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こんにちは!久しぶりすぎるな…。
↓含まれる要素※死ネタ、年齢操作、年齢変化、病弱設定
前半部分は、14歳、そこから18、19、20と年齢が変化しています。
別界隈の腐垢で描いたものをこの2人で見たかったので内容そのままhrとfwに落とし込みました。
この2人書くの数回目なのであたたかい目で見てください。
※誤字があるかも
この先名前伏せなし
ーーー
🌞
病室の窓の外から雀の鳴き声が聞こえてくる。
その窓から漏れた穏やかな日の光に上半身が暖かく照らされた。
目を擦りながら窓に視線を向けていると、部屋の扉がガラガラっと開いた
そこにいた人物は紫の綺麗な花束を抱えて自分の病室に入ってくる。
「はぁっ…はぁっ…」
息を切らしながら扉を開く
「はぁっ…はぁっ…ちょっと遅れた?」
「あ、きたきた。結構遅れてますよ?」
「あー、ごめん。部活が長引いちゃって…」
「まぁ全然大丈夫ですけど!」
不破さんはベットの側にある椅子に腰掛けて深呼吸した後、持っていた花束を手渡した。
「えっと…、これ」
「あ、もしかして僕にプレゼントしてくれるんですか!?」
「えっと、まぁ、うん」
「やった〜!!じゃあ大切にしときます!」
「う、うん」
「あ、これすみれの花?」
「あっ、へ、へーそうなんやー」
「もしかして、花言葉に意味があったり…」
「い、いや?ただ綺麗だなと思って…」
ーーー
🥂✨
甲斐田に図星な事を言われ、目を泳がせていると、甲斐田はいつのまにか、スマホを取り出し、操作をしていた。
「えーっと、えーっとすみれの花言葉は…「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」「貞節」えっとそれから…」
「あっ、あーそうだ果物も持ってきたんやー剥くから食べるか?りんごとかー」
「へへ、じゃあお言葉に甘えて」
ーーー
🌞
「あ、そういえば」
「何?どうした?」
「バレンタインの時ありがとうございました!」
「あー、まぁバレンタインだったし、味は大丈夫だった?」
「はい、美味しかったです…!」
「そ、そっかならよかった…」
「……甲斐田、あの」
「ん〜?どうしました〜?」
「伝えたい事があって、」
「なんですか?楽しみ」
そう言って、不破さんを見つめる。不破さんは目を瞑り、何度か深呼吸した後、こちらをまっすぐ見つめて、口を開いた。
「ずっと前から好きでした。付き合って下さい」
「…」
「だめ…?」
「んー…」
「だめじゃ無いし、嬉しいけど…」
「けど?」
「うーん…」
「あー、そうだな…一つだけ我儘言ってもいいですか?」
「は、はい」
「じゃあ、20歳の年のホワイトデーにまだ好きだったらその時告白してください!」
「えっと……うん。わかった」
「絶対に告白する」
「まぁ、その時は大人だから結婚して下さいでも嬉しいかも、へへ」
「うん、ワカリマシタ…」
「そうだなぁ…どうせなら近所のあの丘の上がいいな」
「あそこ景色が綺麗で好きなんで」
「確かに。俺もあそこ好きだから。じゃあ20歳のホワイトデーそこで待ってて」
「はい」
「あ、それと…告白してくれてありがとうございます。嬉しかったです!」
「20歳のホワイトデーまで待ってますね!」
ーーー
🥂✨
それから4年。俺が18になった頃。甲斐田は病院で息を引き取った。
俺は葬儀で棺桶に入った甲斐田を見つめる事しかできずに、立ち尽くすしかなかった。
それから、俺は家の外に出なくなってしまった。自分の世界はどんどんと色を失っていった
ーーー
それから一年、19になった頃、親から、仕事をしなさいと言われ、バイトを始めた。最初はあまり、上手くいかなかったが、周りの人達に支えられ、慣れていった。1日の大半はバイトに費やし、子供の頃の記憶を会社の仕事でかき消していく。
ーーー
20歳になったある日テレビでニュースを見ていた時、カップルの話題になった。今日はどうやら3月14日ホワイトデーだったらしい。
そう言えば、バレンタインデーは姫達からチョコや、クッキーやら、色々もらった気がする。貰ったら返すべきだよなぁ〜と内心めんどくさいと思いつつも、市販の少し高いクッキーを持って出勤した。
姫達達にクッキーを配っていると、1人の姫が
「大事な人と一緒にいなくていんですか?」と問いかけてきた。
嗚呼、そう言えばそんな人いた気がする。でも、その記憶は朧げであまり覚えていない。
その姫は
「それこそ学生の頃の同級生とか、久しぶりに会えますし、いんじゃ無いですか?」と投げかけてくる。
ーーー
気づけば俺は店の廊下を走っていた。考えるより先に体が動くとはこの事だろうか。そう、大切な…大切な初恋の人の待つ場所へ行かなければ。そう思い出し、足を動かす。店を出て、あの丘へ向かう途中、あの時、お見舞いに行く前に寄った花屋があった。閉店寸前の花屋にかけていった。
「っはぁ…はぁ…あ、あのすみません!!」
「え、あ、はい!いらっしゃいませ!お花ですか?」
「はい。紫の菫をお願いします。」
「わ、分かりました!すぐ持ってきます」
花屋は何かを察したのか、素早く紫の菫をラッピングした。
「あ、えっと、料金は…」
「いえ。お気になさらず!頑張って下さい!!」
日にちが日にちなので察したのだろうか。走ってきたので急いでいることは明白だったらしい。花屋の言葉に甘えて俺は店を出た。
「はぁっ…はあっ…」
向かっている先は隣町。走るには相当の距離がある。だが、気にしなかった。どれだけ自分の足が痛くなろうとも、どれだけ呼吸がしづらく、口の中が血の味になっても、諦めずに、走ってゆく。
都会の街を置き去りにして、見覚えのある田端を進めば、眼前に、丘のある山を捕えた。
容赦なく、山を急いで登ってゆく。
スーツがどんなに汚れても気にしない。
やがて、丘にたどり着いた。
そこは木々が生い茂っていて、暗いが、見渡すと、眼前には都会の街を一望できるような場所だった。
俺は息を切らしながらも、花束を抱え、何も無い横を見つめる。
目を瞑り、何度か深呼吸した後、口を開いた。
「ずっと前から好きでした。付き合って下さい」
なにも無い虚空へ向けて、約束のプロポーズをする。その時、一陣の風が吹いた。
「もちろん。こんな僕でよければ」
返事をするかのように声が聞こえた気がした。それは、空耳だったのかもしれない。ただあたりには優しい風が吹いていた。
俺の足元には一輪の花が落ちていた。急いでいたから、花束の中に紛れていたようだった。そこには白の菫が落ちていた。
ーー終わりーー
紫の菫(すみれ)の花言葉
「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」「貞節」「愛」
白の菫(すみれ)の花言葉
「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」「あどけない恋」「純潔」「無邪気な恋」