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蜂蜜きな子
16
#犬
ここと🌹🫶 @低浮
203
みみ
49
14章目行きます
21項目
2:08
:-
「この子は私の宝物よ!あんたたちみたいな荒っぽい男どもに、この儚い子を返してあげるわけないじゃないのツ!」
ヤコさんが私を和服の袖の中にぎゅっと隠し、鋭い狐の目で威嚇する。
怪異の強力な霊力に包まれて、私の薄青い髪がふわりと由に浮いた。霊力が強すぎるせいか、空間の歪みに頭がクラクラして、私はヤコさんの腕の中で今にも溶けてしまいそうになる。
「「………鰹葉、大丈夫。今、助けるから」
その時、空間の最奥から、寧々ちゃんの「見つけたわ!これが依代ね!」という力強い声が響いた。
ヤコさんがハッとして上空の依代へ視線を向けた、まさにその一瞬の隙。
ーーザザッ!!!
黒いが爆発したかと思うと、私の視界が反転した。
ヤコさんのもふもふとした温かさが離れ、代わりに、驚くほど冷たくて、だけど誰よりも馴染み深い腕が、私の腰を強引に抱き寄せた。
「…..つ、あまね…..!?」「うん、僕だよ」
耳元で囁く、低くて少し振れた大好きな声。
花子くんは私を横抱き(お姫様抱き)にすると、ヤコさんのハサミが届かない上空へと、重力を無視してフワリと舞い上がった。
「なっ……!七番、あんた、いつの間に……つ!」
ヤコさんが悔しそうに地団駄を踏み、ハサミをシャキシャキと鳴らす。
上空の風に薄青い髪を揺らしながら、私は花子くんの胸に顔を埋めた。
花子くんは私を落とさないように、省が軋むほどの強い力で、狂おしいほどに私を抱きしめている。その琥珀色の瞳は、ヤコさんへの怒りだけじゃなく、「本当に僕の腕の中から消えてしまうんじゃないか」という、あの生前の夜と同じ、深い怯えで激しく揺れていた。
「…..露葉。怪我、ない?怖かったよね…..ごめん、僕がもっと早く助けてあげられればよかった」
花子くんは私の自筋に顔を埋め、まるで自分の存在を私に刻み込むように、深く息を吐き出した。
「でも、もう大丈夫。…..二番の言う通り、君は今にも消えちゃいそうだけど、君をここに繋ぎ止めておくのは、僕の役目だから」
花子くんの冷たい指先が、私の左手首に巻かれた「月のブレスレット」にそっと触れる。
三日月のチャームが、2人の間でシャラリと甘い音を立てて鳴り響いた。
「この月がある限り、君は僕のもの。誰にも渡さないし、二度と一人になんてさせないよ」生前の普の優しさと、怪異・花子くんとしての圧倒的な独占欲が混ざり合った瞳で見つめられ、私の心臓はうるさいほどに跳ね上がった。
その直後、寧々ちゃんが依代の札をペリリと剥がし、ミサキ階段の世界がガラガラと音を立てて崩れ始める。
「あっ、ずるいぞ花子!!露葉さんを一人占めすんじゃねえっ!」
下から光くんの悔しそうな叫び声が聞こえる中、花子くんは私を抱きしめたまま、意地悪く、だけど最高に嬉しそうにクスクスと笑った。
崩壊していく世界の中で、私は花子くんの冷たい腕の温もりに、ただ身を委ねることしかできなかったーー。
コメント
1件
第14話、一気に読みました!花子くんのあの「君は僕のもの」発言、胸がぎゅっとなった…。ヤンデレの真髄を見た気がします。崩れゆく世界でお姫様抱っこされながら「二度と一人になんてさせない」って囁かれるの、露葉ちゃんじゃなくてもドキドキしちゃいます。光くんのツッコミも絶妙で、主NUSHIさんの筆力に感動。続きが待ち遠しいです🌙