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ローレン・イロアス ) 今回は登場しません 。
叶
葛葉
アクシア ) 今回は登場しません
※ ご本人様には関係ありません 。
真冬の深夜2時。相棒の葛葉との配信が終わって小腹が空いたので、コンビニに2人で向かうことになった。
葛葉は、コンビニに着くなり即座にお菓子コーナーへと足早に向かっていく。そんな葛葉の背中は幼げに見えてしまい微笑ましく思いつつも、葛葉がお腹空いたというから付き添いで来たはずがお菓子を選ぶとは思ってもいなかった。
何か、欲しいものが見つかったかな?と葛葉の方へ視線を合わせると、廊下に屈んで小さい子向けのお菓子へと手を伸ばして、手をいっぱいに商品を抱えていた。
葛葉の事は知っているつもりだし、そんなマイペースや葛葉がところがいい。
仕方がない、と1人で食品コーナーへと向かう。
最近の食事は不健康なものばかりだったから、パスタや、サラダでも作ろう。
人参や、カット野菜、ソース次々に買い物かごに入れていく。
葛葉が買い物かごにスラスラと流れるように入れるのは、僕が奢る前提だから。
嫌という訳でもないし、勿論こんなに長くいるとそれも癖になってしまうだろう。
それに加えてこんな堂々と奢ってもらうのは葛葉しか出来ない。まさに弟のような存在。
『 叶 ~~ 、ホットスナックも 』
『 はいはい 』
レジに並ぶや否や、そんなに食べないでしょ。と言いたげな程のホットスナックを注文し始めた、店員に伝えたあとは満足げにスキップをして先にコンビニを出ていく。
「 合計 、4023円になります 。 」
「 レジ袋はお付けしますか ? 」
『 あ 、レジ袋 … お願いします。 』
『 葛葉 、終わったよ 。帰ろっか 。 』
『 うぇい 、叶 ~~ あんがと 。 』
ほんとに、こいつは憎めない奴なのが、憎たらしい。
先ほど来た道を二人肩を並べ戻っていく、夜のこの静けさと、このひんやりと冷たい空気がどこか心地いい。
空を見上げると今日は、月がとても綺麗に輝いている、普段部屋にこもってゲーム画面しか見ていなかったからとても、新鮮な気分だ。ラッキーだな、と冬の夜空にはぁ、と日々の疲れを吐き出すように、ため息を1つ。
すると、疲れとして吐き出した息が煙のように、ふわふわと、僕らの瞳に写る。
突然葛葉が途端に、やば!と声をあげる。
『 え、何どうしたの 』
『 息が 、白くね?! 』
葛葉は、吸血鬼で今はこの下界に人として化けて暮らしている。それは、職場の人も知っている。が、職場の人々は設定として普通の人は捉えるだろう。だが、葛葉は本当に吸血鬼だった。
『 そうだね 。すごいよね 』
『 やば ~~ 、おもろw 』
そんな幼い子供のような反応されては、こちらが反応に困る。でも、牙が生えている葛葉も、羽を手入れしている葛葉も僕しか知らない。
綺麗な色白の肌と、真っ赤な宝石のような瞳。そんな皆が知らない葛葉を僕は知っている。それは僕らだけの秘密。
家に着くと、葛葉は猫のように即座にこたつの中へ身を縮める。
そんな葛葉の姿に、僕はもぉ、と頬を膨らませて、さっき購入したコンビニ袋から商品を取り出してご飯の支度を始める。
『 叶 、飯まだ ~~ ? 』
『 今作ってるってば 、 』
まだまだ、赤ちゃんな葛葉は僕に頼るしかない。そんなところも愛おしい。そんな事を一人考えながらご飯と惣菜をレンジに入れて、温めてペアのお皿に移していく。
冷めないうちに、すぐに葛葉の元へ食事を運ぶ。
『 葛葉、出来たよ 』
『 あはッ、ありがと♡ 』
食べ物をテーブルに並べると、即座にこたつの中から身をのり出して、相当お腹が空いていたのか犬が食事をさるような勢いで食べ始めた。
『 こらこら 、行儀良くしなさい。 』
と、葛葉の頭を数回撫でる。葛葉は犬なのか赤ちゃんなのか分からない。でもどこか物足りない。そのような欲求は何処から沸いて来るのだろうか。
『 この間の赤髪 、良かったな … 』
『 ん 、お前なんなのがタイプなの? 』
『 あいつ 男 だろ 。 』
葛葉は否定的だろう。でも僕にとっては何にも関係ない。どうしてもあの少年を手に入れたい。どうしても。
『 あんなに 顔 が良かったら、アレがついてても僕は受け入れるよ 』
と光の灯らない瞳に、不気味な笑顔を浮かべる。
『 まぁ 、顔女っぽかったしな。 』
もごもごと、口いっぱいにご飯を溜めながら僕の話に頷きを見せる。
だから、僕は手に入れることにした 。
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