双子と帰路に着く。
まだ少し肌寒い中、アスファルトを踏み進む。
桜のにおいは今日もしない…。
雪「はるちゃん」
とぼとぼと駄弁りながら帰る。
え、めっちゃ青春って感じじゃない?これ。
蒼「はるちゃん」
これから楽しい高校生活始まりそうだな〜。
涼風くんはやっぱり気になるけど…怒らせちゃったままだし。
雪「はるちゃん」
嫌われちゃったかなぁ。
涼風くんに。
蒼「はるちゃん?」
友達になりたいのになぁ。
雪「はるちゃん!」
雪くんの声とともにぐいっと引き寄せられる。
あたたかい手に引っ張られ、
「わっ」
すぽん、と雪くんの胸元におさまる。
え?
なにこの状況。
ダキシメラレテル?
雪「..っぶねー。はるちゃん、電柱ぶつかるところだった」
へ?
電柱?
目の前にそびえ立つ、電柱。
考え事してたから気づかなかった。
「ごめーーーん、ありがとう」
トクン、トクンと雪くんの心音が聞こえるくらいの距離。
今の状況が恥ずかしくなって瞬時に離れる。
雪「あ、ご、ごめん、はるちゃん、嫌やったよな」
雪くんはパッと離れて眉を下げて申し訳なさそうに謝る。
嫌だなんてそんな。
っていうか私が悪いのに。
蒼「……雪」
そんな雪斗の様子を見ていた蒼は
どこか胸がざわついたのだった。
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