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「ほんとに大丈夫?」
「おぅ、もう仕事復帰やし俺は家でゆっくりさせてもらうわ。jpはしっかり最後の確認するんやで」
「うん…」
「大丈夫やって!リリース長引かせた分はよ動かんとな」
「そうだね…じゃあ、行ってくる!終わったらすぐ帰るから」
「慌てんでええよ。久しぶり顔出すんやからゆっくりしてこい!みんなによろしく言うとってな!」
明るく送り出したttに手を振ると、jpは駅へ駆け出した。
本当はttの職場復帰を見届けて安心できたら進めるつもりだったが、昨夜ttに「早く行け!なんなら今から行け!」としつこく促されたので、行く事にした。
少し不安があるが、ここ数日のttを見ていると大丈夫そうだ。
溶けるんじゃないかと思うくらい泣き続けたtt。
あの弱々しくて消えそうなttから、強いttが戻ってきてくれた。
さぁ、俺も再始動だ。
…
「終わった〜〜!!」
最終チェックでもいくつかバグを見つけたが短時間でデバッグも済んで、とうとうゲームが完成した。
ようやく世に出せる、と背中を伸ばし天井を見上げたjpに、 urと肩を組み喜び合っていたyaが言った。
「せっかくだからttも来ればよかったのにな!」
「あ…うん、そうだね。最近tt疲れててさ、今日は休憩してもらっちゃった」
「こないだ来た時もおとなしかったもんな、ttさん」
「…urりん」
「ん?」
jpはurを見て、気まずそうな顔をした。
「あの、さ、目…見えない、でしょ。俺のせいだし今更かもしれないけど教えてほしい」
「…?うん」
「目、見えないってどんな感じ?」
「んー…。それなりに不便はあるよ。よく掴み損ねるし、残った目は疲れる。」
「うん」
「あとはこっちの目でもこいつを見れたらなって。二分の一しか見れてないんだ、損してる気がするよな。でもこいつ、それをわかってるのかわかってないのか、しつこいくらい目線に入ってくるしくっついてくんだよ。」
「はあ!?んなことしてねーし!(照)」
「笑。でもさ、ttさんに言われたんだ。『見えへん分見えるものがあるはずやで』って。最初はわかんなかったけど、yaくんを見てると今はなんとなくわかるよ。」
「ttが?」
「うん。そういやttさんもずっと眼帯してるけど、慣れちまってるのかフツーだよな」
「…うん、ほんとだね……」
「おじゃまします」ガチャ
「noさん!どうしたの?」
「差し入れをと思って」ニコ
「あれ、jpさん久しぶりですね」
「no兄久しぶり!この前は電話ありがとう」
「いえ…、ttさんは?」
「ttは元気になったよ。そろそろ仕事行くみたいだから、今日は家でゆっくりしとくって。 めっちゃ心配したけどもう元のttだよ」
yaとurがこちらを見ている。
「ttなんかあったの?」
「ちょっと色々あってね…少し落ち込んでたんだ」
黙っていたnoはjpのリュックを取ると胸に押し付けてきた。
「…早く帰ってください。 ttさんのところに」
「…え?」
「早く!」
「ぅ、うん!」
眉間に皺を寄せたnoに気圧され、jpは慌てて家を飛び出した。
yaとurは状況を飲み込めないまま、ポカンと口を開けている。
「noさん、ttどうしたの?jpも最近顔出さなかったけど、来るときはttも連れてきてたよ」
「そんな落ち込んでるように見えなかったけどな」
「…強がってるだけ。ttさんはひとりにしちゃいけないです」
「たぶん、泣いてる」
電車を乗り継ぎ最寄駅に着いた。
駅の改札を越え、家路を急ぐ。
少しだけ不安はあったけど、大丈夫だって笑って送り出してくれた。
きっと帰ったら、笑顔で出迎えてくれる。
でもなんだろう、やっぱりひとりにしちゃまずかったかも
ttが待つ賃貸マンションはいつも通りに佇んでいる。
駆け上がる階段に貯まる埃も、どこかの部屋の換気扇から漂う煙草の香りもいつも通り。
いつも通りなのに、胸騒ぎを覚えながら玄関を開けた。