テラーノベル
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渡辺が宮舘の部屋を訪れてから、しばらく経ったある日…
「ねぇ翔太、舘さんの家に行ってから…何か様子がおかしいよ?もしかして何か悩事?」
岩本にそう聞かれ
「そうかな…俺は別に悩んで無いけど…」
そう答えた渡辺は、微かだが動揺している様に見える
「本当に?」
「本当に!しつこいと怒るよ…もう…」
そう言って背中を向けた渡辺は…何故バレたのかと内心、驚いていた
【あのさ、翔太…2人の間に、俺が入り込める余地は無いかな…?】
あの時、涼太が言った言葉が頭を離れない…
真っ直ぐで不器用で、優しかった涼太があんな事を言うなんて…
それ程までに思い詰めていたのかと、胸の奥が熱くなる
「ごめん…俺、今日はもう帰るから…」
そう言って、出て行く姿に岩本は一抹の不安を覚える…
「………」
もしかしたら…もうこの頃から、2人の間に溝が出来ていたのかも知れない
自分の気持ちを誤魔化して、俺に合わせて無理に笑う
そんな翔太の顔を見るのが辛くなって、ついに俺から別れを切り出した…
「舘さんには、伝えるの?」
そう聞いた岩本に…【涼太には、合わせる顔がないから】渡辺は涙を流してそう答えた
◇◆◇◆
突然、訪ねて来た岩本に【翔太と何かあったのか?】と尋ねる宮舘
LINEに確認が入り、家に居ると伝えたら【話したい事がある】と言われ…最初に浮かんだのが翔太の事
とりあえず中に入れと勧めたが…すぐに帰るからと岩本は、その申し出を断った
『やっぱり彼は、まだ知らない…』
確信を持った岩本は…自分達が別れた事や、その経緯を全て伝える…その言葉に驚く宮舘
「きっと翔太は、今でも舘さんの事を想っています。それでも自分にはもう資格がないからと、その気持ちを一生言わずにいるつもりだと思います…」
「………」
「この話を聞いて、アイツを迎えに行くか行かないかは、舘さん次第です…俺は、それだけ伝えに来ました」
そう言った岩本は、何故か微笑んでいる
「照、お前…」
表情を引き締めて、何か言おうと口を開くが
「あっ…後、これは俺の独り言だと思ってくれて構いません…」
岩本が、何か思い出したかの様に言葉を紡ぐ…
「舘さん…あの、※※※※※※※※※※※※※※」
独り言と言う割に、その言葉には優しさが溢れていた…
その言葉を静かに聞き…宮舘は、ゆっくりと頷く
「それじゃ、俺は帰りますね」
それを確認した岩本は、頭を下げて帰って行き…俺は、それを無言で見送った
コメント
3件
うぇー、ひーくん可哀想やぁ、、、 心情を丁寧に書く主様だからこそ、推しカプの別れは辛いっすね😭😭😭