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【 注意 】
※ BL です 。
※ ☭卍 です 。
※ 自己満 です 。
卍 “ つき纏ってくるなソビエト、 鬱陶しい。ハッキリ言って迷惑だぞ ”
そんな一声をあげ、肩にある大きな手を振り払う。
☭ “ そんな酷いこと言わなくともいいじゃないか、ナチス ”
ここまでは日常茶飯事で、特に気にもしなかった。問題はここからだ。
☭ “ ··· 今のは傷ついた。 ”
ソビエトはそれだけ言い残し、私の書斎から出ていった。あいつからは滅多に聞かない言葉 “ 傷ついた ”
流石に言いすぎただろうか、などと本来要らないはずの心配が脳裏を駆け巡っている。
あいつの発言に悩まされて早30分。万年筆を走らせる手は長らく止まっていた。
卍 “ はあ ··· どうだっていいはずなんだがな ··· ”
頭に霞がかかってしまったような気分で、どうも集中出来ない。
ずっとこのままだと困るという理由をつけ、あいつに謝りに行こうと書斎を後にした。
☭ “ 迷惑だったか ··· ”
そんなことを呟きながらぼんやりと雲の流れを眺める。自分だって、どうしてあんな発言をしたのか分からない。
あんなことをナチスに言うのすらきっと初めてだ。今まで隠してきた気持ちが “ もう我慢ならない ” とでも言ったのだろうか。
そうだとしたら少しは納得出来る。
澄んだ空気に親しみを感じていると、こっちに近づいてくる ナチスの姿が見えた。
☭ “ ナチス ··· ? ”
早くもう一度話したいと思い、思わず声を掛けてしまう。
見かけただけで声をかけるのは気持ちが悪いだろうか。普段だったら考えないことまで気に止まってしまう。
卍 “ ソ、ソビエト ··· ··· ··· なんだ、何か用か? ”
こちらに顔を向け、一瞬動揺するもそれを隠した。心做しか普段よりもぎこちない雰囲気がある気がする。
☭ “ ··· いや、何も無い。邪魔して悪かったな! ”
彼の気に障らないようにと、出来るかぎりそういう態度で応えた。どうしてだろうか、今まではこんなことを意識しなかった。この感情は何なのだろうか。
卍 “ そうか ··· ”
そうれだけ言ってそそくさと去っていった。
卍 “ ··· ”
会えた、あいつと会えたのに、言葉も交わせたのに、何も言うことが出来なかった。
まるで喉の奥が硬直してしまったかのようだった。
今までこんな経験なんて無かった。それが故にどうしたら良いのか分からない。
日本やイタリアに相談してみるべきだろうか。
仮にも2人は私よりも年上だ、こういう経験も無いことはないだろう。
卍 “ ··· まさか、 ”
私は、
あいつのことが好きなのか ··· ?