テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
※なんちゃってセクピスパロ
この世界には猿から進化した猿人の人間と、それ以外の種類が人間に進化した斑類がいる。
俺は見ての通り平凡で典型的な猿人だ。
目の前で楽しく話をしている日常組のメンバーである、ぺいんとは犬神人の中間種。
しにがみさんは蛟の軽種。
クロノアさんは猫又の重種。
昔は階級制度なんてものがあったり、自分たちの種を残すために高いお金を払ってまで相手を孕ますブリーリングシステムなんてものがあった。
今の世の中、そんなものあってはならないものだと撤廃されている。
コンプライアンスとしても、”人”としての尊厳としても。
まぁ確かにお金を出されたとしても好きでもない相手との子供は作りたくないだろうし、階級違いとかで一緒になれない、友達にもなれないなんてのもおかしな話だ。
古い考えを持つ者たちや、昔のやり方を推奨してるような奴らは未だにいるみたいだけど。
そういう奴らはそれなりの処罰を受けるみたいだし。
過去であろうと今であろうと、俺にはほとんど関係のない話だ。
たまにみんなが耳出てますよ、とか牙生えてるじゃん、とか目が細くなってるし、とか話してるけど俺にはいつもの3人にしか見えない。
猿人の俺にはみんなの魂現した姿は見えないし、フェロモンも感じ取ることができない。
知覚出来ないようになってるから。
だから、知識と情報とでしか俺は斑類のことを知らない。
それでも、こんな俺なんかと仲良くしてくれる日常組のみんなのことは好きだ。
一緒にいるのもおかしい俺と。
斑類であろうと、ぺいんとはぺいんとだし、しにがみさんはしにがみさんだし、クロノアさんはクロノアさんだ。
何一つ変わらない、俺の大切な人たち。
そんな中で最近、おかしいと感じることがある。
何がとかは分からないけど、時折気持ちの悪い感覚に襲われる。
水底に沈められているような、息苦しさというか、寒いというか。
だからなのかしにがみさんに言われる。
あなた誰かにマーキングされかけてますよと。
水関連の斑類だから、分かるらしい。
「これは人魚です。かなりの希少種だから分かります」
猿人は確かに繁殖力は強いし、人類のほぼを占めているけれど。
なんで俺なんだろうか。
しかも、斑類とそういうことをしても大概産まれるのは猿人だ。
ぺいんとにも俺らと違う知らん奴の匂いがする。
と、嫌悪感丸出しの顔で言われる。
「生臭ぇ。すげー嫌な臭いがする」
それも分からないし、フェロモンだって出されても感知できない。
とにかく、嫌な臭いだとぺいんとは言うのだ。
クロノアさんには不思議そうな顔をいつもされる。
「トラゾーって、ホントに猿人なの?」
匂いやフェロモンなんてもの俺からは出てないのに、クロノアさんは確かめるかのようにすん、と鼻を鳴らすのだ。
俺の家族はみんな猿人で平凡で普通の生活を送ってきた。
訝しむようなクロノアさんのきゅっと細められる目にびくりと体が強張ることがある。
獲物を狙う獣のような目に。
もしかして、と思ってしまう。
でも、俺とクロノアさんじゃ釣り合わない。
俺の方があの人に相応しくないから。
身分違いすぎる相手を好きになったとしても叶うことは一生ない。
だったら、友達として今の関係を続けている方がいい。
俺を見る目が一体どういう意図があるのか分からなくて、クロノアさんの翡翠色を見るのが怖くなった。
勘違いしそうになるほど、”お前は俺のモノだ”と言われてるみたいだから。
傷付くのは嫌だ。
隠し通すのは得意だし、いずれか昇華させなければならない想いだ。
なら、それが消えて無くなるまで隠す。
大切なものだからこそ大事に大事に心の底に隠すことにしたのだ。
最近、やたらといろんな匂いと音に敏感になっていた。
甘い匂いや、微かな足音ですら。
だから離れている場所からでも、ぺいんとがこっち来てるとか、クロノアさんとしにがみさんがここにいたんだなってのが分かるようになった。
字面で言うと変態みたいだけど、俺の言う匂いっていうのは香水類とかそういうのじゃなくて体臭?その人の持つ本来の匂い?みたいな感じで。
「いや、どっちみち変態っぽいな…」
嫌だなと思ったり、安心するなって思ったり。
勿論、ぺいんとやしにがみさんやクロノアさんの匂いはすごく安心する。
リスナーがよく言ってる実家のような安心感というやつに似たような感覚だ。
すん、と鼻を鳴らしても匂いは分からない。
自分の匂いは自分じゃ分からないしな。
「トラゾーさん」
「?、どうかしましたか?」
考え込んでいたら声をかけられた。
心配そうな表情のしにがみさんが隣に座る。
「臭い、キツくなってますよ。鼻の悪い僕でも分かるくらい」
「ぇ…くさい、…?」
「いやトラゾーさんじゃなくて。あなたは寧ろいい匂いですから安心してください」
ショック受けかけて自分じゃないと分かってホッとした。
「いつも言ってる、やつですか?ぺいんとが言ってる」
「えぇ」
嫌そうに眉を顰めて俺の肩ら辺を嗅いでいる。
「…トラゾーさんの周りに知らない人間が近付いて来てませんか」
最近の交流を思い返してみるも、仲の良い人たちとばかりとしか関わってないように思う。
「トラゾーさんが気付いてないだけで、向こうは確実にあなたへ近付いて来てます。少しずつマーキングされてる」
それを払うかのようにしにがみさんが抱きついてきた。
全然嫌じゃなくて、すごく落ち着く。
「ぺいんとさんもクロノアさんも、めちゃくちゃ警戒してます。トラゾーさんには見えないでしょうけど、2人とも毛を逆立てて威嚇してますよ」
「…そう、なの?」
猿人の俺にそこまでする価値ないと思うのに。
「特にクロノアさんなんか…」
「っ!!」
びくっと肩が跳ねる。
俺に抱きついていたしにがみさんにはそれが伝わってしまっていた。
「……トラゾーさん、クロノアさんのこと好きですもんね」
「…好きでも、一緒にはなれませんし…今のままで充分幸せです。こんな優しい友達にも恵まれてるんですから」
じっと俺を見上げる紫の目。
一瞬、瞳孔が細長くなったように見えた。
瞬きをするといつものしにがみさんの目だったから気のせいかもしれない。
「僕はお似合いだと思いますよ。クロノアさんとトラゾーさん」
「まさかッ!俺とあの人じゃ釣り合わない。もっとお似合いの人がいるんです。…クロノアさんには、そんな人と幸せになってほしいと思ってます」
困った顔をしてると分かってる。
現にしにがみさんも困ったような顔をして俺を見上げていたから。
「好きなだけじゃ、どうにも出来ないこともあるんですよ」
ね?と首を傾げる。
「トラゾーさんはもっと我儘になっていいと思うんですけど…」
「えぇ?結構、我儘言わせてもらってる気がするですけど…」
腰に抱きつくようにして寝転んできたしにがみさんの頭を撫でる。
「しにがみさん」
「はい?」
「ありがとうございます。俺、しにがみさんと友達になれてよかったです」
「死亡フラグみたいなセリフやめてくださいよ」
「ふはっ」
ぎゅぅうと子供のようにしがみついてくるしにがみさんの背中をポンポンと優しく叩く。
「も〜…それ、眠くなるんで、やめてください…」
「寝不足なんでしょう?寝てもいいですよ、俺の太ももの上でよければ」
「クロノ、ア、さんに殺さ、れ…………、すー…すー…」
いつも無理難題のようなデータパックを想像以上の面白いものに仕上げてくれる。
きっと寝る間も惜しんでしてくれてるんだろうなと思う。
「(何でクロノアさんに殺されるんだ?)」
無茶しちゃダメだよと笑顔で圧はかけそうだけど。
寒いかもと自分の上着を脱いでしにがみさんにかける。
暖かくなったと思ったらまた少し肌寒かったりと体調を崩しそうな気候に着るものに困る。
ソファーに寄りかかって、天井を見上げた。
「(誰かにマーキング……認知できないから、気をつけようもないし…外に出ないわけにもいかないし…)」
原稿とかで俺自身も寝不足で頭がぼーっとしてくる。
ガチャっと休憩室のドアが開く音がした。
「…?」
落ちかけの瞼を無理にあげて音のした方を見る。
クロノアさんと丁度目が合って一気に眠気が吹き飛んだ。
「トラゾーここにいたんだ。……あれ?」
背もたれの方から歩み寄って来たクロノアさんが俺の太ももを枕にして眠るしにがみさんを見下ろしている。
「しにがみくんもいたんだ…」
「寝不足みたいで…リスナーや俺らの為にデータパック作るの頑張ってるみたいですよ」
頭を撫であげると、うぅんとしにがみさんが唸った。
起こしちゃダメだと手を離す。
「トラゾーは寒くない?」
「ちょっと…でも、しにがみさん寒そうにしてたんで。蛟って低温ですし…俺は丈夫ですし大丈、…わぶっ」
ひんやりとしてるしにがみさん。
夏場にぺいんとに追いかけまわされてるのも慣れた光景だ。
なんて口元を緩ませて思い返していたらクロノアさんが自分の着ていたパーカーを脱いで俺に被せてきた。
「着てな。体調崩しやすいのはトラゾーの方でしょ」
ふわりと、クロノアさんの優しい匂いがする。
赤くなった顔は被っている袋のおかげで見えないだろうけど。
「クロノアさんが今度寒いんじゃ…」
「上着あるから大丈夫だよ。それに…」
クロノアさんは俺の隣に座って寄りかかってきた。
あまりの近さに自分の心音が聞こえてないだろうかと焦る。
猫又の彼は耳もいいらしいし。
「…ち、かくない、です?」
「俺はもっと近くに行きたいよ」
「へっ⁈」
「……照れてる」
「ひゃ…ッ」
袋から覗く耳を撫でられて辺な声を出してしまった。
隙間から見えたクロノアさんの顔は、目を細めて面白いことを知ったと楽しそうに見えた。
「耳、弱かったんだ。初めて知ったよ」
「わ、わざわざ人に弱点言わないでしょ…!」
「弱点なんだ。へぇ」
「ぁ、ちょっ…ッあぅ…!」
耳朶を揉まれたり、耳の形にそうように指で撫でられる。
「ほ…ホントに、やめ、て…ください…っ」
こんな友達にするようなことじゃないことを。
好きな人や恋人にするようにしないでほしい。
「可愛いね、トラゾー」
耳に吹き込まれる低い声に肩が跳ねた。
思ってる以上に跳ねたみたいでその振動でしにがみさんが目を覚ましてしまった。
「ぁ、れ…?」
「おはよう、しにがみくん」
「!!!、クロノアさん!オハヨウゴザイマス!!」
しゅばばっ!と俺から離れたしにがみさんが慌てていた。
「こ、これはですね!あの!」
「うん?」
「ごめんなさい!」
何故かしにがみさんが謝っていた。
頭にハテナが浮かんでいたらクロノアさんの方に引き寄せられて更に密着する。
「わっ…」
「トラゾー、やっぱ寒くなったからもっとくっついてくれる?」
「え、あっ…は、はい…ッ」
肩に手を置かれて引き寄せられるものだからもう死にそうなくらい心臓が早鐘を打っている。
色々爆発しそうで、きゅっと被る袋を引っ張った。
「やっと捕まえたよ♡」
意識が浮上し、頭の痛みに顔を顰めた。
そんな混乱してる状況で倉庫のような場所に両腕を拘束され、目の前に知らない男が気味の悪い笑みを浮かべて俺に覆い被さっていた。
危機的状況を理解した途端、短い悲鳴を上げた。
「ひ、っ!」
「ねぇ、これが何か分かる?」
俺を無視して話し出す男の手には虫のようなもの。
懐虫だ。
同性同士で妊娠させる為に使われる寄生虫。
知識としてしか知らないもの。
俺には全く無縁な筈のもの。
「これで僕との赤ちゃんが作れるよ、トラゾーくん♡」
どうして、そんなことを知らないこいつとしなきゃいけないんだ。
暴れようにも拘束もされてるし、頭も痛んで思うように力が出ない。
「い、やだッ!…お、俺は、ただ、の猿人、だ…!」
「………あれ、その様子だと気付いてない?」
男の手の中で動く虫。
気持ち悪さに吐きそうになる。
男が持っているということに対しても。
「なん、の…こと、だ…」
あれだけみんなに気をつけてと忠告されていたのに。
夜中に作業をしていて目を覚ます為にエナドリを買いに行こうとコンビニに向かっていた時に背後から襲われた。
ズキズキと脈打つ頭。
出血はしてないみたいでぬるつく感触はない。
「トラゾーくん、先祖返りしてるんだよ?犬神人に。きっとキミの祖先の誰かにいたんだろうね。しかも頭鉄パイプで殴ったから生命の危機を感じて余計に返ってきたのかもね♡!やっと見つけたんだよ!僕に相応しい番が♡」
確か、人魚の次に先祖返りした人類は昔でいう階級が上に位置付けられる。
希少であり、繁殖力の強い先祖返りは目を付けられやすいと聞いたことがあるし、色々しなければならないということも。
ただ先祖返りはかなり稀なケースだ。
どうして、俺なんかが。
生命の危機に瀕したとか、遠い祖先にいたとかそう言われても実感が湧かない。
ただ何となくおかしいと思うことがあったから、今思えばあれらは先祖返りの前兆だったのかもしれない。
「ずっと、気になってたんだ。トラゾーくんのファンとして好きになって惹かれて♡マーキングしたのも猿人としてでも僕のモノにしようと思ったんだ♡」
無理矢理脱がされたズボンもパンツも投げ捨てられ、脚を広げられる。
「やめ、…っ!!」
「でも正真正銘僕のモノにできる♡たくさん僕と赤ちゃん作ろうね♡」
気持ち悪い臭い。
冷たい水底に沈められてるようなフェロモンが纏わりついてくる。
「ぁ、た、すけ、…っ、たすけ、て…」
近付く虫。
体を作り替えるそれさえにも吐きそうで。
「念の為、あとでお薬も飲もうね♡ココに赤ちゃん作る部屋をきちんと作んなきゃいけないから♡」
下腹部を撫でられて拒否反応で体が強張る。
それを感じたと勘違いした男が嬉しそうに笑う。
「僕で感じてくれて嬉しいよ♡!」
最早、こいつに言葉は通じない。
俺のことを無理矢理、番にして孕ませようとすることしか頭にないのだ。
「たす、けて、…ッ」
「大丈夫♡僕が助けてあげる♡トラゾーくんのこと守ってあげるよ♡」
強くなっていく纏わりつく気持ちの悪いフェロモンと生臭い臭い。
犬神人のせいか鼻が良すぎてえずく。
臭いにも、目の前の気持ちの悪い男が生理的にも。
「それにトラゾーくんのこと猿人だと思ってる彼らは助けになんかこないし、それなりの階級にいるあいつらと元猿人のトラゾーくんじゃ不釣り合いだ。まっ、今はキミの方にあいつらが不釣り合いだけどね♡」
蠢く虫に恐怖と生理的拒否で涙がボロボロ落ちる。
そうだ。
元だとしても平凡な俺とみんなが釣り合うわけない。
特に、希少値の高いクロノアさんにはもっと相応しい人がいる。
落ちる涙と傷付いて痛む胸。
もう諦めた方がいいのかもしれない。
あの人のことを好きでいることを。
釣り合うわけないし、一緒になれるわけないのに。
口を歪ませ、嫌な笑みを浮かべる男。
みんなの笑顔が薄れていく。
こんな俺とでも一緒にいてくれたみんなの顔が。
「、…」
最後に叶わないとしてもクロノアさんに好きでしたって伝えたかったな。
「(クロ、ノアさん…、)」
たすけて、
諦めて目を閉じて、次に来る感触に全てを委ねようとした時のしかかっていた重みも纏わりついていた生臭い臭いもフェロモンも消えた。
「っ、………ぇ、」
優しい匂いと、守るようにして俺を包むフェロモン。
「お前、誰のモノに手ぇ出してんだよ。…殺すぞ」
地を這うような低い声に目を開けると、髪色と同じ毛色の猫の耳と二又に分かれた同じ色の尻尾を威嚇するようにして逆立てる姿のクロノアさんがいた。
「くろ、のあ、さん…?」
これが、魂現?
猫又の重種に相応しい美しい毛色と圧倒的なオーラ。
「大丈夫、じゃないね…」
自分の着ているパーカーを脱いで晒している下半身にかけてくれた。
同じようにする匂いとフェロモン。
「ごめ、んなさ、い…気持ち悪い、格好…」
肌を刺すような殺気。
自分に向けられてるわけじゃないのに萎縮してしまう。
これが、重種の威嚇。
肩を震わせていたら、クロノアさんに抱き締められ笑いかけられる。
いつもの優しくて安心する笑顔。
「トラゾーには怒ってないよ」
コンクリートの床に座り込む男がクロノアさんを睨みつけていた。
「彼は僕のモノだ。たかが猫又の重種風情が人魚の僕に勝てると思ってんのか」
「あ?魚如きが俺に勝てると思ってんじゃねぇよ」
俺を庇うようにしていたクロノアさんが男を押し潰そうと威嚇をし、奴がそれに怯んだ。
「う、っ…!」
息が詰まる。
殺されるんじゃないかってほどの威圧に男が口を魚のようにパクパクしだす。
「俺たちの前から消えろ。二度と彼に近付くな。次、俺のモノに手を出すようなことをしたら、………分かるよね」
にこりと音がつきそうな貼り付けた笑みを男に向けつつも急所に牙を突き立てているような威嚇をやめないクロノアさんに男は短い悲鳴を上げて逃げた。
ふっと重い空気が消えて、いつの間にか止めていた息が楽になる。
「、はッ…」
「…ごめん、威嚇強くしすぎたね。…魂現したばっかのトラゾーには刺激が過ぎたか…」
くたりと寄りかかって浅く呼吸を繰り返す俺の背中をクロノアさんが撫でてくれた。
「耳と尻尾出てる」
「ひ、ゃっ!」
「ぺたんってなってんの、かわい」
すりすりと垂れてる耳を触るクロノアさんの肩を押し返す。
あの時の俺の耳を撫でていた時みたいにされて恥ずかしくなったから。
「ま、待っ…お、俺、まだ混乱して…ッ」
「…うん、そうだね。2人で話せる場所に移動しようか」
投げられてるズボンとかの埃を払って手渡してくれたクロノアさんが言った。
─────────────────
連れてこられたのはシェルターのような場所。
入った時、普通の部屋のようだなと思っていたけどベッドがあるのを見て、そういう意味じゃないのに身構えてしまった。
「とりあえず座ろうか」
ズキリと頭が痛んで眉を顰める。
「…と、その前に先生に診てもらった方がいいか」
後頭部を見たクロノアさんが部屋の中に置いてある電話を手に取って誰かと会話していた。
「他に痛い場所はない?変なとことか」
首を横に振るとクロノアさんはホッとした顔をしてまた電話越しに会話を交わす。
纏わりつく臭いが嫌で、水底にいるみたいに寒くて腕をずっと擦る。
「10分くらいして先生来るから。殴られたところ診てもらおうね」
「すみません…俺のこと、なのに迷惑かけて…」
「……」
隣に座り直したクロノアさんが腕を擦る俺の手を握ってきた。
「迷惑なんかじゃない」
「え…」
「俺は自分の好きな人を守りたかっただけだよ。自分以外の人間に奪われるのが許せなかっただけ、全部俺の為だよ」
「…好き、な人…?」
「……トラゾーが猿人のままだったとしてもずっと好きだよ。どんなに気付かれてなくても俺のモノだってずっとマーキングしてたし、アプローチもしてたつもりだったけど…」
流石は人魚、俺のに上書きするみたいに臭いつけてたよ、とクロノアさんは苦笑いしていた。
さっきの出来事と今まで勝手にマーキング?されていたのを思い出して体が強張った。
「…あいつのことなら何も心配しなくていい。ぺいんととしにがみくんに任せてるから。トラゾーの前には姿はもう見せれないと思うよ」
「ほ、んと、に…?」
「うん。俺の言うこと信じられない?」
「そんなわけ…ッ!…クロノアさんのこと、信じてますもん…」
「……」
掴まれる手が握り込まれる。
「トラゾーは、俺のこと好き?」
「っあ…」
二又の尻尾が俺の腕に巻き付く。
それに、猫のように細められる翡翠に固まった。
逃がさない、そう全身で訴えられてる。
「教えて」
「、ぁ、あッ…、…お、お、れ…」
「俺はトラゾーが先祖返りしたから好きになったわけじゃない。言ったでしょ、ずっと好きだったって。だって俺が好きなのは”トラゾー”なんだから」
胸の内に広がっていくクロノアさんの言葉。
嬉しさと緊張が解けた為に、止まっていた涙がポロポロと落ちていく。
「俺ッ、…クロノアさん、の、こと…好きで、いいんですか…?、あき、らめな、くて、…いい、の…?」
「諦めないでよ。てか、諦められても追いかけ回すからね。猫又は執着すごいんだから」
落ちる涙を拭われて本気でしそうな顔のクロノアさんに、はたとして笑ってしまった。
「ふ、ふふっ…猫に追われる、犬って…ん、ふ、ふッ」
肩を震わせて笑っていたら抱き締められた。
「……その無防備に笑う顔、俺以外に絶対見せんなよ」
「ふ、ぇ?」
「可愛すぎるから」
「………なっ…!」
顔をずらしたクロノアさんが首筋に自身の唇を当て吸う。
ちゅ、とリップ音をさせて顔を離したかと思えば今度は痛いくらい吸われた。
「ひぁ…っ」
牙がそこを掠める度にびくりと肩が跳ねる。
ざらついた舌が付けられてるであろう痕をなぞるように這っている。
「ゃ、ま、っ…く、クロノアさ…ッ!、せ、せんせぃ、が…き、来ちゃい、ます…って!」
必死で肩を押し返してやめさせる。
変な感覚に、身体が疼いてしまうから。
「…ッ、は…」
理性ギリギリみたいな、獣のカオしたクロノアさんが顔を離した。
「……」
タイミングを見計らったかのように訪ねて来た先生がシェルターのドアをノックした。
「問題ないって。よかったね」
「丈夫が取り柄ですからね…」
「まぁ、念の為3日間は入院らしいけど」
「そ、そうですね…」
クロノアさんの笑顔が怖い。
言うなればお預けを食らった状態で、更に待てをされてるわけだから。
「…俺、あんまり気が長い方じゃないけど。……なんかあっちゃダメだしね」
その代わり、と体を起こしている俺の首を甘噛みしたクロノアさんが目を細めて言った。
「退院したら、覚悟してね」
「は、ぃ、っ」
なんの問題もなく退院した俺は迎えに来たクロノアさんに引かれ、あの日と同じシェルター部屋に連れ込まれた。
今の目的は、正しくそれで。
全く痛くない頭を気遣われながらも性急にベッドに倒される。
「トラゾー、ホントにいいの」
「クロノアさん、こそ…ホントに俺なんかでいいんですか…もっと、相応しい人が…」
「それ以上のこと言ったら、抱き潰すじゃすませないよ」
首を噛まれて見下ろされた。
「言っただろずっと好きだったって。俺のモノにできるのに手放すわけねぇじゃん」
「ひ、ン…!」
いつも丁寧なクロノアさんが乱雑に俺の服を脱がしていく。
直接肌に感じるクロノアさんのオーラとフェロモン。
「ぁ…うン…ッ」
「これだけでこんな感じてくれるの?嬉しいな」
ぺいんとによくネタにされる胸の先をクロノアさんが指先で撫でる。
すりすりと、触れるか触れないかくらいの感覚にびくびくと身体が揺れた。
「どうする?ホントに4つになっちゃったら」
きゅっと摘まれて肩が大きく跳ねた。
「んぁあっ!」
摘まれた状態で先っぽを爪で引っ掻かれる。
もどかしさで変な声が出そうになるのを押さえる為に口を塞ぐ。
「ふッ、ん、ぅ、!ぁ、やっ、…!」
「こうやって、弄られるの気持ちいい?」
もう片方には全く触れようとせずそっちばっかを弄るクロノアさんに首を振った。
「い、ゃッ…!そ、そっち、ばっかだ、め、です、っ!」
「触ってないのにピクピクしてるし、勃ってる。可愛い♡」
そう言って口に入れ、舌先で弄られる。
「ひゃぁあんッ♡⁈」
口を塞いでいた手を離してクロノアさんの肩を押す。
ぢゅっとやらしい音を立てて吸われながら片方は指で弄られて。
腰が重くなっていき、自身が反応しているのが分かってしまう。
「だ、めッ♡だめだめぇ…っ!イッ、ちゃぅぅ…っ♡!!」
びくんっ!と大きく跳ねた腰と射精で濡れるソコ。
「トラゾーおっぱいだけでイッちゃったね♡」
「は、ふッ♡ぁは、ァ…っ♡」
「真っ赤に腫れて勃ってる」
指で弾かれて、また甘イキした。
「ひゃうん♡!」
クロノアさんにだから。
この人に触れられているから、全部気持ちよくて。
「…トラゾーは俺との赤ちゃんほしい?」
太ももに擦り付けられる熱に、重く疼く下腹部がきゅんと締まる。
「ぁ、…♡、ほ、しッ…♡く、ろのあ、さ、んの…っ、あ、かちゃん、ほし、ぃ…で、すっ♡」
「…いい子。ね、口開けて?」
顎の下を撫でられて、素直に小さく開ける。
そこへ錠剤を入れられた。
苦味とか甘味とかそういうのは感じなかった。
「ごっくんして?」
クロノアさんに喉を撫でられて、錠剤を身体の中へ溶け込ませる為に飲み込む。
「ッんぅ…!」
こくん、と喉を通っていくそれ。
「よくできました♡」
下腹部をぎゅっと軽く押されて、きゅっとナカがクロノアさんのを欲している。
「く、ろのあ、さ、ん…ッ」
おずおずと脚を持ち上げて軽く広げる。
羞恥で死にそうだけど、そんなことよりも早くクロノアさんのが欲しくて。
「も、ッ…ほ、しぃ…で、す…♡」
繁殖力の強さの所以のせいだ。
クロノアさんのが欲しくて、欲しくて堪らない。
ぶわっと興奮の為かクロノアさんの頭に猫の耳と二又の尻尾が現れる。
耳は前を向き、2本の尻尾はゆらゆらと揺れている。
「はは…ッ♡」
広げた脚を更に割り開かれて、クロノアさんの前にソコを晒す。
「トラゾーもすげぇ興奮してんの?耳俺の方に向いてるし、尻尾すごい振ってくれてるじゃん♡」
大きく跳ねた身体と熱を帯びる下腹部。
「そろそろ効くかな?即効性のあるの貰ってきたから。あ、安心して?ちゃんと安全性のあるものだから」
ぴとりと充てがわれるクロノアさんのモノ。
はしたなくヒクつくソコにゆっくりと入る熱に身体全部が歓喜で震えた。
「〜〜〜ッ♡♡♡!!!」
「先端が入っただけだよ?ココに届いてないのに」
ぐりっと熱を帯びるお腹を押されてイッてしまった。
「ぁ、っ、んんン♡!!」
「痛くない?」
「き、もち、いー、れふ、ッ♡」
「それはよかったよッ♡!」
「_____♡♡♡!!?」
どちゅんっ!!とできたばかりのソコにクロノアさんの先端が捩じ込まれる。
「ぁ゛っひ♡♡ま゛ッ、んぁあ゛あ♡!!」
ごちゅごちゅと奥を責め立てられて、射精とは違うのを勢いよく吹き出してしまった。
「っ♡⁈、ぁあ…ッ♡お、ぉれ…ぇッ♡⁈」
気持ち良すぎてこの歳でまさかと青褪める。
「大丈夫♡トラゾーは気持ち良すぎて潮吹いちゃっただけ♡お漏らしじゃないから安心してもっとしていいよ♡♡」
「ひぅゔうッ♡♡!?」
容赦なく奥を突かれて、断続的に潮を吹かされていく。
「よっ」
「〜〜゛〜♡ッ♡゛♡!!」
深く繋がったまま向きを変えられ、獣同士が交尾をするような格好なる。
ぐちゅんっと角度が変わって上半身がへたり込んだ。
「あはッ♡これじゃセックスじゃなくて交尾だね♡♡」
ど下ネタがクロノアさんから飛び出してきて驚きできゅっと後ろが締まる。
「は、ァ♡トラゾーの尻尾気持ちよさそうに揺れてる♡」
付け根を握られてまたナカが締まった。
「く、ウんっ♡!」
「俺のそんなに離したくないの♡?可愛いね、でも猫のって相手がちゃんと孕むまで抜けない仕組みになってんだよ♡」
ごちゅっ♡!!とギリギリまで引き抜かれて、またソコにクロノアさんのが入り込む。
「♡!゛!─゛──♡♡゛__、〜〜♡゛♡♡!!!」
「だから聞いたでしょ?痛くないって♡?」
オス猫のソレにトゲがあるとかいうやつ。
「痛いの、気持ちいいんだ♡やっぱトラゾーってドMだね♡♡」
奥の方でじくじくと鈍い痛みはあった。
でも快楽に変換されてその痛みさえも気持ちよくて。
「き、も、ちぃ♡くろのぁ、さん、の、きもちッ♡♡」
大きく脈打ったクロノアさんの怒張がナカを拡げる。
「ひぉ゛ッ♡⁈お、ぉ、っき、く、しひゃ、だぇ、れすっ♡!!く、るしぃ…っ♡♡」
ギチギチになってるソコが大きく拡げられていく。
「俺との赤ちゃん欲しいんでしょ♡?なら我慢して?それにまだこんなの序の口だよ♡」
「ぁふ、ぇッ♡♡⁈」
お尻を高く上げさせられた状態で、腰から手を離したクロノアさんが真っ赤に腫れて勃つ俺の胸の先に手を伸ばしてクニクニと摘んできた。
「ゃぁあ゛ぁッ♡♡!りょ、りょぅほ、ぉ、だめで、すって、ばぁぁ…♡!!」
クロノアさんが腰の動きを止めて胸を弄ることをし始める。
放置されたナカがびくびくと疼いて、動いて欲しくてクロノアさんを見上げた。
「俺、こっちも可愛がりたいからトラゾーが自分で動いてみて♡」
「そん、ッ♡…ぃじわる、です…っ♡♡」
「ほら自分の気持ちいいトコ、擦ってみて♡?」
我慢の限界もあってゆるゆると腰を前後に動かす。
ちゅぷ、っと緩い水音がして恥ずかしくなる。
はしたないことをしてるみたいで、けど気持ちよくはなりたくて。
次第に大胆になる動きに音も比例して大きくなっていく。
「あッ♡ん、ン♡、ふ、っ♡ぅく、♡♡」
不意打ちでぎゅっと痛いほど胸を摘まれて腰を仰け反らせ潮吹きした。
「えっち♡」
甘くて低い掠れて声で囁かれ、クロノアさんのフェロモンに包まれてぴんっと背筋が伸びてイッた。
「メスイキまで覚えちゃった♡?最高かよ♡♡」
どくんとナカで大きくなるクロノアさんのモノ。
「くぉ、のあ、さん…ッ♡♡」
「なぁに♡?」
「こぉび、す、るぅ、♡だかぁッ♡もっと、♡ナカ、にちょー、だぃ…ッ♡♡⁇」
フェロモンに充てられ、クロノアさんとの赤ちゃんが欲しくて媚を売るような声を出す。
素面の俺が見たらきっと泡を吹いて卒倒するだろうな。
「ッ、〜ッ♡こい、つ…っ♡!!」
「ひゃ゛ぁ゛ああ゛ぁあッッ♡♡♡!!」
ナカ。
完全に奥に入ったクロノアさんの大きなソレはもう抜くことができないくらいハマってしまった。
「もう抜かないでこのまま奥突いてやるから♡」
快楽で力の抜けた俺の膝裏を持ち上げ、背面座位の姿勢に変えられる。
ぐぽんっ♡とナカのソコでクロノアさんの先端をきゅううと締め付ける俺は自重も相まってメスイキをした。
逃げれない体勢で項も強く噛まれて、ハマったナカに火傷するくらい熱いモノが注ぎ込まれる。
「ぁ♡ふッ♡♡くろのあさ、んのっ♡あ、ついの、♡う、れし…♡!」
「嬉しい♡?なら、もっといっぱいにしてあげるね♡♡トラゾーのナカ、俺のが染み込むまで♡♡」
太ももに巻き付くクロノアさんの尻尾がきゅうっと強くなる。
隙間なんてないから射精されたクロノアさんのが溢れることはなくて、ナカに注ぎ込まれるソレが内側に染み込んでいく感覚になる。
「俺と結婚して、幸せになろうね♡トラゾー♡」
「ん、ッ♡ぅん…ッ♡くろのあさんじゃ、なきゃ、ゃです…♡」
ホントに今の時代に生きていてよかった。
制約の多かった昔だと俺はきっとクロノアさんと一緒になることはできなかったから。
「好き、ですッ…クロノアさん、が誰よりも、好き…っ」
「うん、俺もトラゾーが誰よりも好きだよ。だから、誰にも渡さない。俺だけのトラゾーだからね。愛してる」
「俺、も…愛して、ます…ッ」
ぎゅぅうと背後から抱き締められながら、ナカに注がれる感覚に嬉しさに目を細めた。
「結婚おめでとうございます!」
「いやぁ、やっとくっついたかーって感じっすね」
しにがみさんとぺいんとが嬉しそうに笑いながら俺の手を握った。
「先祖返りだったんだなトラゾー。通りでなんか分かりづらい筈だぜ」
「トラゾーさんのずっと前のご先祖にいたんですって?」
「うん、家系図引っ張り出して調べてみたらいたよ。ホントに遠い祖先に」
しかもその祖先、俺のように猫又と結婚していたらしい。
犬神人の俺の祖先の方が重種だったから今回俺に魂現したのがそっちだった。
「運命みたいですね。同じ猫又と犬神人って」
「なるべくしてなったって感じだな」
隣のクロノアさんを見れば、同じように俺を見て笑っていた。
「そうだね。でもトラゾーだったから一目惚れしたんだよ。俺はトラゾーだから好きになったんだもん」
「っ、ちょっ、と…」
「惚気話をクロノアさんの口から聞くことができるなんて俺は感動してますよ…」
「トラゾーのことだったら何時間でも話せるよ?」
「ちょい…っ」
「ホントにそんなものとは無縁そうなクロノアさんがトラゾーさんを一発で妊娠させるなんて僕は驚きを隠せません…」
「ちょ、ちょっと…!」
なんで俺だけが恥ずかしがってんだ。
てか、みんなが思ってるよりクロノアさんはだいぶ男の人だったぞ。
淫語なんて言わなさそうな見た目してるのに、めちゃくちゃ復唱しろって言わされたし。
「自分の番を孕ませるのになんか問題ある?」
「「……」」
衝撃で固まる2人。
そりゃ、クロノアさんの口から孕ませるなんて言葉飛び出すなんて思わんだろうから。
「それにトラゾーが俺のこと煽ってもっと欲しいとか、頂戴とか言ってきたんだから俺だけの責任じゃなくね?」
「「……」」
石化の解けない2人に追い打ちをクロノアさんがかける。
「エロいトラゾーが悪いでしょ」
「ば、ばかばかっ!もう黙ってください!ぺいんともしにがみさんも砂みたいに崩れちゃいます!!」
「自分で脚広げてきたクセに」
トドメを刺されたのは俺だった。
「あ゛ーーー!!わ゛ぁぁあ!!」
はっと石化の解けた2人がニヤニヤと笑って標的を俺に変える。
「あらあら」
「まぁまぁ」
「ニヤつくな!こっち見んな!」
「「流石、元猿人のトラゾー(さん)」」
そこもイジってくるなし。
「く、クロノアさんのばかっ!!」
「え?ホントのことでしょ?」
すり、とお腹を撫でられて思い起こされる行為に顔が熱くなる。
「ココにたくさん欲しいってトラゾーが言ったんだから」
服の中に入ろうとする手を掴んで止める。
「だ…ダメですって!」
「触るくらいいいじゃんか」
「ぺいんとたちがいるからダメです!!」
「「おっと」」
「……へー⁇俺と2人きりなら触ってもいいんだ?」
「…へ、いや、そうじゃなくてッ!ぅわぁ⁈」
抱き上げられて、がっちり抱え込まれる。
こんな易々と持ち上げられると思ってなくて反応が遅れた。
「クロノアさん尻尾出てますよ〜」
「耳も。すっげぇ立ってる」
見上げれば耳が、見下げれば尻尾が。
「トラゾーといると俺、抑え効かないみたいだよ」
「し、知りませんよそんなのっ!」
思わず叫ぶとクロノアさんがにこりと笑った。
「ふぅん?じゃあ教えてあげないとダメだね」
「ぇっ⁈ち、違っ!違いますッ!!そうじゃなくて…!」
「今のはトラゾーが悪いわ」
「ですね」
「おいこら元凶ども…っ」
俺を抱えたまま歩くクロノアさんがぺいんとたちに満面の笑みを浮かべた。
「ぺいんと、しにがみくん。お祝いありがとう」
「いえいえ!」
「末長くお幸せに!」
「あ、ちょっ…俺をのけて話進めんなよ!」
「トラゾーは俺が抑えれないこと分かってもらわなきゃだから黙ってようね?」
肌を刺すようなそれ。
「あッ♡」
クロノアさんの威嚇に反応した身体がぴくりと跳ねた。
ついでに変な声も出てしまって慌てて口を塞ぐ。
「「……!、僕たちは何も聞いてません!!」」
「…そう?じゃあ勝手に声出したトラゾーにだけお仕置きだね」
「は⁈理不尽すぎる!!」
「大丈夫。挿れたりしなくてもトラゾーのこと気持ちよくすることできるし、お仕置きもできるし…あ、でも我慢しなきゃいけないのはトラゾーかもね?」
「んなっ⁈」
「じゃあ2人ともありがとう。鍵は勝手に閉まるから帰る時は気にしなくていいからね」
「「今すぐ帰ります!!」」
荷物をまとめて帰り支度を始めるぺいんとたち。
「そっか。じゃあまた遊びに来てよ」
「「はい!失礼します!!」」
リビングから出ていき玄関のドアが慌ただしく開いて閉まる音がした。
「……さて」
「っ!」
「トラゾー」
近付く寝室のドア。
ドアが開けられてそっとベッドに降ろされる。
「挿れたりしない代わりに他の場所でたくさん教えてあげる」
服の上から胸の先を触られる。
「ひぅッ♡」
「そうだ。赤ちゃんの為におっぱい大きくしとく?」
「ば、ッ♡」
「期待してるの?耳すごい垂れてる♡尻尾もこんなに振って、可愛い♡」
服の上から擦り上げられて、繊維で擦られたせいでびくりと腰が跳ねた。
「んやぁっ♡」
「ふふ、じゃあお仕置きに堪えれるように頑張ろうね♡」
そういや、猫も犬も今は発情期真っ盛りだった。
ぐずぐずに溶けた俺の顔がクロノアさんの翡翠に映り込む。
「トラゾーの緑の目がドロッドロになるの見るとすげぇ興奮する♡」
そう低く笑ったクロノアさんにベッドへ押し倒され、口では言えないようなことをたくさんさせられた。
寂しい、挿れてぇ…ッ♡って口走ったらしく、それをクロノアさんに撮られた。
憤死しそうな俺に対してやっぱ猫の血も入っているんだねとクロノアさんが意味深に笑ったことに対してだけ肩パンをしてやった。
別のもので返り討ちにあったけどな!!
コメント
2件
なるほど、、神か!笑 しっぽフリフリしてんのかわい🫶