テラーノベル
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「え、そりゃ…もし圭ちゃんが他の男の人と二人でご飯行くってなったら…妬く、かも」
「だろ?」
「え…?もしかして今の、吾妻くんに妬いたってこと……?」
「それ以外、誰がいんだよ」
心臓がドクン、と大きく跳ねた。
耳を疑うような言葉に、頭が真っ白になる。
「えっ、け、圭ちゃんって、ヤキモチ妬くんだ…!?」
「……付き合ってんのに、妬かないと思ってんのかよ」
あまりにも不貞腐れた、核心を突いた言葉に
俺は顔が熱くなるのを抑えられなかった。
「だ、だって圭ちゃんは……」
「ノンケだからって、また言う気か?」
「…そ、それはその…圭ちゃんに嫉妬されるのって、あんまり想像がつかないっていうか……」
俯きながらモゴモゴと言い訳をする俺に
圭ちゃんはさらに面白くなさそうに鼻を鳴らした。
「あっそ。まるで俺がお前のこと好きじゃねぇみたいな言い方すんなよ」
「ぅ、あ…そ、そうだよね……!俺、デリカシーなかったかも」
「今更気づいたのかよ」
「えと…ごめんね?」
恐る恐る謝ると、圭ちゃんはまだ少しだけ不機嫌そうに眉を寄せていたけれど、ふっと視線を和らげた。
「わかったんならいいけど」
(圭ちゃんが、俺にヤキモチを妬いてくれるなんて……)
胸の奥が、じわっと熱いもので満たされていく。
独占欲を向けられているという事実に
気恥ずかしさと、それ以上の大きな幸福感が込み上げてくる。
(……可愛い、って言ったら怒られるかな)
「ん、今ニヤついたか?」
「に、にやついてないよ?!」
「嘘つけ、顔に全部出てんぞ」
「え……!だって、圭ちゃんが可愛いからさ」
「それ以上言ったら、ここに置いてくからな」
「ご、ごめんって!もう言わないから許して?」
焦りつつ手を合わせると
圭ちゃんはまだ少しだけ頬を朱に染めたまま、不機嫌そうな声を出した。
「今度こそ、俺の行きたいとこ付き合ってもらうからな」
「もちろん!」
そう力強く伝えると、彼は残ったブラックコーヒーをゴクゴクと一気に飲み干した。
俺も残りのロールケーキを急いで堪能し、お会計へ。
カップル割引が適用されて少し安くなったレシートを見て
圭ちゃんは「本当に引かれんのな」と小さく呟いていた。
お店を出ると、夕暮れの街に
少しだけ距離の縮まった二人の影が長く伸びていた。
◆◇◆◇
「それで、圭ちゃんの行きたいところってどこなの?」
並んで歩きながら尋ねると、圭ちゃんは前を向いたままぶっきらぼうに答えた。
「ここから近いところに、図書館あっただろ」
「あっ、うん。あるけど…ラーメン屋とか行かなくていいの?」
野々さくら
990
#ラブコメ
猫塚ルイ

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