ありが、とう。」
彼は俺の目を見つめて吹き出した。
桃「お前本当面白いな、笑」
赤「…4人兄弟?」
桃「ううん、2人。弟今食盛りだから笑」
赤と名乗るその少年は唐揚げちゃんを食べた後、
すぐに吐いてしまった。
桃「お前、っ、、大丈夫か、っ、?」
赤「、っん、、’揚げ物、っ、…久しぶりだから」
桃「、そ、うなのか。」
咄嗟に俺は彼の手を引いた。
細くて、棒みたいな腕。
軽く蹴ったら折れてしまいそう。
この子を救ってあげたい。
今ある地獄から抜け出させてあげたい。
あぁ、、
好きだなぁ……。
桃「はい、これ」
彼が渡してきた一枚の紙。
そこには電話番号が書いてあった。
桃「何かあったら、電話して」
「いつでも空いてる。」
赤「、、ありがとうっ、」
彼に言われてから、一度家に帰ってみることにした。家に帰ったら足が震えた。
聞き覚えのある怖く低い声。
甲高い叫び声。
お皿が落ちる音。
怖かった。
父「あ!赤〜!!どこ行ってたんだよお、、心配したんだからな?」
父はそう言い俺の肩を掴む。
大きな声で嘘を言い、本当の事を耳打ちしてくる。
父「お前覚えとけよっ…(声小」
赤「っ、、は、ぁ、(震、」
母「、あら赤。勉強は?」
赤「、、」
学校には行ってない。
なんて言ったら今ここで死ぬだろう。
さっきから、、深呼吸してばかり。
自分の部屋で寝るのは久しぶりだ。
シーツは精液だらけで見るからに汚い。
布団があるだけマシか、、と思っていたら
父が入ってきた。
父「よし、始めるか?」
赤「ぅ、、…お、ぇっ…(嗚咽」
全部。何もかも思い出した。
此処に帰ったら地獄の始まり。
俺は力を振り絞ってスマホを取った。
着信音が鳴り響く。
『もしもし_、?』
弟に何かスイーツでも買ってやるか、と思いコンビニに寄る。赤は元気にしてるかな。
なんて思ってたら着信音が鳴った。
” 赤 “だ。
桃「もしもし、?」
赤『たす、_けて、っ、ぁッ”…』
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