テラーノベル
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中編
NGワード連発するアイドル達。
そもそもおかしいのだ、あの二人の距離感は。
第三週
『佐野勇斗、寝ぬのなら寝かせてみせようホトトギス企画!!いよいよこの企画も後半戦になってきました!今までの結果発表は吉田マイナス五十点、塩﨑0点です!』
別室組三人のうち曽野がカメラに向かって元気よくタイトルコールを張り上げる。
『さて第三週は最年少の俺、曽野舜太からの検証スタート、検証案は仁ちゃんの膝枕です!ってなわけで仁ちゃん!あとはよろしく!!』
「おい、待て待て俺にぶん投げすぎでしょうが!!丸投げにも程があるわ!お前はタイトルだけ決めて満足するタイプか!!」
画面の向こうで堂々とバトンを放り投げた曽野に、吉田が即座にモニターへ向かってツッコミを入れる。
楽屋には佐野と吉田の二人だけだ。なんたって今回の検証は『吉田仁人の膝枕』。血迷ったとしか思えない、字面だけでも死にたくなる響きである。
『こっから二週連続さのじんタイムやんけ!きちぃな〜!』
画面の端で塩﨑が気楽そうに騒ぎ立てる中、モニターの画面越しに山中の緩い声が続く。
『じゃあ勇ちゃんの意気込みを聞いておきましょうか。佐野さ〜ん、吉田さんの膝枕で寝られる自信はおありで?』
「いやー、おもち星生まれの仁人でも所詮男の膝枕だしなぁ。骨ばって硬くて寝られないんじゃないの?五分でギブアップかな。」
「俺がフラれた気持ちになってめっちゃ腹立つんですけど。」
画面越しのガヤに便乗してあからさまに余裕をぶっこく佐野に、吉田はふてくされたように口元を尖らせる。
はなから自分の膝枕を軽視された悔しさと、妙な対抗心が吉田の中でフツフツと湧き上がり始めていた。
一応、吉田側も膝枕をするということで(字面のキモさは置いておいて)気を遣い硬め素材のジーンズなどを避け、佐野の肌があたっても痛くないように肌触りの優しいとろみ素材のセットアップを着てきたのだ。
ゆったりとした落ち感のあるトップスに、裾がしなやかに揺れるフレアパンツ。ここまで配慮したのは単なる優しさであって、別に自分の膝枕で絶対寝てもらおうなんて思い上がってはない。
それでもあの言われようである。なんで俺がここまで気を遣わなきゃならんのだ、とブツブツ愚痴りたくもなってくる。
(一応俺だって、勇斗にちゃんと寝て欲しいのに…。)
『はーい!お二人さんそろそろスタンバイしてくださ〜い!』
「あ、ねぇ舜太!膝がしんどくなったら俺からギブアップしてもいいんだよな?」
体格の良い佐野を三時間も支え続けるなんて物理的に不可能に近い。佐野はアイドルらしく小顔ではあるものの、とにかく男としての体躯が良い。広い肩幅にしっかりついた筋肉。頭の重さだって、骨格のしっかりした大人の男のそれだ。
(勇斗のやつ…人の膝を五分も持たないとかほざくし、こっちから三時間も膝枕してあげる気満々だと思われるのも嫌だし!)
かぼす
2,153
つぶ貝
1,618
う る
2,221
一人でムカムカと葛藤する吉田に、モニター越しに曽野の能天気な声が返ってくる。
『あーーそうやなぁ、そん時は勇ちゃんの頭引っ叩いて起こしてあげたらええよ。』
「え〜やだ〜!もっと優しく起こしてよ!」
曽野の適当な案に佐野がブーブーと文句を垂れていると、続いて塩﨑がニヤニヤとした声で吉田に追い打ちをかけてきた。
『でも吉田さん、忘れんといてな?これ、勇斗の安眠検証やで?なるべく勇斗が寝られるよう我慢しぃや、リーダーなんやから。』
(…他人事だと思って。普段はこういったの興味ないくせに太智のやつ…。)
でもやるからには、こっちだって覚悟決めてやる。
◇
(寝る場所か……。)
楽屋を見渡すと机、大型のソファーのほかに、靴を脱いで横になれる畳のスペースが配置されている。佐野の大きい図体だとソファーに寝るのはキツキツになると思った吉田は、佐野がしっかり横になれる畳の方がいいだろうと判断した。
靴を脱いで畳に上がると、壁にもたれながら足を伸ばして座り、まるでお母さんが小さな子供に接するかのように「ここに寝なさい」と自分の太ももをポンポンと叩く。
「ほら、おいでよ。」
その一連の流れを見ていた佐野は、なんとも微妙な心地にさせられる。
(おいでよ、って簡単に言ってくれるなぁ……。)
佐野自身、企画には乗り気だったものの、やはりいざ『吉田仁人の膝枕』――というか男の膝枕なんて、普通に抵抗がある。誰が相手だろうと男相手じゃゾワッとするものだ。普通は。
早まったかな、絶対に早まったよなこれ。こんなん見たらさのじん厨がまた湧くだろうな…。なんで仁人はこんなに覚悟が決まってんだよ。普通に考えてキモいことしてるだろ、俺ら。
――こういったものは、冷静になったら負けというもので。
あの吉田本人から同意で膝枕をしてもらったなんて、世界で自分だけだろう。吉田を熱烈に慕う一部の後輩達からはさぞかし羨ましがられるだろうなと思う。いや、嬉しくはないが。
そう考えると逆に二度とやってくれることはない貴重な体験を受けられると思い直し、意気込んで佐野は靴を脱ぐ。
吉田の前に立つと、タレ目でありながら大きなクリッとした目で佐野を見上げてくる。ほら早くと太ももを叩き催促する吉田に「お邪魔しま〜す」としゃがみ込み、仰向けで寝転びながらゆっくりと吉田の膝の上に頭を下ろす。
そうして膝の上に佐野の後頭部が触れた、その瞬間――。
「……ッひゃっ、」
高めの小さな悲鳴。
その声に反射して、佐野は思わず勢いよくガバッと上半身を起こす。
咄嗟に両手で口元を押さえた、真っ赤な顔の吉田と目が合う。
「…おまえ…。」
ジト目で睨む佐野に、吉田は慌てて反論する。
「違う違うなんでもない!慣れてないから!ごめんってば。大丈夫、はい、どうぞ。」
再度促され、今度は吉田の顔を見ないよう足元の方へ顔を向け、横向きになりながら頭の体重を落とす。後頭部に当たる吉田の体温と、ほんの少し震える膝を気にしないように意識しながら、無事に佐野の頭は膝の上に着地し、月面着陸ならぬ吉田着陸のミッションは達成された。
……が。
(こいつ……なんで今日に限ってこのうっすい服着てきた??めっちゃ仁人の体温をひしひしと感じるんですけどぉ!てかこいつの太もも、もちもちのふっわふわなんですけどおおお!!)
(ま、ま、待って待ってくすぐったい!!服失敗したかも!膝枕ってこんなにも人の体温感じるもの??!俺の馬鹿!!もっと防御力高い服着てくるんだった!!)
お互いに生々しい体温と感触がダイレクトに伝わり、頭の中は大パニックである。なまじ薄手の素材を着てきたせいで、吉田の方はただただくすぐったさに耐えるハメになっていた。
一方、後頭部を預けている佐野もまた、別の意味で限界を迎えていた。
後頭部から伝わるのは、到底男のそれとは思えないほどの吸い付くようなふわっとした弾力。男同士の肉感とは思えないもちもちとした太ももの柔らかさに、頭の芯がじんじんと熱を帯びていく。
(やばいやばいやばい!!想像以上に柔らかすぎるだろ仁人の太もも!!これ絶対に生肌だともっとやばいやつ!あ、無理無理想像したら終わる!)
理性を総動員して欲望を抑え込もうとするものの、後頭部に伝わる感触が佐野の理性をじわじわと削り取っていく。
『すごい、二人とも化石のように固まってますねぇ。』
『焦りがもろ顔に出てもうてるがな。』
画面の向こうで山中と曽野が見守りながら実況を入れる。横では塩﨑がすでに飽きたのか、スマホゲームを始めていた。
◇
耳元からダイレクトに伝わる熱がなんとなくヤバいのだと感じ、当初の顔を天井に向けた体勢に戻そうと佐野が頭を動かした瞬間――。
「……ゃあっ、ん、」
生地が擦れた兼ね合いでまたもや上がる細い声。
「……(こ、こ、こいつっ!!)」
突っ込んだら負け、突っ込んだら負けだと心の中で必死に唱えながら顔の配置を変える。
体ごと起こしながら体勢を変えたせいでよりくすぐったかったのか、吉田の膝がピクンと跳ね、「ちょっ、まっ、ひゃっ、ん、」と無駄に艶っぽい声が上がり、佐野は動揺のあまり思わず手を滑らせ顔を吉田のお腹側に思いっきりダイブさせてしまった。
「……!!!」
「ひぁっ!」
意図的ではなく吉田のお腹周りに顔を埋めてしまい、ダイレクトに伝わる吉田の香りと柔らかいお腹周りのもちもち感に一気に焦る。佐野の吐き出される吐息の熱と振動が下半身まで伝わり、吉田は「んっ、」と息を詰まらせてキュッとお腹に力を入れる。
「ご、ごめっ!!」
「は、はや……と、あっ、そこで喋ると、くすぐったい…ッ…!」
喉から漏れ出そうになる情けない声を必死に抑えようと、吉田は両手で口元を覆いながら身体を震わす。
あまりの生々しい密着ぶりに、別室のモニター前は一転して大惨事と化した。
『はーい!!!!アウトおお!!終わり終わり!!!』
カット!カット!と、画面越しに曽野が両手で大きくバツを作りながら叫び散らす。
『これ以上無理や!!吉田コード発動!!R指定!自主規制!!規制音!!子供には見せられませええんん!!』
『てか楽屋で何しとんのやあの二人!!そこラブホちゃうぞ!!』
スマホをいじっていたはずの塩﨑も画面ごしに喚く。そんな中、山中は真顔でマイクを握り佐野へ忠告する。
『あの〜佐野さん…、許可なく無理やりR指定に持ってくのやめてもらっていいですか?うちの吉田さんまだ生娘なんでそこんとこ大事に扱ってくださ〜い。』
「いやこれ俺悪くなくね!?エッロい声あげる仁人が悪くね!!?」
パニックになりながらお腹から顔を引っ剥がし起き上がった佐野に、吉田も真っ赤な顔でモニターへ向かって叫び返す。
「おい柔太朗!!誰が生娘だ誰が!!AVみたいなこと言うなよ!!」
R指定やら生娘やら、全員アイドルとしてアウトな発言を連発している時点で、ここら一帯の映像は問答無用で全面カット決定である。
……いや、それにしてもリーダーの喘ぎ声聞いてしまったこちらの身にもなってほしい。
袖から少しだけ手を覗かせた萌え袖の状態で両手を口元にあて、内股になって膝を擦り合わせながら小さくなっている成人男性を見て、なぜこんな複雑な気持ちを抱かなきゃならんのだ。モニター越しの三人は、「エロい」なんてメンバーに対して抱いた邪な気持ちは絶対に気のせいだと、少しでも掠めたその感情を全力で頭からかき消した。
そして検証結果。
なんだかんだで経過時間は十分にも満たず。
当初は「骨ばって硬くて寝られないんじゃないの?五分でギブアップかな。」と余裕を見せていた佐野だが、こんな状態で寝られるはずもなく。
むしろこのまま進んでいたら、違う意味で『寝られて』も困る。
これ以上は性的なムードに持っていかれそうなので、今回は強制終了となった。
撮影後、曽野は佐野に「……で、点数は?」とこそっと聞いたが、佐野には苦虫を噛み潰したような顔をされ、「無理ぃ……」と潰された声で呟かれた。
何が無理なのかは、怖すぎて深く触れなかった。
◇
第四週の前に
最後の撮影を前に、メンバー五人全員での緊急打ち合わせが行われることになった。本日の議題は、第四週目の検証内容についてである。進行役の山中がフリップを手に口を開いた。
「え〜最後は俺からの案で『よっしーの抱き枕(※生身も可)』なんですけど、このまま進めて大丈夫なものか皆さんの意見を聞きたいです。」
曽野が眉をひそめながら先週の惨劇を思い返す。
「まぁ…前回は色々アウトやったわ〜。俺らの発言含めてやけど。」
「危うく楽屋がラブホになるとこやったな。あれはマジで仁人が悪いで。」
塩﨑がジト目で吉田を睨みつけると、吉田は思わず身を乗り出した。
「は!?なんで俺?勇斗!俺、普通だったでしょ!?」
「いや、あれはマジでお前が悪いから。」
真顔で即答する佐野に、吉田は絶句する。
「まーまーまー、よっしーの声がクソエロかったことは置いておいて、問題は最後の検証をこのまま進めるかってこと。ぶっちゃけ二人ともこの状態でハグしたら色々止まらないんじゃないかって俺らも心配なんだよね。後々モザイクかけたくないし。てかメンバー同士のセックスシーンなんて見たくないし。」
山中がその国宝級の顔面で生々しすぎるパワーワードをさらっとぶっこみ、曽野も真顔で深く頷く。
「楽屋で本番始まってもあかんしな。」
「せ、せ、セック、ス…って…あははっ!柔太朗達は何の心配してんの?そんなの俺らの間で起きるわけないじゃん。てか検証対象は抱き枕なんだし?」
「あ、抱き枕は用意してない。抱かれるのはよっしー本体です。」
「そこは用意しておけよ!!!過去にも売ってたんだし、メルカリにあるでしょうよ!てか抱かれるとか言うなよ!生々しいな!!」
ツッコむ吉田を無視して、山中は佐野へと視線を向けた。
「で?実際勇ちゃんはどうなの?このすっとぼけ鈍感生娘吉田さんは勇ちゃんに抱かれても平気らしいけど。」
「お前、悪口がすぎない!?語弊が過ぎない!?」
ワーワー騒ぐ吉田の横で佐野は顔を顰め、苛立ちを隠せない様子で両手でガシガシと髪をかきあげた。
「いやー……正直、際どいわ。今仁人を抱きしめたら、普通に襲っちゃう。」
「は!?」
「ぶっちゃけ、あの後仁人で抜いちゃったんだよなぁ。」
「……っはぁ!?!?!?」
想像を遥かに超えた生々しすぎる告白に、吉田は見たこともないレベルでドン引きし、顔をひきつらせる。
「ぶ、ぶっちゃけすぎじゃない?嘘でしょ、勇斗、俺のことそんな目で見てたわけ?」
「いや〜、もちろん恋愛感情があるかって言われたらたぶん違うんだけどさ。そうは言っても、俺らって今までも結構際どいラインだったじゃん。この感覚俺だけ?」
さらりと開き直る佐野に、山中が腕を組みながらふむと頷いた。
「んー……でも、なんか分からんでもないな。何かの弾みで一線超えたら、二度と元の関係には戻れないとこにいる感じ。」
「あー、分かるわ。」
塩﨑も深く頷き、二人を見比べる。
「ファンに向けて『さのじん』ってネタでやってたと思うけど、普段のお前らもまあまあ距離近いからな。ギリギリのところで踏みとどまってるだけで、ちょっとした弾みで一気にタガが外れそうなんよ。」
「なんやろなぁ。普段はただの仲良いメンバー同士のはずやのに、きっかけひとつで『男女の友達』から『男と女』になっちゃう危うさがあるっていうか。」
曽野の男女の友達のような危うい関係の例えに、吉田以外の四人は「それだわ」と納得したように頷いた。
「……お前ら、さっきから勝手に人の関係性を分析して盛り上がんな!!あと全然当たってないからな!?俺らの関係はメンバーで友達だから!!」
周囲の冷静すぎる分析に、吉田は顔を真っ赤にしながら必死で反論を叫ぶしかなかった。
「でもさぁ仁人、抱くとかは一旦置いておいて。もし俺とキスしよってなったらできるでしょ?嫌じゃないでしょ?」
「……は!?」
なんでこいつはこんな堂々と自信満々に聞いてくるんだ。
想像するだけでもきしょい……と思いつつ、不思議と生理的嫌悪感はない自分に気づき、吉田は一瞬言葉に詰まる。
佐野はその顔を見逃さず、
「…ほーら、やっぱ俺らはできちゃうんだよねぇ。」
口元を抱えて唸る佐野を見かねて、山中が助け舟を出すように問いかける。
「じゃ、最後の検証はやめておく?」
そう促された佐野だったが、本心を言えば吉田を抱いてみたい。ここまできたら下半身は正直であり、もう半分以上は下心込みである。そこは素直に抱きたいと吐露する。その意味は最早当初の検証内容の『寝る』とは違う意味になりつつある。
「えっ、ちょっと待って?襲われる可能性あるのにやるの俺?しかも勇斗は抱きたいとか言ってない?抱くってハグって意味だよね!?ただ寝るだけだよねぇ!?」
焦り散らかす吉田に、山中が「アンタが拒否ればいい話でしょ」と冷ややかな視線を送る。
「そもそも抱きたいとか言うけどさぁ、勇ちゃん的にはよっしーと今後付き合いたいとかあるの?」
「…うーん、変に関係変えてグループにリスク出すのも怖いじゃん?だから関係性の定義とかいらなくねって思うんだよな〜。もちろん仁人のことはメンバーとしてめっちゃ大切だよ?ただ、仁人のこと考えると勃つしえっちしたいってだけで。」
「なんの話だよ!!どの口が言ってんだよ馬鹿!!最低!!」
もう隠さずド直球に下心を暴露した佐野に、吉田は間髪入れずに思い切り頭を引っ叩いた。楽屋にバシッという心地よい快音が響き渡る。
いってぇ!と叩かれた衝撃で頭を抱える佐野に、塩﨑もあからさまに不満げな顔でジト目を向けた。
「佐野さんには悪いけどそれに関しては俺は反対やな〜。付き合ってもないのにそういう関係になろうとするとか都合よすぎるで。うちの吉田さんは婚前交渉禁止やからな。」
同期として長年一緒にやってきた相方の吉田に変な流され方をしてほしくない過保護さが出て、塩﨑は思わず口を挟まずにはいられなかった。
塩﨑からの冷たい目線とその指摘に慌てて弁明する。
「いや、自分でも最低なこと言ってるのはわかる!でも、もうあれから仁人とえっちできるかどうかそれしか考えられないんだって!」
佐野の発言に山中と曽野が呆れ、
「思春期に入ってエロいことしか頭にない男子中学生か。」
「もしくはエロ本拾った男子校生やん。」
勇ちゃんいくつ?二十八歳だよね?と冷たい目線を向ける。
「だってお前らも聞いただろ!仁人のエロい声!!ぶっちゃけ勃つだろってあれは!」
「だからっていきなり身体の関係だけ迫るアホがどこにおるんや!!順序守らんかい!!」
キレた塩﨑の勢いに一瞬うっ、と怯む佐野だったが、すぐに何かを思いついたように吉田に向き直った。
「じゃあまずは仁人の意思を確認するわ。仁人はどう?俺とえっちしたくない?あ、男同士のえっちって何するか分かる?」
「セクハラやめい!!」
「勇斗、これ以上口を開くと俺の中のお前が死ぬから喋るのやめろ。永遠に黙れ。」
三人のやりとりを眺めていた最年少組が、顔を見合わせながらこそこそと話す。
「あの真面目で堅実だと思ってた勇ちゃんを膝枕だけでここまで狂わす仁ちゃんってやばいな…。魔性の男やん。」
「俺らも気をつけようね…。よっしーと目を合わせたら終わるわ。なるべく正面から見ないようにしよう…。」
とばっちりもいいところの濡れ衣を着せられ、吉田はすぐさま山中と曽野に向かって吠える。
「おいこら!!何で俺がメデューサみたいな扱いされてんだよ!狂ってんのは勇斗だろうが!!てか、そもそも!!付き合ってもないのにそういう関係には絶対なりたくないから!!好きとか言われてもないのに、そういう曖昧な関係は俺、絶対いやだから!!」
大音量で叫ばれたその言葉に、楽屋が一瞬シーンと静まり返った。
……吉田の言っていることは至極まともで正常な感覚である。
ただ、「男同士」「メンバー同士」という『いや、もっと気にすることがあるだろ』という大事な前提がすっかり抜け落ち、変なところで持ち前のガードの硬さを見せる吉田。
そのズレた堅物さに佐野以外は脱力するしかなかった。
「…まぁ、おっけ。一旦お預けってことね。」
納得したように一人でうなずく佐野に、吉田は間髪入れずに大声で被せる。
「一生お預けだよ!!?」
――残された検証はあと一つ。
『よっしーの抱き枕(※生身も可)』
後編へ続く。
コメント
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更新ありがとうございます😊いやはや、🩷さん、暴走しはじめてますね笑笑。まぁ、💛さんに問題ありだったわけですが(ふわもちやら、くすぐったいやら、アカンですよ笑笑)チームがきが、まだまともかつ、💙さんが、きちんと💛さんを守ってるのに、ずきゅーんしました笑。続きをたのしみにしてます
めっちゃ、面白いです 後半、すごく楽しみにしてます
「膝枕からのまさかの展開、めっちゃ面白かったです!😂 佐野くんが『勃つしえっちしたい』って告白したシーン、思わず二度見しましたよ…。でもそれくらい仁人くんの膝枕が衝撃的だったってことですよね。『一番際どいラインはメンバー同士』って曽野くんの分析、妙に納得。次回の抱き枕企画、どうなるんですかね…ハラハラしながら待ってます!」