《ゴッホゴホッ…ほんと”にごめん”ね”…》
〈無理して話さなくていいよ!ちゃんとお水飲んで安静にね〉
《うん”…》
風邪を引いた。歌の練習にダンスの練習、疲れが溜まる中、乾燥する時期に何もせずにいた自分が悪いのだが、喉からの発熱とお医者さんに言われ、しばらく安静にと言われた。
『兄貴たち”にも”連絡したし”…とりあ”えず、休もう”…ゴホッゴホッ…』
そう呟いて眠りにつこうとするが、喉の痛みや咳のせいで中々眠りに付けずにいた。
すると、玄関の開く音が聞こえる。
寝返りを打ち、扉の方を見ると、〇〇ちゃんがいた。
「阿形くん!大丈夫?」
『〇〇ちゃ”ん”…なんで来たの”?移っちゃ…ゲホッ!ゴホッ…』
「無理して喋らないで!首振るだけでいいから答えてほしいな。ご飯食べた?」
『(フルフル)』
「てことは、お薬も飲んでないよね。お水とかは冷蔵庫にある?」
『(コクコク)』
「わかった。お腹は空いてる?」
『…(コクン)』
「わかった。少し待っててね」
そう言って部屋を出る。キッチンから音が聞こえ、しばらくしておぼんに丼と水が入ったコップ、薬、そして…湯気の出たネギがあった。
『な”んで…ねぎ?』
「レンジでチンしたネギを首に巻くといいんだって!おばあちゃんに言われたやつだから効果あると思うよ!」
『そ、そう”…?』
丼には卵粥が入っていて、熱さもちょうどよく、すぐに食べれた。その後は薬を飲んで、ネギに首を巻いて眠る。
『これ、あ”とでたべれるの”?』
「ん〜…どうなんだろ…。食べれたら、後で食べよ!そんなこと気にしないで、早く元気になって。阿形くんの歌声、私大好きだからさ」
そんな〇〇ちゃんの言葉に涙が溜まる。
『うん…う”ん”…はやぐ治すね”…』
「もぉ〜、泣かないの!よしよし」
〇〇ちゃんの手の温かさに、俺は少しずつ瞼が重くなるのがわかる。この幸せがずっと続きますように…そう思う。そして、自然と眠りについた。
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ネギの匂いがツンと匂う部屋で阿形くんの瞼がゆっくり落ち、寝息が聞こえる。
「いつもお疲れ様。いろんな人に素敵な歌声を届けるために練習するのもいいけど、時には休まなきゃ。でないと、何のために私がいるかわからないよ。もっと甘えて…心の拠り所にして欲しいな…。大好きだよ、阿形くん」
彼のかわいい寝顔を見ながら呟く。
風邪が治ったら、一番に歌を聞かせてもらおう…そう思って、彼のサラサラした髪を梳き、早く良くなるように、と願いを込めて彼の額にキスをした。
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※「ネギを首に巻く」というのは、医学的根拠はありません。しかし、民間療法として行われているものです。喉が痛い・咳が出る・鼻水が出るなどの時に効果的ですが、今は医学も進歩しているため、医者にかかることをおすすめします。こちらを実際にやる場合、責任等は取れませんので、よろしくお願いします。
今回は、「そういう療法があったな…」程度で使っただけです。よろしくお願いします。
コメント
11件
ネギなんかよくあるやつだよね笑出てきた瞬間ちょっとびっくりした!最高だよ!
ネギ そんなのあったんですね 初めて知りました(´❛-❛`)
ネギ…初めて知った…