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# 第23話
✨「三人目の少年」✨
食堂。
全員の視線が士道に集まる。
士道は写真を見つめたまま固まっていた。
潔「知ってるのか?」
士道「……。」
珍しくすぐに答えない。
凛「おい。」
士道は小さく舌打ちした。
「知ってる。」
玲王「誰だ。」
士道は写真を指差す。
「コイツ。」
幼い潔の隣。
そして士道の隣。
笑っている少年。
士道「昔よく一緒にボール蹴ってた。」
潔は目を見開く。
潔「俺も?」
士道「おう。」
少しずつ。
記憶が戻ってくる。
公園。
三人でサッカー。
日が暮れるまで遊んだ。
でも。
肝心の顔と名前だけ思い出せない。
蜂楽「その人、今ブルーロックにいるんだよね?」
士道は頷く。
「いる。」
食堂が静まり返る。
千切「誰だ。」
士道は答えようとして。
ピコン。
潔のスマホが鳴る。
全員が固まる。
新着メッセージ。
『言わないで。』
士道の顔色が変わる。
次の瞬間。
またメッセージ。
『まだ会う準備ができてない。』
蜂楽「見てるのか……?」
玲王が辺りを見回す。
どこかにいる。
この施設の中に。
そして。
最後の一文。
『潔だけに会いたい。』
凛「却下。」
即答だった。
潔「即答だな。」
凛「当たり前だ。」
千切も頷く。
「絶対一人で行かせない。」
蜂楽「行くならみんなで。」
凪「うん。」
潔は少し笑う。
相変わらずだ。
その時。
士道がぽつりと言った。
「でも。」
全員が振り返る。
士道「アイツは悪い奴じゃねぇ。」
潔「え?」
士道は腕を組む。
「昔から変だったけどな。」
蜂楽「変なんだ。」
「変だ。」
即答だった。
「潔の試合見るたび騒ぐし。」
「潔が勝つと自分のことみてぇに喜ぶし。」
玲王「重いな。」
千切「重い。」
凪「重い。」
潔「重い。」
士道「重い。」
全員一致だった。
しかし。
士道の表情は少し真面目だった。
「でも。」
「アイツが潔を傷つけるとは思えねぇ。」
その言葉に。
潔は少しだけ考える。
本当にそうだろうか。
今までの行動は怖かった。
でも。
脅迫はない。
怪我もさせていない。
ただ。
異常なほど潔を見ているだけ。
その夜。
潔は眠れなかった。
窓の外を見る。
静かな夜。
その時。
カサッ。
窓際に何かが置かれている。
潔「!?」
近づく。
小さな箱だった。
中を開く。
そこには。
古びたキーホルダー。
サッカーボールの形。
潔の瞳が揺れる。
覚えている。
これは。
昔。
三人でお揃いにした物。
そして。
箱の底に紙が一枚。
『思い出してくれて嬉しい。』
『次は直接話したい。』
潔はキーホルダーを握る。
胸の奥がざわつく。
怖い。
でも。
少しだけ。
会ってみたいと思ってしまった。
その頃。
施設の屋上。
一人の少年が夜空を見上げていた。
手には同じキーホルダー。
少年は小さく笑う。
「もう少し。」
「あと少しで会える。」
月明かりに照らされたその横顔は。
見覚えのあるブルーロックの選手だった。
ついに犯人(?)の正体が明らかになる…!?
コメント
1件
白米さん、23話拝読しました……! 士道が「知ってる」って認めた瞬間から一気に緊張感が走って、『言わないで』のメッセージが来たところでは本当に背筋が冷えました。でも「アイツは悪い奴じゃねぇ」っていう士道の言葉に、昔の三人の温かい時間がちゃんとあるんだなって安心もして。最後に窓辺にキーホルダーが置かれているシーン、潔の「会ってみたい」という気持ちがすごく伝わってきました。施設の中にその少年がいるっていうのが何より不気味で続きが気になります……!
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ゆりは
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