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禁断の
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👑:『』
魔法と剣が当たり前に存在するこの国では、王家と国民は家族のように暮らしていた。
石畳の街には色とりどりの屋根が並び、魔法灯が夜の街を優しく照らしている。中央には立派な王城がそびえ、その国の王子は国民からも親しまれていた。
しかし今、この国は魔王との戦いを目前に控えていた。
王子たちは魔王を討つため、魔王城へと向かうことになる。
まさか、その魔王に夢中になるとは知らずに。
森を抜けた先に、それは突然現れた。
黒い岩山の頂にそびえ立つ、巨大な城。鋭く尖った塔がいくつも空へ伸び、灰色の雲がその周囲を覆っている。そしてところどころに青白い魔法の光が灯っていた。
『……あれが、魔王城』
静まり返った森の中で、その城だけがまるでこちらを待っているかのように佇んでいた。
風が吹いたとき、魔王城の塔の窓に人の影を見つけた。その人の影が大きくなったと思えば、その人物は窓のカーテンを開けた。そこにいたのは魔王の姿の噂とはかけ離れた見た目の男だった。
黄色の目、紫の髪、そして大人っぽくてほんの少しミステリアスな雰囲気。
「隣国の?」
その声は不思議だった。低いのにどこか高いようにも聞こえる親しみやすい声。
『…っ、そうやけど…魔王やんな、?』
そう聞くと笑われた。
「うん、そうだけど笑」
「倒しにきたくせにそれ聞く?」
笑うと見えた八重歯と優しい顔に少し心臓がはやくなった気がして困惑した。
相手は魔王なのに
「ね、王子1人で城入ってきてよ」
『な、なんでっ!そんなん危険やし…なんのために!俺はあんたを倒しにっ』
「まあまあ、いいよね」
圧をかけたような言い方に緊張が軍全体に走る。ここで断れば何が起きてしまうか分からない。軍はすぐ全滅してしまうかもしれない。振り返って軍のみんなの顔を見ると不安そうにこちらを見ていた。
『わかった。』
その決断に軍からは心配と反対の声が上がるがその声はどれも震えているのがわかった。
「へー、やさしい王子様なんだな」
『っ!うるさい』
「じゃあ東棟の三階の奥野部屋で待ってる。武器を置いてから来いよ」
それだけ言うと魔王は城の奥へと消えていった。目的は魔王討伐。流石にバレないようにナイフを懐に隠した。
懐に隠したナイフを確認すると、魔王城の大きな扉へ向かった。
扉に手をかけようとした瞬間、重い音を立てながらひとりでに開いた。
『……っ』
中に入ると、外とは違った静かな空気が流れていた。
壁には青白い魔法灯がいくつも灯っていて、黒い大理石の床にはその光が反射している。
魔王城だからもっと怖い場所だと思っていた。
魔物がいたり、罠が仕掛けられていたりすると思っていた。でも、聞こえるのは自分の足音だけだった。
『……静かすぎるやろ』
そう呟きながら、言われた東棟を探して歩いていく。
壁には古そうな絵が飾られていて、窓の近くには綺麗な花まで置かれていた。
魔王が住んでいる城とは思えないほど、城内は綺麗に整えられていた。
しばらく歩いていると、大きな階段が見えてきた。
『……これ、どっちや』
東棟の場所が分からず立ち止まっていると、突然後ろから声がした。
「迷った?」
『うわっ、!』
驚いて振り返る。
でも、そこには誰もいなかった。
『……え?』
「こっちこっち」
声が聞こえて上を見ると、階段の手すりからこちらを覗いている魔王がいた。
「ちゃんと来たんだな」
『……約束したから』
「そっか」
魔王は笑いながら階段を降りてくる。
王子は反射的に懐へ手を伸ばした。それに気づいた魔王が少しだけ目を細める。
「……武器、持ってないって言ったよな?」
『……』
「まあいいけど」
そう言うと、魔王はそれ以上何も言わなかった。
「部屋、案内するよ。話したいこともあるし」
『話したいこと……?』
「うん。せっかく二人きりになれたんだからさ」
そう言って魔王は先に歩き出した。少し警戒しながら、その後をついていく。
魔王を倒すためにここまで来たはずなのに。なぜか今は、この男が何を考えているのか知りたいと思っていた。
魔王に案内され、長い廊下を歩いていく。
しばらくすると、魔王が一つの扉の前で立ち止まった。
「ここ」
『ここ?』
「俺の部屋」
『……え、?』
「どうした?」
『いや、なんで俺を魔王の部屋に……』
「だって話すんだろ?」
そう言って魔王は扉を開けた。
中に入ると、思わず目を見開いた。
魔王の部屋とは思えないほど普通だった。
大きな本棚にはたくさんの本が並び、机の上には読みかけの本や紙が置かれている。
窓際には小さな植物まで置いてあった。
「そこ座って」
『……ほんまに魔王なん?』
「失礼だな笑」
魔王は少し不満そうな顔をしながら、向かいの椅子に座った。
「で、なんで俺を倒しに来たの?」
『……なんでって』
「俺、何かした?」
その言葉に、王子は黙り込んだ。
確かにそうだった。
王国ではずっと、魔王は恐ろしい存在だと教えられてきた。
でも実際に会った魔王は、噂とは全く違う。
『……俺は、あんたが悪い奴だって聞いてきた』
「へぇ」
『でも……今のところ全然そう見えへん』
「だろ?」
魔王は嬉しそうに笑った。
「俺、結構いい奴だから」
『自分で言うんや……』
「言わないと誰も信じてくれないからな」
そう言って笑う魔王を見て、王子も思わず小さく笑ってしまった。
『……ふっ』
「今笑った?」
『笑ってない』
「いや、笑っただろ」
『笑ってへんって』
久しぶりに、王子は肩の力が抜けた気がした。魔王を倒すために来たはずなのに気づけば二人は、くだらない話で笑い合っていた。
「で、みこと」
『ん?…って、はぁ!?』
視界がぐるっと回り、背中から布団に沈んだ。魔王…いるまに押し倒されたことがわかる。
「ごめんだけど一目惚れしたから呼んだんだよね」
『え、それって、!』
「静かに。騒いだらみことの国滅びちゃうかもなー笑」
その冗談に思わず黙ると頭を撫でられた。
「うん、自分でも無理やりって分かってるけど…黙ってて」
『ぁ゛っ!!やぁ!』
なんでこんなことに。いるまの顔を見ると申し訳なさそうに辛そうにしてる。
『い、いぅまくん?』
名前を呼ぶと動きを止めてくれた。
「ん?」
『なんでそんな辛そうな顔なん?』
「嫌じゃねぇの」
『っ…それは』
また動きが再開される。奥が熱くて痛いくらいさっきより速いペースで突かれる。
『ぁっ゛!ぅあっ〜』
なんでそんなに必死なの
ごめん俺は愛し方が特殊みたい。
城の窓から見た王子を見た瞬間、手に入れたいと思った。
俺に堕ちたら…手に入るかな。
それから何時間経ったか分からない。窓から見える空は明るくなってきていた。
『んへっ♡…いるまくんっ♡』
「やっと堕ちた…♡かわいいよ、みこと」
終
リクエストありがとうございました
コメント
3件
リクエストありがとうございます‼️ほんとにかわいすぎて読んでてとてもきゅんきゅんしました‼️ これからも応援してます📣
うわ、第7話一気に深いところまで来ましたね…!「一目惚れしたから呼んだ」って魔王が言うシーン、あの優しい雰囲気から急に核心に触れる感じがすごくドキドキしました。しかも「俺に堕ちたら…手に入るかな」って一文、魔王の歪だけど真っ直ぐな愛し方が滲んでてゾクッとします。みことの方言も可愛いんですけど、それ以上に「なんでそんな辛そうな顔なん?」って相手を気遣うところが切なくて…。禁断の関係だからこその緊張感と甘さ、めちゃくちゃ引き込まれました。続きが気になりすぎます!