どうも皆様、サカナです
帝日、にほ日帝を流行らせたい
切ない感じのにほ日帝がほしい…
目が見えない日帝さんがよくいるので、それと一回使ってみたかったネタを
死ネタに注意されたし
何を書きたかったのかわからんくなってしまった故、雰囲気で読んでください
ガラガラガラ…と引き戸を開けて、僕はあの人の病室へ入る。
「今日も来てくださったのか?」
「もちろんですよ、日帝さん」
整った顔でベッドに寝ていた彼は、ドアの音を聞きつけて起き上がる。
最初はボロボロで痛々しかった体も、数ヶ月経てば回復するもののようだ。
「はは…相変わらずの格好で申し訳ない。今日はどのような話を聞かせてくれるのですか?」
僕は彼の息子だが、彼は僕のことを赤の他人だと思っている。
なぜなら彼の中の僕は、5歳で止まっているから。
戦に出向き、生き別れたまま僕は大人になってしまった。
目が潰れてしまったこの人は、僕のことを見舞いに来てくれる知人としか認識していないし、それ以上の認識は必要ない。
海叔父さんは何度か真実を話そうとしていたみたいだけど、僕と空叔父さんが止めた。
父さんは…日帝さんは今が幸せだろうから。
僕に恋してるらしい、今が。
「今日は…そうですね、恋する乙女のお話でといたしましょう」
「恋する乙女…あなたには、私のことが恋に喜ぶ生娘にでも見えているのでしょうか?」
「まさか。こんなお話は嫌でしたか?」
「いいえ、あなたの口から語られるものならば、私はどんなものでも聞きましょう」
実の父にこのような言い方をされるのは、正直辛い。
だけど、これでいいんだ。
毎日お見舞いに行って、毎日違う話を一つずつ語る。
包帯に覆われた目をキラキラさせて、僕の話を聞いてくれるだけでいいから。
そうして時が経ち、ついには彼にも限界が来る。
特別多くの放射能を受けていたから、寿命は叔父さんたちより短かった。
僕はそれでも、毎日話をした。
音だけの世界になった彼に、毎日。
もう、起き上がって聞いてくれることはないけれど。
「…今日、も…来て、くださっ、たんです、か…」
「日帝さん…はい、僕はここにいます」
「今日は…もう、一度…あの話、が…聞き、たい…です…」
「あの話、ですか?」
「恋、する…乙女の、話です…」
「…日帝さんは、苦手だったのではないのですか?」
「今の私、には…お似合い、ですから…」
僕は話した、 あの恋のお話を。
恋の願いを持った病弱な少女と、献身的に会いに来てくれる少年の話。
気がつけば、僕は泣いていた。
だけど、お話は止めない。
父さんの最後の頼みなのだから、止めることなど絶対にできない。
もう聞こえているかはわからないけれど、死に瀕した父にできる、最後のことだから。
「こんな父親で、すまなかった」
そんなこと、言わないで
コメント
4件
ぬあああああああ 日日帝好き好き好き……サカナ様天才過ぎて大好きです 儚いのめちゃくちゃ良いですね……