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改めて感じた白斗の背中。筋肉質で美しくラインも綺麗。くっきりと浮き出た鎖骨、二の腕は少し盛り上がっていて胸筋もしっかりしている。腰のラインはセクシーでモデル雑誌に載っていそうな理想的な男の人の体型。
十五歳の時から好きだった男性の腕の中にいるなんて。
最高の夢だ。
目を閉じるとステージの上で歌う白斗が見えた。深紅の衣装に身を包んだ白斗が真っ白なマイクスタンドに立てた白いマイクを掴み、鋭い目線で私を射抜く。白いマイクスタンドと白いマイクは、彼のトレードマークでもあった。
目を開けると新藤さんがいる。髪型を変えてあの鋭い目をしたら、白斗になりそうな気がした。
もう一度目を閉じてみる。そしてもう一度開けてみた。新藤さん――博人に白斗が重なった。あの赤い衣装を着た博人の姿が目に浮かぶ。
やっぱりあなたは、本物の白斗なの――?
「白斗、歌って。それからお願い……私を愛してくれる?」
「あのな、律。さっきから白斗って言うけれど、イントネーションが違うのわかる? 博人って呼べって言ってるのに」
「そんなに違うかな……? 私は、白斗に愛してもらいたい。だって、ずっと会いたかったから……」
「わかった。今日は律のために博人じゃなくて白斗になってやる。メイクしてないけどいいやろ。俺に変わりはない。その代わり今日だけや」
「うん。白斗ならなんでもいい」
私は白斗に腕を絡ませた。「歌ってくれる?」
「ああ。声が枯れるまでふたりで歌おう」
再び行為が開始された。
「ん、っ、あ、ぁ、はくとっ……ぁ、ん、んんっ」
焦らすように彼の唇が身体を這いまわる。
淫らな吐息が漏れる。身体が熱くて堪らない。
身を捩って恥も捨てて白斗に甘えた。
もっと愛して。
もっと求めて。
淫らに罪を歌うライブが終わったら、約束通り地獄でもついて行くから。
「ここはどう?」
「んっ、ぁ……白、斗……」
紅く熟れた果実を口内で弄ばれる。
「律、遠慮しないでお前ももっと歌え」
「あぁあっ、んんっ、はぁっ、白斗っ、あぁ――っ」
抗えない熱が、彼の与えてくれる麻薬のような快楽が、私を捕らえて離さない。
巧みな彼の指に、舌に、翻弄された。
あられもない嬌声を恥ずかしげもなく上げ、必死に歌った。
白斗がくれる快楽の波に何度も絶頂を迎えさせられ、自分の中にあった背徳感も罪悪感も、なにもかも流された。
全部曝け出して、本能のままに想いを紡ぐ歌姫になった。
彼を求める想いはもう誰にも止められない。
愛を歌い乱れて、白斗の背中にしがみついた。
この時間が幸せ過ぎて、溢れる涙で目の前の白斗が見えなくなりそうな程の切なさで胸がいっぱいになった。
「律」
堕ちていく
「白斗、来て。私を、奪って」
あなたに 奪われる――