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柘榴とAI

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#没入感フィクション
柘榴とAI

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柘榴とAI

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「ただいま」
「あぁ、おかえり。どうだった? 夏の思い出と、“本物”の訓練は」
家に帰れば、ちょっとだけニヤニヤした兄貴に迎えられてしまった。
「本当にありがとう、凄く良い勉強になった」
「真面目か! 俺はこう、まずは甘酸っぱい思い出話を聞きたくてだな……まぁ良いか。んで?」
兄貴が今回の合宿を勧めてくれた理由、というか。
どこからあの道場の情報を持って来たのか不明だったのだが。
彼の……only oneの登場で、それが分かった。
賞金首の繋がりから、相手の実家が“そういう場所”って知ったからこそ、アポを取ってくれたのかと今では納得。
なんて、話してみると。
「ん? え、1? うん? あぁ、そうか。ん? ちょっと待った、むしろ何でアイツが出て来た上に、お前はどうしてそんな事知ってるんだよ」
「だって本人が、物凄く宣言してたけど……俺等皆に対して、大々的に。それに、友達は直接対戦もしてた」
「すぅぅぅ……アイツだけは、マジでクビにした方が良いんじゃねぇかな……運営」
どうやら彼の行動は、兄貴でも予想外だったらしく。
思い切り深いため息を零していたが。
まぁ、そうだよね。
兄貴も白川さんも、こんなにキッチリ賞金首の情報は隠しているのに。
あの人だけは、出っ歯みたいなテンションで自慢気に語っちゃってたし。
同じ賞金首だったとしても、彼だけは参考にしたらいけないタイプなのだろう。
「まぁ、良いか。もうちょっと思い出話を聞かせてもらいたい所なんだが……その前に。お前、夏休みに入ってから随分と派手に金使ってねぇか? 居ない間に、結構荷物届いてたぞ」
「あ、やっと来たんだ。受け取っておいてくれた?」
「お前の部屋、まとめて置いてある。俺も見て良い? ついでに夏の思い出を語れ。アポ取ってやったんだから、その礼として」
「好きだねぇ……ホント。まぁ良いけど」
という事で、自分の部屋に戻ってみれば。
俺の机には、いくつもの配達された荷物が詰まれていた。
一つ一つはそこまで大きくないけど、結構な量。
いっぺんに注文したからなぁ……兄貴が回収してくれず、全部両親に見つかっていたら色々言われてしまいそうだ。
「ホレ、菓子と飲み物持って来たぞー。アイスもあるけど、食うか?」
「ありがと、でも今はいいや。というか、今から箱全部空けるから。お菓子はそっちのテーブルで広げてもらって良い?」
「ん? 何だ、精密部品か何かか?」
持って来た茶菓子を一旦部屋の真ん中のテーブルに置いてから、兄貴がこっちの勉強机を覗き込んで来るけども。
まぁ、隠す事じゃないし。
全部の箱を開けて行き、次々と机の上に並べてみると……。
「はっはーん、やぁっと“プレゼント”を送る気になったか。遅ぇよ、ヘタレ」
「ヘタレなのは知ってる、今でも受け取って貰えるか不安だし。でも今回は渡す、けどまだ“完成”してない」
「ある意味“手作りです”ってか。調整、手伝うか?」
別々の所から送られて来た荷物は、いくつものカスタムパーツ各種。
そして、度々白川さんに試して貰っていた……46leatherさんが使っているハンドガンの、フルサイズの本体。
コレを容赦なく分解していき、新品だというのにすぐさまバラバラになってしまった。
「調整とかで、アドバイスは欲しい。けど組み上げるのは……全部俺がやりたい」
「へいへい、愛しの彼女に送る品だもんな。他の男の手は借りたくないか」
「そんな大したモノじゃないけどね。けど、“白川さんの為に”俺が作ったって胸張って言いたいから」
という事で、隣で兄貴に見られながらも。
一つ一つカスタムパーツを組み合わせて行く訳だが。
「やりながらで良いから、何があったのか教えろよー。仲の良い友達だけで合宿な上に、保護者は歳の近いお姉さんだったんだろ? ハプニングの一つでも起きなかったのか? あ、そこ。少し削った方が良さそうだな、個体差だろうが……ちょっと形が歪だ、邪魔になるぞ」
「あ、ホントだ。ありがと、気が付かなかった。ハプニングって程じゃないとけど……色んな意味でドキドキしっぱなしだったよ。初日とか、皆で川に行ったんだけどさ」
「水着イベントか!? やったじゃねぇか現太! どうだった? 女子二人は。まさかセブ――じゃない。件の“ナナさん”とやらに夢中になって、白川妹を蔑ろにしたりしなかっただろうな?」
「そ、そんな事する訳無いだろ!? 確かにナナさんは凄かったけど……白川さんとずっと一緒に居たよ。泳げないみたいでさ、手を引いたまま、泳ぎの練習に付き合った」
「かぁぁ……着実にテンプレイベントこなしやがって。なぁ今度皆誘ってプールでも行こうぜ、俺が車出してやるから。もっかい夏イベやれ、今度は俺の前で」
などと、雑談しながらも銃を組み上げていく。
純正に比べればどんどんとごつくなっていくし、バレルがゴールドだったりして結構派手になっちゃってるけど。
しかし当初の6keyのハンドガンを考えれば、これくらいは許容範囲だろう。
それ等のガタつきなどもしっかりチェックしながら、可能な限り“完璧”に近い状態へと持って行く。
「おい、グリス。一回拭き取って、新しいのを差しておけ。いつ塗られたのかわっかんねぇからな」
「そうだった、組む事ばっかりに夢中になってた」
「相手はいつでもバラして組み上げる程の知識はないんだろ? だったら最初に全部やっておいた方が親切だ」
「だね、ありがと」
度々助言を受けながら、一つのパーツですら手を抜かずにメンテ&加工を繰り返す。
彼女が使ってくれるかもしれない物だから、俺だって手を抜くつもりは一切無い。
もしも個体差でパーツのガタつきが酷いとかあったら、普通に買い直すつもりだったし。
「フルート加工されたバレルを選んで、スライドも派手な肉抜き。更にはフレーム固定式のコンペンセイターとは……また随分マニアックな銃になりそうだな。ダットサイトとフラッシュライトもあるけど、付けるのか?」
「うん、とりあえず試して貰おうかなって。ライトもスイッチをグリップに張り付けて、握っている間だけ点灯できるヤツを買ったし。固定する場所を調整すれば、任意のフラッシュが出来ると思って」
「屋内戦、近距離特化だなぁオイ。光も細くて強いヤツだし」
「ん。その方が良いでしょ、白川さんの“戦闘スタイル”だったら」
パーツを見るだけで色々バレていらっしゃるが。
もはや隠すつもりはないので、此方も思っている言葉をそのまま口にする訳だが。
兄貴はヤレヤレと首を振った後、再び真剣な眼差しを俺の手元に向けて来た。
度々口を出されつつも、やっと本体が組み上がった頃。
「試射は?」
「やる。“すぐに使える”状態にしないと、意味が無い」
結構派手派手になってしまったけど、実用的な物を選んだから邪魔にはなっていない筈。
どのカスタムパーツも軽量化やコンパクト性、そして扱いやすさを重視したので。
こういうのも、“新品”を渡した方が本来は良いのかもしれないけど。
けど撃って違和感があった時に、あの子では対処に困る気がして。
それに……初めて使った時、本人から“使いやすい”って言って欲しいので。
という事でガスを注入してから、部屋の中でターゲットに向けたり。
弾速を確かめ、ホップアップ具合などもちゃんと調整していく。
電子式のマイクロサイトを使っているので、そっちの調整も忘れずに。
その後、もう一度メンテナンスをしてから……出来上がったソレを、一緒に買っておいたガンケースに収めた。
「普通は女の子にプレゼントする様な見た目じゃねぇなぁ……」
「だ、だよね……ちょっと俺も不安になって来たかも」
ガチガチにカスタムされた拳銃が、ケースの中に納まっている光景。
普通コレをいきなり渡されたら……引かない? 本当に平気?
作った本人が言うのもなんだけど、何かヤベェ物渡されたって雰囲気になりそう。
「ま、まぁお前等だし! 相手は白川妹だからな! 何とかなるだろ!」
「後は……いつ渡すかなんだけど……」
「……オイこらヘタレ、そこはまだ決めてねぇのかよ。良いか? 夏休み中に絶対渡せ。引き延ばす程に色々考えて、お前は絶対渡さなくなる」
「後半、白川さん忙しいって言ってた……どこかの誰かさんと一緒で」
「……まぁ、うん。そっちに関して俺からは何も言わん。じゃぁ前半に渡せ、もう既に結構ギリギリだけど。中盤って言える時期だけど」
という事で、プレゼントは用意出来たんだけど。
ど、どうしようコレ……なんて言って渡せば良いんだろう。
というのと、現在夏休み中。
つまり、予定を組まないと会う事さえ出来ない訳で。
「ねぇ、兄貴。その……“忙しくなり始める”正確なタイミングだけでも、教えてくれない?」
「おっ前、またそうやってギリギリまで引っ張る気だろ! もう今から行ってこい! 相手の家知ってんだろ!? なんなら俺からアポ取ってやるから! 今から弟がそっち行くって言っておいてやるから!」
「で、出来る訳ないだろそんな事! だって合宿から帰って来たばっかりだよ!? 絶対向こうも疲れてるじゃん!」
などと言い合いながらも、ひとまず一服と言わんばかりに俺も休憩する事に。
その後は兄貴が持って来てくれたお菓子を摘まみながら、合宿の思い出を語る事になってしまったのであった。
ホント、あっという間だったけど……色々あったなぁ……。
コメント
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あーもう、めっちゃ良い回だった……! 兄貴との軽妙なやり取りから、ガンカスタムのこだわり、そして「白川さんのために俺が作った」って言い切る主人公の不器用な想い、全部刺さったわ。 最後に「引かない?本当に平気?」って不安になるのも可愛すぎるし、兄貴が「お前等だし!相手は白川妹だからな!」って励ますのも熱い兄弟愛だよな。 渡すシーンが待ち遠しい🔥