「ふふ…」
と、コイツが低い声で笑った理由なら、聞かなくてもわかった。外ではポツポツと雨が降っていて、そのせいで気温が一気に下がったから、こんな風になるのに。
「っ…、ん」
左隣から伸びてくる腕。吐息が近付くと、心臓が爆発しそうにうるさくなって、息も満足にできなくなる。だから、仕方ないんだ、って自分に言い聞かせる。
上機嫌な涼太。既に少しだけ飲んでいたみたいで、きっと今、1番いい気分でいるに違いない。おもちゃで遊ぶ子供みたいに楽しそうに俺の身体を指先で辿って、唇はきれいにカーブを描いたまま、頬や耳、首筋を滑る。
体温がどんどん上がっていくのが自分でもよくわかった。
「真っ白だな」
耳元に唇を押し付けて言われる。ぞくり、と身体が震えてまた少し熱が上がった気がした。
「……っだから!」
「外から見えなくなるから、ちょうどいいか」
言いながら、また低く笑う。コイツの声は、身体の奥によく響くのだ。
水滴すら浮かびそうな程に曇った車内は、はっきり言って恥ずかしい以外の何ものでもないけれど、俺に本気の抵抗ができるほどの理性はもう残っていない。
「…助手席専門のくせに、生意気なんだよ」
悔しくて尖らせた唇は、次の瞬間あっという間に塞がれてしまった。
コメント
8件
車かいっ!🚗³₃
悪態つきながら抗えないしょぴかわいい💙
コメ返失敗しててかわちい💙