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何時かのオモイデ__。

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何時かのオモイデ__。

2 - 1、No.1 「愚かしいとは馬鹿らしい」

♥

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2023年04月17日

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1章。 「過去と今の僕らの話。」



【💎】


「おはよ〜!」


いつも通りの挨拶。いつも通りの時間。


でも、僕の声に返事をしたのは1人もいなかった。


居間を見る。


ソファーに初兎ちゃんが涙目になって座っている。


反対側にはないちゃん。その後ろにアニキ、りうちゃん、いふくん。


「…。ちょっと来い。」


いふくんの声は、いつもより低くて、怖かった。


「う…うん?」


言われた通りに、初兎ちゃんの隣に座る。


「…えっと…。これはなに?」


そう言って、ないちゃんはスマホの画面を見せる。


そこに書かれていたのは、メンバーの悪口。


アカウントは僕の。


「それとこれもッ!」


ないちゃんは少し怒鳴り気味に、もう1つのアカウントも見せた。


それは、初兎ちゃんの。


そこにも、メンバーの悪口が書かれていた。


僕の所には初兎ちゃん以外、初兎ちゃんの所には僕以外のみんなの悪口。


「え…?なにこれ…。」


「なにこれじゃねぇんだよッ!お前ッ!」


「ホンマ見損なったわ。」


「…。りうらたちのこと、こんな風に思ってたの?」


違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!


僕はこんなことしてないッ!


これ、投稿されたの、昨日の昼じゃん!


その時、僕達みんなでゲームしてたじゃん!


僕が1位とって、りうちゃんと初兎ちゃんが喧嘩してて…。


アニキはその時、ご飯作ってくれてたじゃん!


ないちゃんといふくんは、笑って見ててくれてたじゃん!


できないよ!わかってよ!


なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?


どうして?


「ねぇ!これ本当にほとけっちが書いたのッ⁉」


あ、そうか。みんな裏切るんだ。それなら僕も、裏切れば良いんだ。


「…そうだよ。」


「!」


「そうだよ、僕が書いた。ごめんね。皆のこと気に食わなかったんだ〜。」


「…出てけッ!」


「うん。言われなくてもそうするよ。じゃあね。今までありがと〜。」


ガチャッ


ドアを閉める直前、見えたのは、君達のなんとも言えない、


悲しそうな寂しそうな、嬉しそうな、そんな顔だった。


「もう、こんなとこ、いたくないや。ボソッ」



…あ〜あ…。やっちゃった。僕ってなんて愚かなんだろ。

何時かのオモイデ__。

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