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第十三話: 「これ以上予算を削るな!」

朝焼けに染まる町の広場。ギルドの掲示板には一枚の張り紙が大きく貼られている。

「予算削減のため、ギルド業務を縮小します。」

フィンが張り紙を見て絶句する。

「おい、これ、どういうことだよ!? ギルドが縮小って…俺たち冒険者、どこで仕事を取るんだ!?」

「縮小どころか、もう廃業寸前ってことね。」ローザリンドが冷静に分析する。

「この世界の経済が完全に破綻しかけてるってことよ。」

「経済とか急にリアルな話持ち出すな!」フィンが頭を抱える。

「なんでファンタジー世界でこんな現実的な問題に直面しなきゃならないんだよ!」

「これもきっと、脚本家が予算不足で話を動かせなくなったせいね。」ローザリンドが肩をすくめる。

ギルドの奥、ホコリまみれの事務所。ギルドマスターが頭を抱えている。

「悪いな、君たち。重い声で言う。

「今月の予算が下りなかったんだ。このままだとギルドは閉鎖だ。」

「それ、どういう仕組みなんですか?」ドーベンが手を挙げる。

「この世界、通貨も物価も曖昧な設定のはずですが。」

「だから曖昧なままで予算が削られたんだ!」

「視聴者の想像に任せるってやつだ! でもその結果、私たちが苦しんでいる!」

「メタい発言やめてくださいよ!」フィンがツッコむ。

「俺たち、これでも真面目に冒険してるんですから!」

「お願いだ、君たち。ギルドを救うために資金を集めてくれ! これが最後の依頼だ!」

ローザリンドが腕を組んでため息をつく。

「資金調達って…具体的にどうすればいいの?」

「選択肢は2つだ。」指を2本立てる。

「1つ目は、モンスター討伐で報酬を稼ぐ。2つ目は、カジノで大勝負に出る。」

「えぇぇぇ!? カジノ!?」フィンが驚く。

「それ、ただのギャンブルじゃねぇか!?」

「確実性は低いが、時間がないんだ!」涙目で訴える。

「仕方ないわね。」ローザリンドが槍を肩に担ぐ。

「やるわよ、フィン、ドーベン。」

「俺たちがこの世界の経済を救うなんて、誰が想像した?」フィンがぼやきながらも頷く。

煌びやかなカジノに到着した一行。豪奢なシャンデリアが光を放つ中、フィンがテーブルに座る。

「俺に任せとけ!」フィンが自信満々でカードを手に取る。

「こう見えて、ギャンブルのセンスには自信があるんだ!」

「前回、モンスターとのじゃんけんで負けたのに?」ローザリンドが冷たく言う。

「いや、あれはモンスターがズルしたんだって!」

一方、ドーベンは静かにスロットマシンを操作している。

「これが最適解です。運を計算すれば、勝利の確率を最大化できる。」

「スロットに計算なんてあるの?」フィンがツッコむ。

カジノでなんとか資金を稼いだ一行がギルドに戻る。

「やった! これでギルドを救える!」感涙にむせぶ。

「でも、これで私たちの冒険も継続できるのかしら?」ローザリンドがふと不安げに言う。

フィンが拳を握りしめる。

「大丈夫だ! 俺たちはどんな状況でも、この世界を面白くしてみせる!」

「…そのセリフ、視聴者に媚びすぎよ。」ローザリンドが苦笑する。

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