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「おいニンゲン!」
「はい?」
「アナタに勝負を挑むわ。」
「あっ、そういうの結構なんで他の方を当たってください。」
「なっ!?わたくしからの申し出をそう簡単に突っぱねるなんていい度胸ね!?」
「勝負とかそういうのしたくないんで私。慎ましく生きたいんですよ。」
「問答無用よ!」
「えぇ……。」
「次のテストで点数勝負よ!わたくしが勝ったらその時点で貴方は今後わたくしの下に着いてもらうって事で。」
「はぁ…。じゃあ私が勝ったらどうします?」
「ありえないと思うけどもし勝てたならその時は逆にわたくしが貴方の下に着いてあげてもいいわ。」
「いらないんで普通に変な感じで絡んでこないでください。それでいいです。」
「ふ、ふん!その強気な姿勢がいつまで続くのかしら!?次のテストが楽しみですわね!」
今のは竜人族の『ミカネ・ドラフロル』さん。ご両親が竜人で人間界で言うところの金持ちお嬢様みたいな立ち位置の人。竜という存在自体やはりとても強いらしく、クラスのみんなの反応を見る限り俺の対応は彼らからすると異端らしい。
まぁ、強いものには巻かれた方が行きやすくはあるけど俺のバックには竜人以上に強い魔王様がついてるので恐れることは無いし、着いてなくてもあーいう面倒くさいのに絡まれたら適当にあしらっておくのが無難だ。ちなみになんで彼女が俺に対してライバル心みたいなのを燃やしているのかと言うと、人間なのに闇魔法が使えて勉学も自分を圧倒的に超えていて身体能力でしか勝てないのが気に食わないらしい。身体能力で勝ってるならもうそれでいい気がしなくもないが、彼女の中では納得いってないのだろう。完璧主義的なところがあるみたいだが、こんな子供のうちから完璧主義なのは後で苦労するから適度に手を抜いて出来ない、苦手ならそのままにしておけばいい。苦手を放置したくないなら得意なことを伸ばして短所をちゃんと補えたあと少しずつその短所も伸ばしていけばいい。まぁ、そんなこと言っても彼女には伝わらないだろうから全部俺の心の中で留めておくとしよう。
そして日が経ってテスト返却日。
「さぁ!今日が運命の日ですわよニンゲン!」
「だね〜。」
「なんでこっちみて返事してくれないのですか!?」
「いやー、勝ちは貰ってるからいいかなって。」
「ほぉ?その強者の傲りが足枷にならないことを祈ってますわよ!」
「はーいミカネちゃん静かにねぇ、これからテスト返却するからねぇ。」
「怒られてるぞお嬢様。」
「ぐ、ぐぬぬぬ………。」
「今回のテストは少し難しくしてみましたがそれでもみんな頑張ってくれたので平均点がとても高いです!そして、このクラスからはなんと100点満点の人が出てます!私も先生としてとっても誇らしいですね!!それじゃあお名前呼ばれた人からテストを取りに来てください。」
そういいテスト返しが始まった。返されたテストを見て喜ぶ人悲しむ人、低い点数を逆に誇る人意地でも他の人にテストを見せたくない人などこの光景は世界が違っても同じなんだと再確認させられた。
名前順で呼ばれているので俺は一番最後、先にテストを返してもらったミカネは点数を見てかなりご満悦と言ったところ。高得点で俺に勝てると思ってるらしいが残念ながらそれは無い。何故ならば今回のテストは…。
「じゃあ最後はサトルくんだね!よく頑張りました!」
「ありがとうございます。」
「さぁ!ニンゲン!点数勝負と行こうじゃない……。」
「はい100点。私の勝ちでいいね?」
「なっ!?」
「勉強自体私も好きじゃないからなんとも言えないけど流石に『算数』は取れないと恥ずかしいからね。これが魔法学とか歴史とか言われたら怪しかったけどさ。」
「わ、わたくしが負け……た?」
「そう負けたの。じゃあ勝負は私の勝ちってことで席に戻ってねぇ。」
「ミカネ・ドラフロルがニンゲンなんかに負けるなんてお母様やお父様にわたくしはなんて説明をすればいいの!?これじゃあドラフロル家の面汚しなんて言われて代々戒めとして語り継がれてしまいますわ!?」
「気付かぬうちにあんた家の名前背負って戦ってたのかよ。こんな学校のテストくらいで。」
「ドラフロル家は才色兼備で成績優秀の名家として今も有名なのにそれなのにわたくしは急に現れた転校生、しかもニンゲンで下流階級の者に負けるなんて面汚しもいい所すぎる……。」
「子供にしてその悪口言えるの尊敬するわほんと。」
「一体帰ったらわたくしは何を言われるのかしら……。」
「でもミカネさんの点数も90点と悪くないし、運動に関しては私よりも秀でてる。なんなら魔法学も知識こそ私は頑張って付けたけどミカネさんは頑張りだけじゃ手に入らないセンスを持ってるじゃないですか?この前の火球を飛ばす小テストでは的のど真ん中に全部当てて凄かったですし、私は的にこそ当てましたけど中心からはズレてる事がしばしばあったのでそういうところでの勝負は多分私に勝機がほとんどないくらい出来てるのでそこを誇っていけばいいと思います。」
「に、ニンゲン…いや、サトル様……。ハッ!?ふ、ふんっ!そんなお立てて自分は優しいやつアピールですわね?そんなものの出汁には使われないですわよ!」
めっちゃしっぽブンブンしてるから多分嬉しかったんだろうなぁ。ワンちゃんと一緒でしっぽで感情がある程度分かるこの感じね。
「まぁ、今話したことは本当に私の心の底から羨ましいなぁって思ったことだから、慰めとかじゃなくてどっちかと言うと私からの嫉妬みたいなものと受け取ってくれてもいいよ。」
「サトル様が…わたくしに……嫉妬?ふ、ふふふ……。オーホッホッホ!!そうよね!やはりわたくしはドラフロル家の娘ですわ!お母様お父様わたくしお二方の才能を無事に引き継いでたみたいですわ!オーホッホッホ!!!」
「ミカネちゃんこれからテストの振り返りするから静かにねぇ。」
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