テラーノベル
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「ねぇ涼太君…結婚する時は【大好きな人から貰ったお揃いの指輪】をするんだよ」
昨日、初めて結婚式に参列した翔太は
花嫁姿の親戚のお姉ちゃんから教えてもらった話を、次の日【ゆり組】で仲の良い涼太にそう話す
「指輪?」
「うん指輪。こうやって、指にはめるやつ…」
昨日見た、お姉ちゃんの指にはまった指輪は…キラキラと光っていてとても綺麗だった…
「オレ、作れるよ指輪」
「えっ、本当!」
そう言って、涼太は園の裏庭に翔太を誘う
「うわぁ〜」
ソコには一面のタンポポ畑…翔太はそれを見て大喜び
「凄いだろ、ほら行くぞ」
仲の良い翔太を驚かせる事が出来て、ご機嫌な涼太
「ちょっと待ってろ…」
そう言った涼太は、ゴソゴソと何かを始め…それを大人しく待つ翔太
「ほら出来た」
そう言った涼太は、翔太の指にタンポポで作った手作りの指輪をプレゼントしてくれた
「指輪だ指輪〜涼太君凄い〜!」
嬉しそうに感動している翔太に
「ほら出来た、翔太見て!」
涼太が、そう言って自分の手を見せて来る
「僕と同じ、お揃いの指輪だね〜」
2人は、お互いの指輪を見せ合い笑い合う
「先生〜僕、涼太君と結婚した〜!」
園に戻って先生に自慢すると、笑って2人を褒めてくれた
◇◆◇◆
あれから翔太は、その指輪を凄く気に入って…
指輪が枯れてしまった時には、涼太がまた新しく作ってくれた
「先生、痛いよ〜」
翔太の泣き声を聞いて、慌てて先生が走り寄ると
タンポポが咲いていないので、別の草で指輪を作ろうとした涼太が指を切ったらしい
「それじゃあ何で、翔太君は泣いてるの?」
「だって、凄く痛そうなんだもん…」
当の本人の涼太は、全然平気そうなのに…翔太は今だ【痛そう…】と言って泣いている
◇◆◇◆
あれから園を無事卒業して、アイドル活動をし始めた2人…
「翔太、またその写真見てるの?」
リビングのテーブルには、あの頃のアルバムが…
そこには、タンポポの指輪を付けた2人が楽しそうに笑っていた
そんな2人の薬指には、タンポポの花を模った可愛いお揃いの指輪がはまっている
【もっと良いのを買ってあげるよ】そう言った涼太に、絶対これが良いと譲らなかった翔太…
「ねぇ涼太…あれ言って」
「えぇ、また?翔太好きだよね〜」
「良いから、お願い」
「はいはい…それでは」
そう言った涼太は、翔太に向かい合う様に腰を下ろす
「翔太、俺と結婚して下さい…」
涼太はそう言いながら、翔太の指輪にそっと触れる
「喜んで…」
翔太も同様に、涼太の指輪にそっと触れた
笑い合って近付く唇…
本日2人は、何度目かの結婚式を挙げた
コメント
5件
まさかの重婚!!(同じ相手だけどw)本編でいわなべとか書いてると、ほかで振られる相手(たとえば舘さん)とのラブラブ書きたくなりますよねぇ。いや、これは私の話なんですけども🥺全員とくっつけたいw