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Sさんは岐阜県でイベント関連の会社を経営する僕の友人です。
彼は学生時代、友人たちと不可解な体験をしました。
「あれは思い出したくないですね」と不思議な体験を話してくれました。
岐阜市の基高校の近くにとある公園があるのですが、かつてその一角に古びた小屋がありました。うわさによると、戦争中に軍が捕虜を処刑していた場所であり、行くと呪われると言われていました。
ある夜、仲間数人とその小屋に探検に行きました。ですが、いざ現地に着いてみると、異様な空気がただよっており、Sさんは警戒して小屋に入らなかったのです。
不良っぽい友人は強がって、「みんな怖がりだな。俺は怖くねえよ」と入っていきました。最初は、「おおっ、トイレがあるぞ」「落書きもあるぜ」
など声が聞こえていましたが、しだいに声が聞こえなくなりました。
(何かあったのか?あいつやばいのか?助けないといけないかな…)
そんな風にSさんが思い始めたころ、異常に低いテンションで友人が出てきました。
よく見ると左右の目玉が白目を向いています。
「おい、いったい、何を見たんだ」
Sさんの呼びかけに答えようとせず、不良っぽい友人は、
「あの小屋には入らないほうがいいぞ、あの小屋には入らないほうがいいぞ、、、、、、」
と、くりかえすばかりだったといいます。
小屋の話になりました。
「今から行こう」と友人3名を連れて小屋のある公園へ。
車が着くと一人が急に怖がって、
「俺は行かないぞ、俺は行かないぞ、、、、、、」
と言いだしたので、車に残し3名で小屋に向かうことになりました。
するとつき進む3名の前に黒猫が現れました。ものすごく人なつこい子猫でしたが、どうやら3名を廃屋の方に誘導しようとしているように見えます。
「気味が悪いなぁ、霊か何かにあやつられているみたいだ」「この猫、あの小屋にさそっているみたいだね」
怖くなったSさんと友人は子猫がおりられないぐらい高い木の枝に放置しました。「ごめんな、ここでおとなしくしていてくれ」「かわいそうだがしかたない」
ふたたび小屋に向かって歩き始めると、目の前にまた子猫が出現しました。
「どうやっておりたんだ?」「先回りが出来るわけないし…」
このとき、Sさんの頭に学生時代の友人の言葉がよみがえりました。
「あの小屋には入らないほうがいいぞ、あの小屋には入らないほうがいいぞ、、、、、、」
あまりに怖かったので小屋の体験はやめにしたそうです。