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草むらに横たわってたのは一人の悪魔だった
満身創痍の状態で呼吸が荒く感じる
tk「あの、だ、大丈夫?」
ym「…ん」
大丈夫じゃなさそうに見える
tk「手当してあげるから」
ym「…ん」
tk「ちょっと遠いかもだけど我慢してね」
そう言い、俺は悪魔を担ぎ上げた
そして非対称な翼を使って空を飛ぶ
翼が片側ずつ違っても能力としては衰えていない
誰にも見つからないように暗い路地裏に沿って翼を羽ばたかせる
tk「あと少し…」
数分後、家に着くことができた
意外と思いようで…軽かった
tk「とりあえず救急箱持ってくるから待ってて」
目の前の悪魔はそんな俺の呼び掛けに小さく反応した気がした
tk (それにしても悪魔がなんでここに?一応ここは天界だから悪魔なんかいないはず…)
そう思いはしたもののとりあえずは手当に集中することにした
包帯を巻くのは慣れてないため悲惨な結果となっている…まぁしょうがない
とりあえず此奴が起きるまで待つことにした
ym「…ここは」
二時間が経過したちょうどぐらいに悪魔は目を覚ました
tk「目…覚めた?」
ym「…まぁ」
幸い意識はちゃんとあるようだ
tk「空き地に倒れてたんだけど…覚えてる?」
ym「あー…まぁ覚えとる」
tk「なら良かった」
ym「…で、ここはどこなん?」
tk「俺の家。さすがに怪我人ほっとけないから」
ym「ふーん…優しいやつやねんな」
tk「それは…どうかな」
ym「…てか、その翼」
tk「あ…」
しまった…完璧に自分の翼のこと忘れてた
知らない人からしたら気持ち悪いよね…天使にも、悪魔にもなれなかった翼なんか
絶対に気持ち悪がられるに決まってる
ym「めっちゃかっこええやん!!」
tk「…え」
ym「え、何?これって天使と悪魔のハーフってことなん?ほんまにこんな翼存在するんや…すげぇ…」
tk「…馬鹿にしてんの?」
ym「は?なんで俺がお前のこと馬鹿にしなあかんねん。ただ本音言ってるだけやん」
tk「珍し…」
ym「ん、何が?」
tk「俺の翼…かっこいいって言うなんて」
ym「今まで此奴に会ってたやつは目が腐っとんのか?どっからどう見てもかっこいい翼やん」
tk「…変な感じ」
ym「何が?」
tk「そうやって俺の翼褒められるの」
ym「じゃあめっちゃ褒めたろ」
tk「なんでだよ」
ym「え、だってお前からかうの楽しいw」
tk「なんだよそれ…w」
久しぶりに誰かと喋ったこの時間は今まで感じたことの無い気持ちに包まれた
俺の目を見て話してくれるのがこんなにも嬉しいとは思ってもなかった
そんな普通の会話をしていただけなのに今までと違う世界にいるように感じたのはきっと気のせいじゃない