???「修学旅行の予算案が先生たちから報告書として提出されました」???「オレらはまだ修学旅行の時期じゃないな」
???「修学旅行かぁ」
???「…………はぁ」
???「面白かったよね!」
ここは、生徒会室。「雨花」、「橙」、「桃時」、「兎白」、「瑠璃人」は修学旅行の予算案がきっかけで「修学旅行」の話に花が咲いた。
桃時「何が面白いのよ……あんなにめんどくさい事に巻き込まれたのよ?二度と修学旅行には行きたくないわね」
瑠璃人「確かオレらの修学旅行先ってアメリカだよな?」
橙「西洋にある姉妹校「TSLハイスクール」との交流も兼ねて行われるため、アメリカなんですよね」
兎白「確かに色々あったな」
雨花「でも面白かったよ?」
橙「どんなことなんですか?」
瑠璃人「確かに気になるなぁ」
橙、瑠璃人がじーっとみつめる。
桃時「はぁ確かあの時は……」
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一年前
雨花、桃時、兎白、二年生の時
???「では、人間も妖怪も点呼を取ります!班のリーダーは点呼したら教えに来て下さい」
紅葉先生が指揮を執る。
雨花「本来なら四人グループなのに……」
兎白「俺たちだけ三人グループだな」
桃時「……よ」
兎白「ん?」
「「あんたのせいよ!!雨花!!」」
雨花「えぇ〜わたし?」
桃時「そうよ!あんたが「黒い彼岸花」なんて言われてるからこんなことに……」
雨花のせいにしている桃時だが、彼女たちのグループに人が入らなかったのは……
「数々の妖怪をぶち倒した「黒い彼岸花」と……」「一年生の後半の途中までは中くらいの成績で地味だったのに今じゃ快進撃かのごとく容姿端麗成績優秀になった兎白と……」「男を誑かすぶりっ子女桃時」「この三人と一年生にいる後輩のヤツら二人が妖怪を動かそうとしている……」「厄介事の猛者じゃねぇか」「そんな塊に入るわけねぇだろ」
と、このように恐がられているのは、決して雨花だけではなかった。そう、だけではない。
雨花「でもその代わり、紅蓮先生が入ってくれたよ!」
紅蓮「おはっ!雨花さんに、桃時さん。兎白さんも。」
桃時「先生が代わりに入っている時点で、誰も入ろうとしてくれなかったのね……って思い知らされる……」
兎白「おはようございます。紅蓮先生」
雨花「ねぇ先生!後でトランプしよ!」
紅蓮「おぉ!良いよ」
桃時「あんたたちは呑気ね……まぁ別に良いけど」
紅蓮「俺がきっちりお前らの世話をするからな!この焼肉定食食べた後にラーメンを食べた後の胸焼けみたいなチームであるお前たち!しっかり俺に付いてこいよ!」
桃時「例えが分かるようでよく分からないわね」
雨花「先生めちゃくちゃ興奮してる〜」
兎白「俺たちも早く点呼を取って紅葉先生に教えに行こう」
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紅葉「では、これからバスに乗ります。クラス順に乗るので、列に並んで、落ち着いて席に座って下さい」
紅蓮「あいつ張りきってんなぁ」
兎白「紅葉先生。引率のトップになるの初めてだったみたいだそうですよ」
桃時「あぁ、だからこんなに力張ってんのね」
雨花「紅葉先生頑張れ〜!」
紅蓮「ひぃ!こっち向いて想いっきりグッとポーズしてる……ひゃあ!俺には首切りのポーズ!こ、恐い!!」
桃時「もっとやったれ」
兎白「生徒たち……何事もなかったかのようにバスに入っていく……」
雨花「二人の抗争に巻き込まれたくないんだよ!わたしとしては面白いから良いんだけどね〜」
兎白「よし、入るぞ」
雨花たちは無事バスの中に入った。
紅葉「では、皆さん着席しましたね?ではこれからバスが発進します。皆さんマナーを守って楽しんで下さい」
そしてとうとうバスが発進した。
紅蓮「確か空港までこのバスで行くんだよな」
桃時「ふぅ外寒かったからバスは暖まるわ」
雨花「アメリカは日中は暑いけど、夜間は少し冷えるって〜」
兎白「俺たちが行くロサンゼルスの気温は約二十五度から約三十度。結構暑いな。夜間は約十五度から約二十度らしいぞ」
桃時「アタシ寒がりだから助かるわ〜」
紅蓮「ふふふっ、俺がどうして修学旅行の先生を引き受けたか知りたいか?」
桃時「いえ特に」
兎白「俺はどっちでも……」
雨花「わたしもどっちでも良いですよ」
紅蓮「今から行くロサンゼルスは、俺の推しのキャラが生まれた都市なんだよ!つまりっ!聖地巡礼って訳だ!」
桃時「へぇーすごいー」
雨花「あぁもしかしてあれかな?」
兎白「どんな話なんだ?」
雨花「えっとねぇ」
その作品名は、『ルージュ兄妹』
いつもふざけてばかりだけど親しみやすい兄
「クリムゾン」
しっかり者で怒りっぽい妹「メープル」
そんな兄姉に振り回される末っ子「スカーレット」
この三人兄妹が繰り広げるスパイミッション物語である。
雨花「……ってやつ」
紅蓮「どうだ!面白そうだろ!」
桃時・兎白「…………」
雨花「先生は誰が好きなんですか?」
紅蓮「俺は箱推しだけど、強いていえば「メープル」と「スカーレット」かな」
桃時「……ぷっ…………ふふっ」
兎白「ん?このキャラたち日本名にすると……」
雨花「ダメだよ!兎白くん!これは知らぬが仏って奴だね」
紅蓮「ん?どうして桃時は笑ってるんだ?」
桃時「あんた……くっぷぷ……あんたという先生は……ぷふふっ…………しかも性格まで……」
紅蓮「何でこらえ笑えするんだよ!何がおかしいんだ?」
桃時「知らない方が心のためよ……ふふっ」
雨花「こんなことあるんだね」
このような感じでバスは空港までの道を走った。
【続く】