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現パロ
俺はどうやら生まれ変わったらしい。
あのround6の後、哀れに思った神による慈悲のおかげなのか、保育施設で幼いティルと、アナクトガーデンにいた数人と再会を果たした。
俺だけが記憶を持ち生まれ変わり、ティルやミジ、スア、アナクトガーデンの同期である全員が、あの悲惨な支配による過去の現実については微塵も覚えてはいないらしい。
何故だろうか。何故、いつも俺だけ?
あのroundでも、あの世界でも、いつも苦労し報われないのは俺だけだ。生き抜くために主人には忠実に、何をされようと従って生きてきた。
辛い日々を乗り越えれたのはティルのおかげで、いつからか好意を寄せていた。
もしもティルに前世の記憶があるのならば、己の気持ちを素直に伝えたい。ティル、君に心から謝罪をしたい。君にこの想いを告白したい。膨れ上がり爆発寸前の膨大な愛の宝庫を、君に差し出したい。
俺の感情全てを、君に拾われ、悟って欲しい──
辛く切ない無慈悲な世界で、一途に想ってきた君に伝えたかった。
「どうした?イヴァン」
なのに君は、何も知らずして俺に対し、純粋な笑みと疑問をかける。
「なんでもないよ。考え事してただけ。気にしないで」
空から降り注ぐ無数の太陽光は、この世界に誕生した俺を祝福するかの如く、温和に包み込んでくれた。