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39
牙央
わんく
かわいそう(また)
🐿️🦟表現🐜
共依存
夜の9時
部屋には時計の音だけが響いていた
結衣からの返信は、まだ来ない
「バイト終わった」
その一言だけ送られてきてから30分
紗季はスマホを握りしめたまま膝を抱える
家からバイト先まで遠いのはわかっている
けどそれでも頭の中がぐちゃぐちゃだった
今誰といるの。
なんで返信くれないの
私より大事なものできた?
そんな考えばかり浮かぶ
苦しくて、息が詰まる
テーブルの上には小さなカッター
紗季はそれを見つめる
結衣はこれをすると怒る
怖いくらい怒る
泣きそうな顔で抱きしめて
「やめて」
って言う
あの瞬間
あの瞬間だけ結衣は紗季しか見なくなる
「……っ」
最低だ
でももうそれ以外で愛情を確かめる方法がわからなかった
細い線が肌に走る
じわっと赤が滲む
その瞬間
ガチャッと玄関が開いた。
「……ただいま」
紗季は反射的に腕を隠した
けれど遅かった
結衣の視線が一瞬で紗季の血が滲んだ長袖を捉える
空気が凍った
「……またしたの」
低い声
紗季は何も言えない
結衣は無言で近づいてきて、季の腕を掴む
「いたっ……」
「ねえ」
震えていた
怒りで
恐怖で
でも幸せだった
「なんで」
「……」
「なんでそんなことするの」
「……結衣が、見てくれるから」
結衣の呼吸が止まる
紗季は俯いたまま続けた
「こうしないと結衣私のこと見なくなる気がして」
「私捨てられる気がして……」
「……は」
「返信遅いだけで怖くなるの捨てられるって思うの」
ぽろぽろ涙が落ちる
「だから確認したかった結衣がまだ私を好きか」
結衣はしばらく黙っていた
やがて、掠れた声で
「そんな事ないそんな事しない!」
「でもっ!」
「やめて」
「っ………だって結衣怒るじゃん」
「泣きそうな顔して、“いなくならないで”って抱きしめてくれる」
「その時以外私をみてくれない気がしてっ!」
その言葉に結衣の顔が歪む
「……っ、紗季」
「私がこうすると結依が見てくれるの!」
「それがうれしくて…(泣)」
結衣は何も言えなかった
紗季の傷を見るたび心臓を握り潰されるみたいになる
呼吸ができなくなる
このまま本当に死ぬんじゃないかと思って、頭がおかしくなる
………ああ、私はこんなに紗季が好きなんだ
結衣は震える手で紗季を抱き寄せた
強く
苦しいくらい
「……やだよ……」
「死なないでよっ」
その声は懇願だった
「お願いだから、置いてかないで……」
「私っ……一人じゃ生きてけない(泣)」
紗季はその言葉を聞いた瞬間、ぞくりと背筋が震えた
満たされる
愛されてる
必要とされてる
結衣が自分なしじゃ壊れるとわかる
それがたまらなく安心する
紗季は結衣の服をぎゅっと掴んだ
「……じゃあ、ずっとそばにいて」
「いる」
即答だった
「紗季を置いていかない」
「ほんとに?」
「本当に」
「……もし離れたら………」
「離れない」
食い気味に返される
結衣の目はもう半分泣いていた
「紗季がいないと無理だから」
その言葉で心が満たされた
嬉しくて
安心して
もう駄目だと思った
二人とも、とっくに壊れてる
結衣は紗季の傷口に触れ結衣は唇を押し当てた
まるで縋るみたいに
「消えないで」
紗季はその頭を抱きしめる
こう約束したけど多分私はまたやる
寂しくなったら………
次の話…………30♡
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