テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
深澤side
なんか今日の翔太いつもと違いすぎて吃驚してんだけど。あ、いい意味でね?いやいつもが悪いってわけじゃなくて今日が余りにも素晴らしいと言うかなんと言うか。いやいつも素晴らしいんだけど素晴らしいのベクトルが違うと言いますか。何が引き金になったのかさっぱり検討もつかないけれどいつもより積極的。ほんとにこれ翔太なのかさえ怪しくなってきた。ちゅーして欲しいだのそれ気持ちいいからもっとやってだのなんか色々言ってくる。恥ずかしがって黙り込んじゃうのが翔太の可愛いところだと思ってたけどこれはこれでいいな、なんて考えていると俺の意識を自分に向けたいのかキスしてきた。えぇ嘘でしょ、えっち中に翔太からキスとか初めてなんだけど、ほんとにどうしたの
『…ッんむ……はぁ、っぅ、今なんか、考えてたでしょ、』
「んー、?ん、まぁ…」
『今、目の前に居んの、俺なんだからさ、ぁ…俺のことだけ考えててよ、』
何ほんとに、何処からの何の独占欲ですか渡辺さん。急なデレ期は付き合い長い俺でも結構心臓にくるからやめてほしいんですけど
「んは、お前のこと考えてたの。よそ見なんかしてねえから」
『ふぅ…ん、ならいい、』
こんなところで俺が嘘をつくわけないってわかっているからか照れたように背けられた横顔はとても綺麗だった。ただ見たいからという至極シンプルな理由で彼の頬を両手でぎゅ、と挟んで此方へ向けると既に蕩けきった表情が目に飛び込んできた。この顔にしているのは自分だって思うと凄い唆られる。軽く口付けるともっとしてほしいとでも言うように首の後ろへ手が回されたから思わず本音が零れ落ちた
「…やべ、抑えきかないかも…」
『…いいじゃん今日くらい、我慢しなくて』
その言葉を後押しするように今度は彼からちゅ、と軽くキスをされると同時に俺の中で何かが外れたような気がした
______________________________________
渡辺side
何度も絶頂を迎えて視界がチカチカしている。星みたいなのも見えてきたような気がする。やばい、どうしよこのままヤってたら普通に飛びそう。いよいよ意識が朦朧としてきたころに、ゴム越しにどっぷりと彼の欲が吐き出されたのを感じた。あ、危ねぇ…腰悪いってずっと言ってる癖に上手えし長えんだよなコイツ、何て言うか絶倫一歩手前って感じ。と言うか今日は意識ある状態で終われて良かった
「……はぁっ…翔太、ごめ、無理させて」
『っ…ん、ゃ、だいじょぶ…』
「good 翔太、お疲れ様」
全然大丈夫ではねえけど生きてるしまあ大丈夫だろ。呼吸を整えていると不意に褒められた。褒められると嬉しくてなんか柔らかい感じの気持ちになって心地いい。あの甘い声で言われているから余計いい感じに聞こえてんのかもしんねえけど。短く頭を撫でられた後に彼のものが俺の中からずるりと抜かれれば腹の中がなんとも言えない喪失感に襲われた。彼はゴムを縛って捨てているだけなのにその短時間でさえも彼と離れているのが嫌でぼふぼふとベッドを叩いて気を引いて、此方に顔が向けばハグかなんかしろと言わんばかりに腕を広げると直ぐ抱き締めてくれた。当たり前だけど当たり前じゃない彼の温もりを感じる。やっぱ好きだわ
『んー……すき、』
「…ねぇほんと今日どしたの?」
うわ一番答えたくねえ質問来た。どうもこうも、欲求不満だったのがこんな変な形で爆発したとか恥ずかしすぎて言えるわけがない。知られたら俺の人生終わるくらいには知られるの嫌だわ。ふっかのことだからどうせ2週間くらいイジり続けてくるんだろうし。どうにかして話の腰を折ってやりたい
『…欲しがりな俺は嫌?』
「やなわけないじゃん、わら。超可愛かったよ」
よし、話の方向性変わったし可愛いが聞けたから俺はもう満足。まあ褒めてくれる分にはもっと褒めてくれたっていいけど?いややっぱそんなこと言ったら死ぬほど褒めてくれるだろうし、そうなったらほんとに死んじゃいそうだからこれ言うのは流石にやめとこ
『いつものと今日のだったらどっちが好き?』
「んぇー…どっちも別の可愛さがあるし俺はどっちの翔太も好きだからなぁ…えーむず、一旦考えていい?」
『いやそんな真剣に考えなくていいんだけど』
「彼女からの質問ほど真剣に考えなきゃいけないもんねえだろ」
何だこいつ、俺のこと大好きじゃねえか
「ん?大好きだよ」
『…え?何急に』
「好きって言って欲しいですーみたいな顔してたから」
『してねえわ』
「じゃあ撤回」
『撤回すんな、なんなら増量しろ』
「言われたいんじゃねえかお前わら」
『うっせえ』
「素直じゃねえなぁ、まあそんなとこも好きだよ翔太」
『…俺も好きだわバカ』
「…いやちょ、おいバカって何だアホ」
『は、アホじゃねえし』
こんな些細な小競り合いが出来るこの距離感が居心地いい。その後も暫く笑ったり喧嘩したり軽く口付けてみたり、甘い夜を過ごした
コメント
1件