ハッピーハロウィン!!遅刻でごめんなさい!!
1ヶ月くらい前から隙間時間に書いてたのに!!!おかげで最初に書いたことあんま覚えてなかった!!俳優吸血鬼パロです💕💕
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【紅い絆に囚われて】
あらすじ
国王の人間と生まれてからすぐに亡くなってしまった吸血鬼の間に生まれた双子の兄弟───
名前はキッドとスペイド。
キッドは吸血鬼として、スペイドは人間として生まれた。
しかし、キッドは自分が吸血鬼であることを兄であるスペイドにさえ隠し、人間界で暮らし続けていた。
だがある日、キッドの中で抑えていた吸血衝動が、とうとう限界を迎え、抑えきれない欲望がほとばしっていく。
闇夜に包まれたトランプ王国の一角で、二人の人物が対峙していた。
「とうとう追いついたぞ、吸血鬼。お前が血の密売所のオーナーだと聞いている。」
やっと追い詰めた、と探偵の目を光らせるスペイドは捕まえんとする決意に満ち溢れていた。
「あ、いや…」
普段はキザな発言で世間、いわゆるお姫様方を虜にしているキッドも変装の面影に戸惑いを隠せなかった。
目の前の相手は他ならぬ双子の兄なのだから。
「…おやおや、国の王子様が私に何の用ですか?まさか捕まえようとでも?」
動揺をお得意のポーカーフェイスで隠し挑発をすると、スペイドは勝ち誇ったかのような笑みでキッドを捉える。
これは、俺を試しているのだ。
「まさかこの俺が一人で来たと思っているのか?兵士らは私の指示一つで動ける。お前はもう終わりだ。」
「私がたかが兵士に捕まるとでも?」
「残念ながら、それは無理だな。だがこれを使えばどうだ?」
そう言ってスペイドが差し出したのは、誘引煙──つまり、吸血衝動を促す煙玉だった。
「これを使えば変装が解けるし、この注射が効くようになる。ここで血を吸い人間を殺せば更に罪を重ねることになるが、それでもお前は抵抗するか?」
この国では吸血鬼が人間の血を吸うことを禁じられている。
血を吸うには正式な市場で購入する必要があるが、その市場さえも廃れはじめ、飢餓状態に苦しむ吸血鬼も少なくはない。
「本音を言えばおとなしく降参したいところなのですが、私がいなくなれば飢餓で苦しむ吸血鬼が増えるでしょう。貴方はそれでも私を拘束するおつもりですか?」
そう言い終えた途端、キッドに猛烈な吸血衝動が襲いかかる。
それもそのはず、一日中追いかけられ十分に吸血することができなかったのだ。
「おい、お前……まさか吸血衝動か?」
スペイドは脅しのつもりで誘引煙を見せただけであり、本当に吸血衝動を引き起こすつもりは一切無かった。
「ごめん…兄上…俺…」
「茶番は終わりだ。とりあえず俺のを吸え……キッド」
寄宿学校時代、俺はあらゆる分野で常に1位を争った。もちろんキッドと共に。
何をするにも一緒で常に競い合う関係だった。
一言えば、いや、何も言わなくても十を理解してくれるのはこの弟だけだった。
そんな弟を愛していたし、また彼も同じくらい俺のことを愛してくれていると思っていた。
あのときまでは。
学校を卒業し、それぞれの職務に励む日々が始まると、ある噂が立つようになった。
“闇市場で血が売買されている”
こうした噂は立つことは珍しくないが、今回のものはいつもの噂と少しばかり違った。
貴族の中でもさらに上流階級に位置する人物がそのオーナーである可能性が高いというのだ。
品質は良く、安価。吸血鬼はこぞってここへ買いにいくという。オーナーの言葉遣いは上流階級の人間のもので、どうやら慈善事業の一貫としてやっているようだ。
だがしかし、違法なものはどこまでいっても違法であり取り締まねばならない。
俺は調べてみるしかないと決心をした。
そう思いキッドに相談したところ、返事はまさかの「No」だった。
キッドいわく、「この世界は綺麗事だけではやっていけない。これで吸血鬼も飢餓で苦しむことがなくなるのなら、良いじゃないか。」とのことだった。
それだけでなく、最近のあいつの言動や行動はどうもおかしい。決して疑っているわけではない。あいつへの不信感を拭うためなんだと自分に言い聞かせながら、同時に調べていくことにした。
今思えばこれがいけなかったのかもしれない。
調べていくほどに出てくるのはあいつがオーナーだという証拠。この証拠もあいつのことを調べなければ決して出てこなかっただろう。
加えて、あいつの食事に俺の血を少量だけ混ぜるといつもより美味しいという。
不可能な物を除外していって残った物がたとえどんなに信じられなくても、それが真相である。
どの本に載っていたか、そんな言葉がある。
あいつが吸血鬼であるということは到底信じられないが、いくら考えてもそれ以外の結論は出ない。
しかし、俺にはあいつを捕まえることは絶対にできない。
どう転んでも双子の弟だからだ。俺を理解してくれるのはあいつしかおらず、その逆も然りだ。
それに、俺は正義感の強い人間でも優しい人間でもない。
ただこの国をより良くするために、法に背く者を調べてみようと思っただけだ。
捕まえるつもりはなかった。
だがここまできて黙っていられる人間ではない。あいつの秘密を暴きたい。
だから俺は賭けに出ることにした。
「いつから俺が、吸血鬼…だと…?」
「例の密売の件からお前が浮上してきたんだ」
やっぱ調べてたよな、と力ない笑みを溢すと、本気で心配の目を向けてきているスペイドは自身の肩をこちらに差し出そうとする。
「兄上…分かっているのか?吸血鬼に吸われると言うことは……どういうことなのか。」
吸血鬼は大抵、吸った人間のことを殺すか吸い尽くして死に至らしめる。
なぜなら、血を直接吸われた人間は吸血鬼と化してしまうからだ。
「そんなの覚悟してるに決まってんだろ。お前は、俺が寿命で死んだら理解者がいなくなることを知ってんだろ?」
「どこからその自信が…出てくるんだよ…ただ、兄上に…俺と同じ苦しみを…味わってほしくない…」
キッドが言い終わると同時にスペイドは自身の肩に爪をたて、タラタラと垂れてくる血を見せつける。
「わーったよ。んじゃ、これを見てもお前は耐えられるか?」
「兄、上……!!!もうだ…め…!!」
血を見た瞬間、目の色がガラリと変わったキッドは、今にも欲さんとばかりにスペイドをめがけて襲いにかかる勢いだ。
チュー、と吸うキッドの変装は解け、獣のような目を隠すこともなく吸い続けた。
「あぁ…キッド、俺の血は…おいしいか…?」
「ものすごく。兄上の血は格別だよ…」
その瞬間、スペイドは彼を抱きしめた。理性を奪われ、思考を狂わせるほどの誘惑が彼を襲う。
吸われている感覚は恐ろしいほどに心地いい。同時に意識もだんだん遠のいていく。
二人の絆が、禁断の紅に染まる。
吸血鬼としての新たな覚醒を迎えたスペイドは、二度と戻れぬ道を歩き始める。
キッドと共に。
───カーーット!
監督の声が響き渡り、新一と快斗のダブル主演作品がついにクランクアップを迎える。
「黒羽、お疲れ。」
「し、新一…お疲れ…」
現場の空気はいつもより重苦しかった。その原因は、この男、黒羽快斗だ。
彼は常にエネルギッシュで、現場の華であったが、今回は役に飲み込まれ、ずっと沈んだ表情を浮かべている。
「新一、オレは…」
「頭、冷やしてこい。」
快斗には、この役と共通する部分があった。それは孤独感と執着心だ。
元々新一に執着気味だった快斗は、キッドというキャラクターに深い感情を掘り起こされてしまったのだ。
「快斗、無理すんな。」
その言葉に、快斗は軽く肩をすくめ、少し茶化すように新一を見つめる。
「そう急かさないで、兄上。“本来の自分”って、案外ぼんやりしてるもんじゃない?」
“兄上”と呼ぶのは、快斗が役から抜け出すための手段だった。
新一は、面倒だな、と思いながらも少し付き合うことにした。
「…まったく、お前らしい言い分だな。でも本気でそう思ってるのか?それとも、、」
そんなわけがない、と快斗はクスッと笑いながら、さりげなく目を逸らす。
「兄上には敵わないな。いつも通りってやつだろ?」
「そうやって軽く言うのも、お前の癖だな。まあ言っておけ。」
ハッと少し驚いた後、慌ててポーカーフェイスを装う快斗は、乾いた笑いを漏らした。
「兄上は相変わらず、的を射るのが上手い。」
「だが、そのままじゃ、前には進めないだろ?」
新一は力の抜けた快斗に優しい視線を向け、微笑む。
そして、この会話は最終話放送後ににネットで公開され、ネットで話題となる。(二人は恥をかくこととなる)
「新ちゃんー!なにこれー!拡散されてるんだけど!!」
「お前のせいだろ」
Fin
時間があれば某ちゃんねる風(こなちゃんねる)のこのドラマ感想スレ的なもの書きたいです
コメント
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俺の厨二心がくすぐられる設定じゃーん🙃🙃