「封悪! 何やってるの!?早く戻って!」
焦りと悲しみがまじった声が俺を呼ぶ。
俺は今、屋上にいる。そう、俺はここから落ちてこの世から消える…はずだったのに
落ちようと思い、フェンスを越えた時……封魔が、来てしまった。
最悪だ。そう、思いながら…“屋上から、落ちた”
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目を開けると、見慣れない白い天井だった。病院だろう。
ふと横を見ると、封魔と月桜が、泣いていた。よく見ると、ガーレもだ。
母さんは泣いてはいない、けど今まで見た事ない悲しい表情だった。
「封、魔……?」
うまく開かない口でそう言うと、
「封、、、悪、、?……よかった、生きてて、、よかった…! 」
封魔もうまく開かない口で言った。嬉しそうな、何処か悲しげな声だった。
ガーレと月桜、母さんも声に気づいたのか、「良かった」と小声で言った。
俺は、「しばらく一人にしてほしい」と言った。封魔達は頷き、病室から出ていった。
俺は考えた。どうして、あの時、死ぬ事が出来なかったんだろうって。
屋上から地上まで最低でも5階程度あったはずだ。死なない方がおかしい気がする。
分からない。あの時、何があったかも、封魔達が何をしたのかも。俺は記憶が無い。
せめて、現場に行きたい。後で頼もうかな。あと、話聞くか。その方がいい。
てか、もう夜だ。封魔達は帰ったみたいだし、俺も寝よう。おやすみ。
コメント
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読者のみなさんに聞きたいです。こちらの作品、読切がいいですか?続けますか?