ゆめと思いたいほどの現実にようこそ。
「たすけて」
微かにそんな声が聞こえた気がして目を覚ます。
無機質な白い天井に、何本もの管に繋がれた自分の身体。
上手く動かない体をなんとか起き上がらせると、自分のほかに4つのベッド。
管の本数はみんな違う。…場所ごとに被害が違うもんね。
…「あの山」を持つあの子が、一番管につながれている。
……痛そう。
…あ、床に何か…
自分で管を外し、ベッドから降りる。
立った瞬間に激痛が走り、そのまま崩れるように座り込む。
…手で届く範囲にあってよかった。
一生懸命手をのばし、何かをつかむ。
…目がよく見えない。多分あの時に目がやられたんだろう。
ぼんやり見える色と手触り。
これは…
福岡の、耳飾り?
なんでこんなところに…
そう考えてるのと同時に、聞き覚えのある声と知ってるぬくもり。
それはどこか悲しげだった。
「僕は最低なやつだ」
「大切な仲間を囮にして、自分一人だけ助かった」
「ごめんなさい」
突然のその言葉に理解が追い付かず、何度も謝りながら泣き叫ぶ君をただ抱きしめた。
力が上手く入らない腕で、ただぎゅっと抱きしめた。
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