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光が消えるとそこには、ズダボロな不良3人組がいた。叶璃は不良達の前で自身の右肩を2回バサバサとはたき、能力で作った剣を宙に投げた。投げた剣は黄色い塵となって風に飛ばされて消えてしまった。「終わりですね。」
叶璃の言った通り、不良達はもう満身創痍だった。叶璃そうが言うと、不良達は
「す、…すみませんでしたー!!!」
と、三人息を揃えて言い、後を向いて一目散に逃げた。あんな宣戦布告までしておいたくせに…最後まで抗えよ…。
不良達が逃げるのを見送り少し経つと、叶璃の雰囲気は変わり、くるりとこちらを向いて、俺達の方に歩いてきた。
「ごめんなさい。少し戦闘モードになってしまいました。癖で発動してしまうもので。怪我はされていませんか?」
雨下の強いバリアで守られていたため無傷な俺達はうんうんと一斉に頷く。
「それならよかったです。では部屋に戻りましょう。」
そうして4人で足並みを揃えて寮に戻った。
(すごかったな…俺じゃあ到底追いつけない領域にいた…。)
そうして叶璃の戦闘に酔いしれている中、戦闘中の李灯の言っていた言葉を思い出す。
『完全なる全能(パーフェクトアビリティ)』と。これは叶璃の能力名か?名前の通りなら、なんでもこなせる能力ってところか…チート過ぎないか?そこで俺は気になって李桃に話しかけた。
「なぁ、李灯。叶璃の能力ってなんなんだよ。幼馴染だろ?知ってたら教えてくれ!」
すると李灯は隠すように言った。
「あ〜…お、俺もあんまりくわしくないからさ!本人に聞いたほうがいいと思うぜ。」
と言われてしまった。
「おぉ…ごめんな!」と俺も言い返す。…なにか隠してるような気もするが… 俺がそんなことを考えている間にも玄関についた。そして靴を脱いでリビングへと向かった。扉を開け、部屋にに戻ると莉愛と譜凛夏がソファーにすわっていた。
「あ、裕翔くん達!!お前らどこに行ってた!!!せっかくお前に勉強教えてもらおうと思ったのに!!」
譜凛夏は少し不機嫌そうに言った。どこにいってたか…なんて言おうか。ん〜。叶璃のことは伏せておこう。戦闘したなんて言ったらなんて言われるか分からないしな…莉愛とかにも怒られそうだし…
「まぁ…ちょっと用事があって外に行ってたんだよ。それで?なんで俺に勉強教わりたいんだ?」
「明日、テストがあるって先生が言ってたじゃないか!裕翔くんよ!だから一緒に勉強しようとおもってたんだ!」
「そういえばそうだったな…でも俺はパスかな。常識問題って言ってたからな。勉強するほどでもないからな。それに眠いしな〜。」
「ぬ…そ、そうだ!裕翔くん!常識ってあれよ!能力についてもあるんだよ!裕翔くん!それは私が教えるから…!」
涙目で譜凛夏は訴える。が俺はここぞとばかり煽る。煽りまくる
「譜凛夏ちゃん頑張れよ〜!裕翔くんは〜頭いいから大丈夫なんだ〜!」
「ぐぬぬ…だからモテないんだよ!お前はぁ!」
「モテてても意味ないし!勉強と関係ないし〜!」
「うっわ!なんだよ!この無能力者野郎!べーだッ!!!!」
少しかっちーんときたが、冷静になって俺は反論した。
「馬鹿さんはまともに能力を扱えないんじゃないんですか?まず理解しないとね〜!」
「あ!なんだとッ!一回外出ろ!私の力を見せつけてやるわ!」
「やんのかッ!!」
そこで俺達の喧嘩を見て雨下が莉愛に問いかけた。
「これが日常…なの?もう疲れるよ…。」
「裕翔と譜凛夏の喧嘩は昔からだよ〜。いっつも小さなことで喧嘩してて…。私にも手に負えないから。」
「そ、そうなんだ…」
こうして俺たちが口喧嘩していると両手を2回叩く音が部屋に響き渡る。手を叩いたのは叶璃だった。
「まぁ、みんな落ち着いてくださいよ。とりあえず俺が勉強でもなんでも教えるので喧嘩しないでください。」
叶璃の鶴の一声により俺と譜凛夏の喧嘩は終わり静かになった。俺と譜凛夏は細い声を出した。
「…わかった。」「…うん。」
こうして少しの沈黙が生まれた。そうして少しの間が開くと、譜凛夏が慌てたように声を上げた。
「あ!そうだ。はいはーい! 今から自分の部屋決めしよ〜!」
こうして譜凛夏の一声と共に話し合いが始まった。そして、俺達はリビングに残って大きな丸い机の周りをぐるっと囲んで話し合いを始めた。初めに話しだした譜凛夏が進行をして話しはじめた。
「まず、さっき莉愛ちゃんと見てきたけど、この寮の2階には6部屋あるんだー。その中から自由に決めるって感じでいい?」
俺達は全員頷いた。
「それで俺は大丈夫だ。」「私も大丈夫。」「…なんでもいいよ…。」「それで大丈夫です。」「俺も大丈夫だぜ!」
「よ〜し!決まり!それじゃあ2階にレッツゴー!!!」
そうして俺達は譜凛夏を先頭に2階に向かった。階段を上がるとまた長い廊下があって左右に3部屋ずつ。合計6部屋があった。扉の色が6つそれぞれ違く、それぞれ桃、赤、黃、緑、青、白となっていた。譜凛夏が言うには、扉の色は「前の人達のアレンジ!」と言っていた。あいつなんでも知ってるな。なんでなんだろ…。
そしてそれぞれ部屋を見て回った。
俺は譜凛夏に対して疑問に思っている間に、1人が部屋を決めた。
「私はここにしようかな。かわいいし。」
そういう莉愛の前には淡い桃色の扉があった。なんか莉愛っぽいなと俺は思った。てか昔からずっとピンクとか好きだったからな。
そうして、時間が経ち、李桃は赤。雨下は緑。譜凛夏は青とどんどんとみんな決めていく。
最後に残ったのは俺と叶璃だった。
(残ったのは白と黄。叶璃はどっちを取るんだ?)
正直なんでもよかった俺は、叶璃が選ぶ方を伺っていた。すると叶璃は
「よし…こっちにします。」
と言い黄色の部屋を取った。少し以外だったが、黄色も叶璃に似合っていた。
じゃあ俺は…
(白…か。)
各自の部屋が決まり、みんな各々の荷物を部屋に置いて、各自自由に過ごしていた。俺はかなりつかれていたため、用意してあるベッドに横になって、いつの間にか寝てしまっていた…