拒食症
冬弥と同棲を初めて半年が経っただろうか。
ご飯は冬弥担当。洗濯や掃除は俺が担当と役割が決まっていた。
冬弥の作るご飯は美味くて十分満足だった。
とある日俺たちは杏とこはねを誘ってキャンプに行った。
🎧「痛っ!」
☕「白石?大丈夫か?!」
🎧「あー、ちょっと指切っただけ。」
🐹「あ、杏ちゃん~!これ絆創膏だよ!良かったら使って!」
🥞「ほんと気をつけろよな…」
☕「楽しいのはわかるがはしゃぎすぎては怪我をしてしまう。気をつけるんだぞ白石。」
🎧「分かってるって~!ありがと!」
🐹「私が着いてるしもう大丈夫だよ!」
☕「何かあったら呼んでくれ。じゃあ俺はこっちに…」
もやっ…
なんだ今の…もやってした、?
もしかして、今俺心配されてる杏を見て『ずるい』って思った、?
俺…めっちゃ最低じゃん、笑
もうここまで来てしまってはもう遅い。
心配されたくなる体になった。
あのキャンプをした日から始まった。
その日の夜俺は『夜ご飯は要らない』
そう言った。そうすれば冬弥は
『何かあったのか?体調が悪いのか?』そう聞く。
『別に、今日は腹が減ってねぇ』
そういえば冬弥も理解をして冬弥は自分の分とちょっとした俺の分を作り一緒に食べようと誘ってくれた。
けど俺はそんな心配じゃ足りなかった。
もっと心配して欲しい。
杏の時みたいに。もっと大丈夫って言って欲しい。
もう俺はこの時点で底に堕ちていた。
あの日から何日だっただろう。
もう完全に食事を拒否し続けた。
☕「流石に食べてくれ!食べないとッ…」
🥞「飯なんて要らねぇ!今の俺に必要じゃない!」
ご飯の事で喧嘩をする毎日だった。
俺が食事を拒否する理由は3つあった。
1つは心配をされたかったから。
2つ目は自分が太っているから。このままを俺を愛してくれるわけないから。
3つ目は痩せて好きって言われたいから。太っている俺に好きなんて言ってくれるわけない。
大まかにはこの3つが重なって食事を拒否し続けた。
☕「彰人!いい加減にしろ!なんで食べない?!」
🥞「冬弥に関係ない!これは俺の問題だ!」
☕「今の彰人は体に栄養が不足している!食べないと死んでしまう!」
🥞「いい!死んでいい!不足してていい!」
死んで心配してくれるのなら俺は死んだっていいって思った。
☕「ー!」
パチンっ…(頬を叩く)
🥞「ッ、」
☕「いい加減にしろ!ふざけるのも大概にしてくれ!」
🥞「ふざけてなんかない!お前が勝手に作ってるだけだろ?!作れなんて一言も言ってない!」
☕「それは彰人の為に思って作ってるんだ!俺はの料理が不味くて食べたくないのか?それならちゃんと言ってくれればッ…」
🥞「美味いに決まってる、!お前に不満があるわけじゃない!」
☕「じゃあなんッ…」
ガタンっ…(扉を強く閉める音)
☕「彰人!」
このまま後を追って欲しかった。
行かないでって言われたかったなぁ笑
🥞「もっと痩せて冬弥が好きな姿にならないと…」
それから家に帰って少し落ち着いた頃冬弥にこう言われた。
☕「少しでいいから食べて欲しい」
🥞「いい。いらない。」
☕「もう作ってしまったんだ。食べて欲しい。」
🥞「少しなら…」
気が緩んだ。少しならいいって。
久しぶりに食べた冬弥のご飯は美味しかった。
久しぶりの味だなぁって。
けど気が戻った。こんなもの食べていたらまた太ってしまう。
🥞「っ!要らない!」
☕「?!」
🥞「こんなの食べたらッ…」
☕「待てっ…!」
ガシッ…(腕を掴まれる)
☕「?!(流石に細すぎるッ…)」
🥞「離せよっ!」
☕「離さないっ!なんで食べない?!さっきは食べてくれたのにっ…」
🥞「こんなの食べたら俺はッ…」
この続きは冬弥本人には言えなかった。
言ったらバカバカしく思われる。
分かってんなら辞めないと。
分かってるけどもう体が受け付けなくなった。
🥞「もう俺…ご飯なんていらないって…!」
ガシャンッ…!(全て落とす)
☕「彰人!」
🥞「(食べてないからもう…疲れたッ…動けないっ…)」
バタッ……(倒れる)
☕「彰人!?彰人!彰人!」
2話へ続く…
コメント
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まじ好きこうゆう作品続き待ってます‼️