テラーノベル
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39
牙央
わんく
かわいそう
タバコ🚬
クズ彼女
雨上がりの夜だった
窓を開けても、部屋には煙草の匂いが残っている
「……また吸ったの?」
ソファに寝転がったままの彼女は、気だるそうに煙を吐いた
「吸ったけど」
短い返事
いつも通り
悪びれる様子なんてない
私は顔をしかめる
「……その匂い、苦手」
「知ってる」
知ってるくせにやめない
灰皿の中には吸い殻が増えていて、それを見るだけで胸が苦しくなる
「やめてよ煙草……」
そう言うと彼女は少しだけ目を細めた。
「なんで?」
「だって臭いし、身体に悪いし……キスも煙草の味する」
本当は、最後のが一番嫌だった。
キスのたび苦い煙が口の中に広がる
むせそうになるくらい嫌なのに
でも彼女は笑った
「へぇ」
そのまま手首を掴まれる
「っ、なに……」
引き寄せられて、唇が重なった
煙草の味
苦くて熱っぽくて息が詰まりそうになる
「ん……っ///、や……///」
逃げようとしても後頭部を押さえられる
長いキスだった
ようやく離された頃には頭がぼんやりしていた
「はぁっ///はぁっ///」ゴホッゴホッ
彼女は私の唇を親指でなぞる。
「嫌なら拒否すれば?」
「……っ」
そんなのできない
それをわかって言ってる
悔しくて黙っていると彼女は新しい煙草を咥えた
カチッとライターの音
私はまた眉をひそめる
「……吸わないで」
「やだ」
即答
最低
なのに、その声を聞くだけで安心してしまう自分がもっと嫌だった
それから何度も煙草のあとにキスされた
最初はずっと嫌だった
口の奥に残る感じも不快で
なのに……
いつからだろう
彼女が煙草を吸い始めると
“そろそろキスされる”
と思うようになったのは
ベランダで煙を吐く横顔を見るだけで胸がざわつくようになったのは
ある夜
彼女が珍しく煙草を吸わなかった
部屋には何の匂いもしない
なのに、落ち着かなかった
「……吸わないの?」
そう聞くと、彼女が少し驚いた顔をした。
「お前、嫌いじゃなかったっけ」
「……嫌い…だけど」
言葉が詰まる
彼女は面白そうに笑った
「ふーん」
そのまま一本取り出して火をつける
白い煙が広がる
それだけで少し安心してしまった
おかしい
こんなの
自分でもわかってる
煙草なんて嫌いなはずなのに
彼女が吸ったあとにくれるキスを
待ってる
次の話…………25♡
コメント
1件
こういうのめちゃくちゃ好きです…!!