テラーノベル
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「さ、乗ってのって」
「涼兄ぃ、となりずるい」
「しょうがないでしょ、僕免許ないんだから」
あ、え、ありがとうございます……?
普通に車のるんだ。凄い人たちって、みんな馬車乗ってると思ってた。
で、車って、そのメンキョってやつがないと一番前に乗れないんだ。
「で……君、名前なんて言うの?」
「あ~確かに。職員たちも名前呼んでなかったよな」
名前?え、名前呼んでもらえるの?
名前って、悪い子は呼んでもらえないんじゃないの?
「元貴」だけど……
「もときかぁ、いい名前だね」
いい名前なの?僕の名前って、褒められるようなものなの?
だって僕は、いい子じゃないから、うるさいの逃げちゃうから、褒めちゃダメなのに。
「もときは、何歳なの?」
ナンサイ?えっと、誕生日が何回来たかだよね。誕生日が分からないから、僕、ナンサイなんだろう。怒られるかな……自分のことなのに。
「そっかぁ、滉斗、書類の生まれた年覚えてる?」
「ん~?確か、2008年だったぞ」
へぇ、そうなんだ。僕って、2008年に生まれたんだ。どこで生まれたんだろう。孤児院の名前に、トウキョウって入ってたから、僕もトウキョウで生まれたのかな。
「なら、20歳か」
「ちげぇだろ。今年2026年だぞ」
「あ、そっかぁ!だから、18歳だね」
僕って、18歳なんだ。つまり僕は、18年間、あの孤児院に居たんだ。確かに、僕より長くいた人って居なかったな。
「着いたぞ」
「ありかとね~滉斗」
ありがとうございます……。
車って、すごく早く動くんだね。さっき乗ったのに、もう着いたんだ。
「ここが家、今日からもときもこの家の人な」
「入ろはいろ。僕お腹空いた」
え、これが、家?この、すごく、ものすごく、大きな家が?
僕なんかが住んでいいのかな……
あ、お腹……僕も空いた
「ふふ、グーっていってる。お腹空いたね~」
「入ろーぜ。飯、作ってもらってるから」
うわぁ……見たことないようなキラキラしたご飯がいっぱい!
全部湯気がフワフワしてて、美味しそう。こんなの、食べていいのかな。
「ん?食べないの?もしかして、苦手なものあった?変えてもらうよ」
あっ、いや、違います……!
ただこんなに美味しそうなもの、僕が食べていいんだ……って。
「いいに決まってるだろ。言っただろ、もときもこの家の人だ」
「そうだよぉ。お腹空いてるんでしょ?いっぱい食べていいからね!」
じゃ…じゃあ、一口だけ。
おいしい……!お肉がホロホロしてて、噛まなくてもいいぐらい。そして、ものすごく温かい。温かいご飯って、こんなにも美味しいものなんだ。
「ははは!美味しそうな顔して食べるね!良いよ良いよ!もっと食べて!」
おいしい……美味しい!お腹がすいてるからか、たくさんある目の前のご飯を全部食べてしまえそう。きっと食べ方とか、いろいろ、このおうちには合わないんだろうけど。藤井さんたちが、ニコニコしてるから、いまはいいんだろう。
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コメント
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新作だ✨ 次回も楽しみにしてます!
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