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紅葉まんじゅう@桜ノ国🌸
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一話「覚醒ストレンジャー!」 ⇒ https://teller.jp/s/10e08s7twon1o-8220731393
小夜との合作です。フォロー欄にいます。一話は小夜の方で上がってます。AIはあらすじにしか使ってません。捏造たくさん。
小夜ちゃん三話YORO~
たくさんの棺が浮かぶ広間_____通称『鏡の間』。
そこは、ユウが目覚めた時とは比べ物にならないくらいの大量の人で溢れ返っていた。皆一様に金装飾の入った黒いローブを目深に被っており、どこか異様な雰囲気を漂わせる。
「___さ、これで入学式と寮分けは終わりかな?」
そのローブから薔薇のように赤い髪が覗く、小さいながらも堂々とした立ち居振る舞いの男は口を開いた。続けて声を出す。
「いいかい新入生たち、ハーツラビュル寮ではボクが法律だ。逆らう者は首をはねてやるからそのつもりで」
中々に恐ろしい文句である。『ハーツラビュル寮』に分けられた新入生は震え上がっているか舐め腐っているかのどちらかだろう。尤も、ほとんどが後者だろうが。
「……ふぁ~あ。やっとかったるい式が終わった」
続けて口を開いたのは、獅子の耳を持つ低い声の男であった。声色には面倒臭さが存分に含まれている。
「さっさと寮に戻るぞ。サバナクロー寮、付いてこい」
「新入生のみなさん。この度は入学おめでとうございます!みなさんが充実した学園生活を送れるようオクタヴィネル寮寮長として精一杯サポートさせていただきますよ」
次は眼鏡の男。先程の男とは逆に、真っ白な肌には笑みを浮かべている。
はっきり言って胡散臭いし、人好きしそうではあるが信用には足らない笑みである。
「それにしても学園長はどこに行っちゃったのかしら?式の途中で飛び出して行っちゃったけど……」
次に声を発したのは見目麗しい男であった。声と身長、体格から男だと判断できるが、そのどれかが欠けていればきっと女性とも見間違える人がいただろう。
あまりの美しさにどこか近寄りがたい空気を含んでいる。ローブを被っているのにこれなのか。外したらどうなるんだ。彼が率いる寮に所属した者は、ほとんどがそう思ったことだろう。
「職務放棄…………」
次はなんと、タブレットが喋った。いや、正確にはタブレットが喋ったわけではないだろうが、文字通り『タブレットが喋った』としか言いようがないのである。ぼそぼそとした声が漏れだすそれは、宙に浮いていた。
途端、明るい声が響く。
「腹でも痛めたんじゃないか?」
ローブからは頭に巻かれたターバンが覗いており、景気の良さそうな笑顔をたたえている。眼鏡の男とは違い、人好きする笑顔だ。
ユウは、そんな中この異様な空間に足を踏み入れた。不可抗力である。
「違いますよ!」
口を挟むのは怪しいマスクを付けた大人の人。先程は『ディア・クロウリー』と名乗っていたのだったか。正直怪しいし言ってる意味分からないしで信じていいのかどうなのか。
正直なところユウは、未だに目の前の光景を信じ切れていなかった。
「あ、来た」
先程の赤髪の男が、思わずと言ったように口にする。
「まったくもう。新入生が1人足りないので探しに行っていたんです」
「さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。狸くんは私が預かっておきますから、早く闇の鏡の前へ」
「ふぐぐー!!!」
狸、という言葉に反応するようにくぐもった声を出した謎の猫のような犬のような生物は(そう考えると確かに “狸” とは言い得て妙だ)、カリカリと彼を捕まえている腕に爪を立てた。
急かされ、慌てて一際大きな鏡の間の前に立てば、鏡に顔が映し出される。
なんだこれ。どういう技術なんだろう。
「汝の名を告げよ」
「ユウです」
咄嗟に名を名乗る。これで合ってんのかな。てか本名で良かったの?大丈夫?身バレとか。
少し不安になりつつも、なってしまったものは仕方ないとユウは開き直ることにした。
「ユウ……」
「汝の魂のかたちは………」
「…………………」
「…………………」
「わからぬ」
「なんですって?」
焦らされた結果がそれかよ、拍子抜けだなと思わずにはいられなかったが、驚きの声を上げるクロウリーだかに珍しいことなのかと疑問を覚える。てか魂のかたちって何?
「この者からは魔力の波長が一切感じられない……色も、形も、一切の無である」
「よって、どの寮にもふさわしくない!」
うわなんか腹立つ。勝手に連れて来てふさわしくないとは。
「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんてありえない!」
「生徒選定の手違いなどこの100年ただの一度もなかったはず」
「一体なぜ……」
次々に言葉を放つあたり、本当に意外なことなんだな、とユウはあたりをつける。待って今100年って言った?100年生きてんの?現代医療って俺が知らない間にめっちゃ進んでたりする?
「もごもご…ぷはっ!」
そこで、灰色の狸?が腕から抜け出た。
「だったらその席、オレ様に譲るんだゾ!」
「あっ待ちなさい!この狸!」
慌てたようにクロウリーが手を伸ばすが、その手は空をつかんで終わる。
「そこの人間と違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ!だから代わりにオレ様を学校に入れろ!」
「魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ!」
魔力のないユウには分からないことであったが、実はこの時、急速に魔力が練り上げられていた。
それをいち早く察知し、声を上げる判断まで下した赤髪の男が鋭く声を放つ。
「みんな伏せて!」
瞬間、辺りが一瞬にして青く染まった。
「ん゛な゛~~~!!」
例の獣が、炎を吐いたのだ。真っ青な炎を、辺り一面に、とてつもない勢いで。
しかも獣は止まる様子もなく、口から炎を吐き出し続けている。
そこまですれば、当然人にも被害が行くわけで。
「うわあ!!あちちちっ!尻に火が!」
ターバンの男のローブの尻の部分に丁度炎が燃え移った。ターバンの男は尻を押さえて飛び跳ねている。
「このままでは学園が火の海です!誰かあの狸を捕まえてください!」
クロウリーが言う。
自分でやれよ、と、その場にいた上級生のほとんどが思っただろう。この学園長にしてこの生徒ありである。
「チッ……かったりぃな」
「アラ、狩りはお得意でしょ?まるまる太った絶好のオヤツじゃない」
「なんで俺が。テメェがやれよ」
終始気怠そうな獅子の耳の男に、眉目秀麗な男が声を掛ける。押し付け合いだ。皆面倒ごとが嫌いなのだ。
「クロウリー先生、おまかせください」
そこに、意気揚々と一歩足を踏み出す者がいた。
「いたいけな小動物をいたぶって捕獲するというみなさんが嫌がる役目、この僕が請け負います」
先程の眼鏡の男である。
「さすがアズール氏。内申の点数稼ぎキマシタワー」
タブレットが煽り口調でそう言う。アズール氏、と呼ばれた眼鏡の男に目を遣れば、そんなことは全く気にしていない様子で胸に手を当てていた。
「なあ、誰かオレのケツの火ぃ消してくれてもよくねえ!?」
ターバンの男が叫ぶ。
……彼が一番の被害者じゃないだろうか。いや、おそらく一番の被害者は勝手に連れてこられた挙句イレギュラー扱いされたユウなのだろうが。
「みなさん、私の話聞いてます!?」
「はぁ…。狸捕まえるくらいアンタがやりゃいいだろ、センセー」
「オレ様は狸じゃねーって何度言わせるんだゾ!」
「偉大なる魔法士になる男・グリムとはオレ様のことだゾー!」
だからその魔法士ってなんなんだ。なんでみんな魔法が使える前提なんだ。
ユウは一周回ってイライラしてきたが、クロウリーが『魔力がない人を選ぶわけない』的なことを言っていたのを思い出した。そら魔法が使える前提で話もする。つまり自分以外全員魔法使いなのだから。
イマイチ現実味のない状況に、ユウは夢見心地でいた。
「威勢のいい小動物ですね。リドルさん、お願いできますか?」
「違反者は見逃せないからね。さっさと済ませるとしよう」
眼鏡の男___アズールが赤髪の男___リドルに話しかければ、はきはきとした声が返ってくる。すぐに駆け出したリドルを追い、アズールも炎の海に足を踏み入れた。
「見ろ!オレ様はつえーんだゾ!」
炎を吐き出し続ける獣(そういえばグリムと名乗っていたか)。一面を炎が取り巻き、近付くだけで危険な様相を示している。
「はっ!」
そこにペンのような何かで魔法を放つリドル。
「わわわっ!?」
獣___グリムは、慌てた様子で飛び跳ね、それを避けた。
「ボクの目の前でルールを破るとは、大層度胸がおありだね」
「さあ、早いとこ捕まえてしまいましょう」
「ぐずぐずしていると夜が明けてしまいますから」
ようやく追いついた眼鏡の男のその言葉を皮切りに、ちょっとした鬼ごっこが始まった。
リドルとアズールが魔法を放ち、それをグリムが避けながら炎を吐く。走っている内にローブが頭から落ち、燃えるような赤髪と鮮やかな白髪が露わになった。
そして__________
「ふなっ!?行き止まり!?」
グリムは、その小さな前足を止めた。
「泳がされていたことにも気付かなかったんですか?哀れな小動物ですねぇ」
「観念するんだね。さもなくば…」
そう言い、先程から魔法を使用する際に使っていたペンのようなものの先をグリムに向ける。よもやあいつもここまでか、と思ったその時。
「嫌だ!オレ様はこの学校に入るんだ!」
またもや、急速に魔力が練り上げられ始めた。
「アズール、下がれ!」
咄嗟にリドルが声を張る。
「ふな~~~~~~~っ!!!」
そしてまた、グリムが大きく炎を吐き出す。…と、思われたが。
予想に反し、辺りが再び青く染まることはなかった。
コメント
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おお、第1話お疲れさまです!一気にたくさんのキャラが登場して、それぞれの個性がしっかり立ってて読み応えがありました。特にリドルの「逆らう者は首をはねる」って台詞、かっこよくて笑っちゃいました。ユウくんが完全に異世界に放り込まれた感と、周りの魔術師たちの温度差がすごく面白いなと。グリムの「オレ様は狸じゃねー」連呼もかわいくて、これからどうなるんだろう...続きが気になります!