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教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第80話 - 第80話 :【退屈の終焉】東京の怪物は「女性版・天宮」!持たざる異質な女王に亜里沙の血が滾る
2
1,030文字
2026年06月05日
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#青春
十色
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バガラジー
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京太郎@ドラマ部門1位獲得
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関西大会から、わずか一週間後。
祇園のクラブ『Club Lotus』のVIPルーム。
久条亜里沙は、巨大なスクリーンに映し出される一人の少女を食い入るように見つめていた。
東京代表、美崎沙羅(みさきさら)その東京予選の映像だ。
隣に立つ斎藤が、冷徹に分析結果を告げる。
「データは出揃った。東京予選の四試合、全て95得点以上での圧勝。弱点が見当たらない」
ソファに座る鳳麗奈も、また勝負師の目で呟いた。
「迷いがないわね、美崎さんの瞳。自分の正しさを、強さを微塵も疑っていない」
久条は何も言わない。
ただ画面の中で、完璧な弁論を繰り広げる、その少女の姿に、純粋に感心していた。
論理を突きつけるのではない。相手の言葉を受け止め、反転させ、逆に意見を自らの陣営へ引き入れる――そんな戦い方だった。
画面の中で美崎沙羅が、対戦相手を完膚なきまでに打ち破る。
美崎沙羅が堂々と聴衆を見渡し、笑顔で締めくくった。
その笑みは、挑発でも傲慢でもない。純粋な自信の証だった。
久条が静かに映像を止めた。
「彼女について報告を聞かせて」
斎藤がファイルをめくりながら、淡々と続ける。
「東京・開明学館高等部二年。昨年は海外留学で不参加。今年が初の全国出場だ。家柄はごく普通。両親とも公務員。後ろ盾はゼロだな。俺らと全く違う環境で育ってきた」
鳳麗奈がその言葉を引き継ぐ。
「だからこそ、強いのよ。彼女、私たちのような『生まれながらに全てを持つ者』に対して、おそらく敵意を持っている。彼女の武器は、そのハングリー精神、そのものだわ」
論理で敵を測る斎藤と、感性で本質を嗅ぎ取る鳳。
その二人が、揃って最大級の賛辞と警戒を贈る少女――美崎沙羅。
久条は小さく息を吸い込み、視線だけで続きを促した。
「他には?」
鳳麗奈が、間髪入れずに言葉を足す。
「美崎さんは、本物の叩き上げよ。学内ではディベート部の部長で、生徒会副会長。成績はトップ。そして校内では誰よりも人気があるらしいわ。後ろ盾のないことを除いては、いわば女性版の天宮様のような存在ね」
久条の声がわずかに低くなる。
「弱点は?」
一瞬の沈黙。
その後、斎藤が端的に告げた。
「現状、ない」
スクリーンの中で美崎沙羅の完璧な笑顔が凍りつくように静止している。
久条はその笑顔を見つめながら初めて自分以外の「異質な女王」の存在を明確に意識した。
だが彼女の心にあったのは恐怖ではない。
心の奥底から湧き上がる歓喜だった。
(退屈な戦いは終わった)
(ようやく私の魂を燃やすに足る相手が現れた)
コメント
1件
第80話、読み終わりました。美崎沙羅という新たな強敵の登場で一気に熱が入りましたね。「女性版・天宮」という呼称、怖いです。それに対する久条の「退屈な戦いは終わった」という歓喜の感覚、すごく分かります。ようやく魂を燃やせる相手に出会えた高揚感が画面越しに伝わってきました。弱点が「現状、ない」という斎藤の締めもじわっと来ます。続きが気になる。