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レベル2 畠山 里香


勇は死んだ。

一週間前に……そのため私はこの町へとまた戻って来てしまった。

「また振り出しね。何度調べても同じところへ辿り着くのよね……」

それは四年前から問題になっていたゴミ屋敷だった。確かに岩見という男性が今は住んでいる。優しそうな顔をした何の変哲もないおじさんだった。私の名刺をまじまじと見てはキラキラとした目をした。まるで私が救世主か天使なのではという期待のこもった目だった。今では岩見さんは私の正式な依頼人で、新しいゴミ屋敷の買い手だった。そこで、勇のこともあって私はまたこのゴミ屋敷を調べていた。ただ、一つだけわかったことがある。

それは……。

このゴミ屋敷には地下か別室があることだ。どこかこのゴミ屋敷にはからくりがあって、まだ誰も知られない空間がある。そこで犯行? が行われているはずだった。勇の最後の手記によって、わかったことだった。

勇曰く。何故ならこのゴミ屋敷の部屋の面積だけでは殺人は到底無理なはずだ。遺体の損傷から、とてもゴミ屋敷の各部屋の面積だけでは異常な損傷を与えられない。いや、捻じ曲げられない筋肉や骨があるのだ。確かに遺体の筋肉と骨の損傷からして、よほど大きな機械を使ってみないといけないだろう。その機械は勿論普通の部屋よりもかなり大きいのだ……。 肩や腰、頭の骨の筋肉を捻じ曲げるには、およそ600キログラムは必要といわれている。

勇はこうも言っている。

このゴミ屋敷には、まだ大勢の人が閉じ込められているはずだというのだ。そこで、犯行が行われ続けているから、西村 研次郎は小型電子カメラで遺体の写真を撮り続けていたし。また……行き来していたはずだ。

……恐らく西村は犯行も少なからず行っているのだろうというのだ。

「今度の依頼も嫌な調査ね……」

私は背筋が寒くなりそっと呟いた。その西村 研次郎のことにとある疑問を持った。

まさか、娘も……。

西村さん……。

「あの……。たまに夜中に何か大きなスイッチが押される音がするんですよ。探偵さん……そういったことも調べてほしいんですよ」

岩見さんが震えながら言った言葉に、私はハタと気が付いて考えから意識を向けた。

ジーン。ミ―ン。ジーン……。ミ―ン……。

真夏の酷な照射が降り注ぐ時期だというのに、私はゴミ屋敷の玄関前で岩見さんと一緒に震えていた。

「スイッチ?」

「ええ……」

スイッチ? 何のスイッチだろう?? あ、そうか!

そのスイッチを押すとこのゴミ屋敷で誰も行ったことのない謎の空間へと行けるんじゃないかしら?

「岩見さん。そのスイッチの音はどこから聞こえたかわかりますか? だいたいで良いです」

「なにぶん、夜中のことですから……よくはわかりませんが……。た、多分……二階の居間からなんじゃないかと……」

「二階の居間ですね。では少し失礼して……」

私はゴミ屋敷の中へと入った。正面の階段を登り。二階へ着くと、水漏れのしてある洗面台を見つけた。

「岩見さーん! ここの洗面台。水漏れしてますよー」

早速、居間でスイッチ探しだ。

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