コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「良い夢だな。叶えなさい。父さんも応援している」
「ミロア。貴方のやりたいことをやって良いのよ」
「お姉ちゃんと同じことしたい」
「ミロア。翔べ」
嫌だ、嫌だよ
やめて
置いて行かないで
一緒にいたい
死なないで
どうして
会いたい
大切なのに
もう遅い。
「ミロア」
『エレン。』
「何を考えてたんだ?目を開けたまま寝てるみたいだったぜ」
『いや…自分でもよく覚えてない。だけど、そんなに大したことじゃないよ。行こう』
私は進む。
「ただ今より!第104期訓練兵団の入団式を行う!」
前線の町、青空の下でキース教官が叫んだ
そう、私は今日から訓練兵となるのだ
その為にまず教官から「通過儀礼」を受けなければいけない
父さんから聞いたが、本当だったんだな
名前、出身、それと兵士になる理由を答えればよいのか
「違うぞ!!貴様は豚小屋出身、家畜以下だ!」
「ハッ!自分は家畜以下であります!」
そんな声が聞こえてきた
…どうやら、随分な恫喝を食らうこともあるらしい
それにしても、遠くからでも教官の言葉が体に響いてくる
声だけではない
普通に手も上げる
それが何よりの恐怖だ
『(あっ)』
刈り上げの少年が”内地に行きたい”と発言した所、
教官の頭突きを食らった。
『(あの人思いっきり頭打たれてたよな…痛そう…)』
「貴様は何者だ!」
『は、ハッ!!』
思わず余所見をして気が緩んでいた私は、
通過儀礼の対象となってしまった
『シガンシナ区出身!ミロア・ヘリスです!』
「そうか!貴様も馬鹿みてぇな名前だな!アホ面下げてここに何しに来た!!」
『鎧の巨人共を討伐し姓に相応しい兵士となる為です!』
「…ほう。精々頑張るといい。だが!貴様の死体が分かるように目印を付けておくのを忘れるな!!」
教官はそう突き弾いて踵を返す
他に何も無くて良かった、と思うと同時に
鋭い眼光が私から離された時
心底安心した
いつの間にか汗をかいてしまっている
その後も、教官の通過儀礼は続いた…