あの後すぐに眠ってしまったようだ
tk「…寝た気がしない」
そう言いつつもキッチンのフライパンに手をかけて朝食を作り始めていた
ここに来てからずっと自分でご飯を作っていたのでだいぶ手馴れてきてはいる
お皿によそったスクランブルエッグとこんがり色がついたトーストを机に置いて椅子に腰掛ける
tk「一人のいただきますも慣れたもんだな」
とは言いつつも…
自分だって誰かと一緒にご飯を食べて喜びを分かち合いたい
誰かの作ってくれた料理を食べたりしてみたい
自分の作った料理を美味しいって言ってもらいたい
なんて、そんな願望は腐るほど思いついてしまう
tk「食べ終わったら今日もあそこ行くか」
“あそこ”というのはいつも行っている空き地のような場所のことだ
半分天使の翼、半分悪魔の翼ということもあって虐めだけでなく物珍しさに写真を撮りたい、一目でいいから見てみたいなどの自分の欲を満たすためだけの来訪者が後を絶たなかった
そんな奴らにうんざりして、誰にも見つからないような場所へ逃げることにしたのだ
tk「…ここが一番落ち着くんだよな」
誰も居ないし、誰にも見つからない
こんな俺にとってはピッタリの場所だ
大声を出しても街からは離れているから誰にも声は聞こえない
tk「辞めてしまいたい理由なら10も100も1000もあった」
tk「でもその全てがちっぽけに見える一つがあった」
tk「逃げ出すための言葉なら飽きるほど浮かんだ」
tk「でもそれを零さないだけの輝きがあった」
この歌詞は辞めてしまいたい理由がちっぽけに感じるような一つを持っている
俺も…いつかはこの歌詞みたいに大切な一つの理由が見つかるのかな
そんな詩的なことを思い、また歌を歌おうとする
ガサッガサッ
草むらから物音が聞こえた
tk「え…誰かいる?」
返事は聞こえない
恐る恐る物音が聞こえた方を見る
tk「…え」
そこで俺が目にしたのは…
tk「悪魔…?」
黒い翼が二つある悪魔だった
コメント
8件
相変わらず小説書くの上手すぎる... 私リオンが書くノベル好き( tkさんのア○ラクトライトの歌ってみた良いよね〜! 悪魔!?誰だ!?!? 続き楽しみにしてる!! 投稿お疲れ様!
○ーニャわくわく✨️(( 続き楽しみ〜、!