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出家しないお嬢様!

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出家しないお嬢様!

12 - 第12話 メタ回(?)

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2024年12月22日

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カメラがゆっくりと洞窟から引き、深い森を映し出す。そして画面に大きく「第十二話:メタ発言」と表示される。

「いやいや、ちょっと待て!」フィンが飛び出してくる。

「メタ発言ってタイトルだけど、これどういう意味だ?なんか俺らが壁を壊すような話になるんじゃねぇか?」

「もう壊れてるわよ、その壁。」ローザリンドが槍を肩に担ぎながら冷たく答える。

「それより、さっきの魔王討伐がただの茶番だったことに、怒りが向いてると思うんだけど。」

「怒り?」フィンが首をかしげる。

「いや、これ見てる人って、どんな気持ちで俺たちを追いかけてんだろうな?『また無駄かよ!』とか言ってるんじゃねぇか?」

「まぁ、仕方ないわね。予算の都合で話が進まないこともあるのよ。」ローザリンドが苦笑する。

「それに、あの魔王を倒したのは、スポンサー向けの“最強能力アピール”だから。」

「えぇぇ!?」フィンが叫ぶ。

「おい、俺たちの冒険、スポンサーのために演出されてんのかよ!?」

「そんなこと言ったら、私のこのリボンもそうだし。」ローザリンドが髪を指差す。

「なんと、リボンのメーカー名がエンドロールに出る仕組みになってるのよ。」

「地味な宣伝…」フィンが呆れる。

一方、後方で静かに立つドーベンも突然言い出す。

「私は分かっています。」

「え?何を?」ローザリンドが振り返る。

「視聴者の期待が、私の必中能力にかかっていることを。」ドーベンが無表情で語る。

「しかし、同時にこうも思うのです。“それ、チートすぎてつまらなくね?”と。」

「ドーベン、自己分析しすぎよ。」ローザリンドがため息をつく。

「では、こう提案します。」ドーベンが鋭い目をする。

「次回以降、必中能力に“冷却期間”を設定しましょう。5話に1回しか使えない、という形で。」

「自分で自分を弱体化させるな!」フィンが慌てる。

「それ、ただの視聴率対策じゃねぇか!?」

「視聴率対策…必要です。」ドーベンが小さくうなずく。

「次のギャンブル回が不発なら、私たちの冒険、2クール目はないかもしれません。」

「えぇぇえええええ!?!」

一行が歩きながら議論を続けていると、画面の外から誰かの声が入ってくる。

「カット、カット!今のセリフ、もう少し感情込めて!」

「ちょっと待って、何よこの声。」ローザリンドが振り返る。

すると、画面の端にディレクターらしき人物が顔を出す。

「あのさ、さっきの“視聴率対策”ってセリフ、もうちょっと面白く言えないかな?」

「私たち、冒険してるんだけど!」ローザリンドが槍を突きつける。

「あんた、ストーリーの中に入ってくるんじゃないわよ!」

「まぁまぁ、メタ回だからこれくらいアリでしょ?」ディレクターが手を振る。

「どこが“アリ”なのよ!」

突如、画面が暗転し、文字が表示される。

「ここまでのエピソードで、あなたが一番好きなシーンはどれですか?」

A: フィンのツッコミ

B: ローザリンドのリボン宣伝

C: ドーベンの冷却期間提案

D: ディレクターの乱入

文字が消えると、ローザリンドがカメラ目線で語り始める。

「というわけで、この冒険も視聴者のみなさんの応援で成り立っています!」

「媚びるな!」フィンが即座にツッコむ。

「俺たち、真剣に世界救う感じ出そうぜ!」

「それ、脚本家に言いなさい。」ローザリンドが肩をすくめる。

次回予告

画面には次回のタイトルが映し出される。

「次回:これ以上予算を削るな!」

フィンの声が続く。

「おい、それもう完全にスタッフの愚痴だろ!」

「大丈夫、次回も盛り上がるわよ。きっと。」ローザリンドが微笑む。

To Be Continued…

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