テラーノベル
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各自、自由に過ごし始めて数時間後、外はすっかり暗くなっていた。どうやら俺は随分と寝ていたらしい。夜ご飯もまだだった為、勉強している莉愛、譜凛夏、そして叶璃がいるリビングへと向かった。
「莉愛ー。勉強の調子はどうだー?」
「あ、裕翔。うん!叶(かな)くんのおかげでよくわかったよ!」
「もうすっかり仲良しじゃねぇか。」
「まぁね!勉強の合間の雑談でめっちゃ仲良くなったよ!」
そんな叶璃は、譜凛夏に能力の勉強を教えていた。
「ということは、どいうことだ。譜凛夏」
「えっと…だから、これは…こうで、こいうことなの?」
「そういうことだ。よし、これである程度は大丈夫だと思うぞ。」
「疲れたー。叶璃くん凄い理解してるね。」
「まぁ、小学校で能力に関しては全て熟知したしたからな。」
「すごーーーい!!私も負けないよ〜!」
譜凛夏もすっかりと叶璃と仲良くなっていた。
そこで叶璃は俺に気づいたようだ。
「裕翔くんじゃないかー。よく寝れたかい?」
「お、おう…ばっちり仮眠させてもらったぜ。」
俺は、雰囲気が変わった叶璃にびびっていた。
「……お前、ホントに叶璃か?」
「そうだぞ。まぁ莉愛と譜凛夏と話しているうちに、かたっ苦しいのはやめようって思ったんだ。まぁ、寮だけだけど。」
「そ、そうか。」
恐るべし、譜凛夏莉愛パワー。コミュニケーション力は神っているな。人の考えすら変えられるとは…まさかそれが能力か?!?!
「あ、裕翔。話したいことあるから外来てもらっていいか?」
「別にいいが。どうしたんだ?」
俺はなにかいけないことをしたのかと思い、若干焦った。
「ここでは言えないとっても重要なことなんだ。」
「…お前の人生が大きく変わる日だ。」
叶璃は小さく声で何かを言った。
だが、俺には何も聞き取れなかった。
「とりあえず、食事をとろう。俺が作ってくる。」
「わーーい!やっとご飯だね!!」
譜凛夏は勉強に疲れていたのか、机に伏していたが俺が声をかけるとすぐに起き上がった。
「なら私も手伝うよ。裕翔に任せるのはちょっと怖いしね…。」
「大丈夫だよ莉愛。俺に任せろ!」
そして俺と莉愛は、みんなの分の食事を作りはじめた。2階にいる李灯は莉愛の作った美味しそうな料理の匂いにつられてリビングに来た。
雨下は譜凛夏に呼び出されていた。俺達にまで聞こえたから、相当な大声で呼んだんだろうな…可愛そうに。
そして俺達はリビングに全員集まって始めてのパーティーをした。無計画の結構遅めな8時半だったが。
そして食事は終わり、寝るところまでの準備をして叶璃の待つ外へと出た。
玄関をでると薄暗い外で月明かりに照らされた叶璃がゆっくりとこちらを向いた。
「よぉ。叶璃。」
「裕翔くん。やっと来たね。じゃあ話そうか。」
「で、どんな話なんだ?」
「さっそく話していくね。最初に裕翔くんは頭いいからと思うからわかると思うけど異能力と能力の違いについてはわかるよね?」
「まぁな。明日のテストにもそれぐらいは出るだろ。」
「うん。一様説明するけど能力は開放や覚醒と言った進化が不可。異能力は可能ということ。」
「で、ここからは君も知らないことだ。潜在異能力について聞いたことあるか?」
「潜在異能力?何んだそれ。聞いたことねぇな。」
「…潜在異能力、それは生まれたときから異能力を持っていること。ちなみに俺も潜在異能力者だ。生まれつき持っている人は100%異能力になる。能力は何らかの要因で能力が開花した能力のこと。ちなみに潜在能力は開花するタイミングが個人で違うんだ。」
「その潜在異能力と呼び出した理由の何が関係あるんだ?」
「ああ。今日の夕方。不良達に使った光剣。裕翔に見えたよな?」
「ああ、見えたな。なぜか。視力が以外といいのかも…。」
「実はな…お前に潜在異能力があるかもしれないんだ。」
「………は?!」
「何を言っているんだ?叶璃。煽るのはそこまでにしとけ。」
「順序を追ってゆっくり話す。俺の能力発動中はな、潜在異能力と異能力者が見れるんだ。その時、李灯、雨下、そしてもう1人だけ光って見えた。それがお前だ。」
俺はすぐに反論をした。有り得ないからだ。
「それでも俺は無能力者だ。!能力者じゃねえよ!」
「ああ。でもこのことは100%ただしい。
俺の異能力…全てをこなせる完璧な異能力。『完全なる能力(パーフェクトアビリティ)』がそう言っているのだからな。」
「そ、そうなのか…。」
俺が今まで無かった物。『能力』。それにただの能力ではなく、異能力があるということに俺はびっくりした。
だが、異能力自体がないと何もできない。まだ潜在しているのだから。それに加えて、叶璃はさらに驚きの発言をしてきた。
「そして、光剣を見れたものは全員は王クラスの異能力者だ。これは今までの俺の経験に基づくから多分確実だ。」
「…はァァァ?!?!」
「そして今回伝えたかった最後のことが、俺の異能力による副作用になるんだが…一定の範囲内に潜在能力がいるときに能力を使うと…
【強制異能力解放】が開始されるんだ。」
「て、てことは。つまり」
「結構時間も経ってるしな。もうお前は異能者。それも王クラスのだ。そしてお前の異能力。それは………」
「完璧な創生(パーフェクトクリエイト)と知識異能力(パーフェクトノーレッジ)だ。」
「完璧な創生(パーフェクトクリエイト)と完全な知識(パーフェクトノーレッジ)?!2つもあるのかよ…!」
「ああ、。完璧な創生は名の通り、作り出す能力。それも『完璧に』な。完全な知識は、全てがわかる。ただ細くいうと、ざっと1時間はかかるほどの能力だな。」
俺は息を呑んだ。
「多分この異能力解放はすぐに学園長に伝わる。いや、もう伝わっているだろう。」
「そ、そうなのか…?」
異能力…怖えよ…暴走とかしねえよなぁ。
「ただ、これで俺を倒せるのに近づいたと思うぞ?裕翔くん。」
「まだ覚えてたのか。」
「ああ。楽しみにしている。俺を超えてみろよ。」
恐怖の笑顔でこちらを見てくる。
「あ、それとお前今、暴走しないかと思ったよな。」
「!?なぜわかった!」
「まぁ、これが俺の異能力なのでなぁ…」
こいつの異能力…どこまでなにができるか分からねぇ。
そんなことを考えていると叶璃は発言する
「とりあえず、暫くは大丈夫だと思うぞ。」
「何故だ?」
「お前チートすぎてなぁ。恩恵がいっぱいある。」
「恩恵という名の特性か…」
「特に強い恩恵は【相手分析】【暴走不可】だ。」
「なんか名前からしてチートやな。」
「そうだな。素直に言ってチートだ。学園序列はもうTOP5以上には入る。そして修行をすれば、お前はもっと強くなるだろうな。だが、【相手分析】はもっと修行しないと無理だな。」
…強くなれる。それは、俺にとって良いことだ。そうすれば…無能力者の差別がなくなる世の中をつくれるかもしれない。でも今の俺では…
そして俺はある決断をした。
(プライドがどうなってもいい。俺の理想のため。幸せな世の中のためだ。)
俺は叶璃に頭を下げてお願いをした。
「…なぁ叶璃。」
「なんだ?」
「…能力の修行を手伝ってくれないか?」
「おうおう。俺に頼みか。……いいぜ。付き合ってやる。」
「…ほんとか?!?!ありがとう!叶璃!」
拒否されると思ったが、よかった…。
「まぁ、とりあえず寝ていいか?俺、今のでいろんなことがありすぎて頭パンク中だわ。」
「はは。脳の容量小せえな。」
「別に良いだろ!!ばぁーか!」
「そうか。そうだな。」
「…おやすみ。叶璃。」
「おやすみ。裕翔。」
叶璃は裕翔が寮に入って行ったのを確認して、目を瞑り独り言を呟く
「…夜星裕翔。夜星家の一家。昔の夜星家は栗原と並ぶ超チート異能力者だった。しかしいつからの日から夜星家は無能力者しか生まれななくなった。その原因は無能力者との結婚。無能力者と結婚して生まれた子に潜在異能力があることはほぼ0に近い。それなのにどうして…
…ただ俺が今わかるのは…」
「とんだチート能力者が生まれたことだな。」
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