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めっちゃ泣ける、、
久しぶりに読みたいなって思って見てたら泣いてた人です…(((やっぱり何回みても泣ける…
気づいたら泣いてた…
side深澤
「あ、こっちこっち!」
病院に着くと、マネージャーはロビーのソファーに座っていた。
俺らを確認すると手を大きく振る。
「照は!?」
佐久間が焦ったように聞く
「今から聞くところだから!急いで!!」
病院の中を小走りで行く
ある扉を開けると白衣を着た若い男性医師がいた。
俺らが入って来たのを確認すると少し頭を下げる
「照は!?大丈夫なんですか!?」
佐久間は周りなんて気にせず大声で先生に問う
「岩本さんは大丈夫です。少し落ち着いてください」
「良かった…」
佐久間は床に崩れ落ちそうになる。
それを俺が支える。
「岩本さんが大好きなんですね」
突然、先生がそんなことを言う
「羨ましいです」
すると、先生が看護師さんらしき人に呼ばれる
何かを耳打ちされると戻ってきた
「岩本さんが意識を取り戻しました」
「面会は可能ですが、どうしますか?」
そんなの、答えは1つだ。
「やめます」
「え…?」
「なんで…」
「二人で行ってきて」
「3人で行った方がいいのでは?」
全員反対するが、俺は意見を変えるつもりは無い。
「ほら」
俺は今まで支えていた佐久間の腕を離してドアまで連れて行く
「いってらっしゃい」
「なんでだよ…」
「ここまで来て、なんで一緒に来ないの?」
「照の体調が問題ないなら、それでいい」
「俺はそれを確認しに来ただけだから」
「なら、無理強いする必要はありません」
「先生ッ!」
佐久間が声を上げるが、無視される
「お2人で面会でよろしいですか?」
「…分かりました」
マネージャーが返事をすると、先生は満足そうに笑った
「では、こちらの看護師に着いていってください」
2人は無言でこの部屋を出る。
「では、俺はこれで」
先生に背を向けようとした時、それを止められる
「少々、お時間頂けますか?」
「はい?」
「岩本さんのこと、知っていますか?」
「照のこと…?」
なんだろう。
照の何を知っているのかと聞かれているのか
「岩本さんの、抱えているものです」
抱えているもの…?
照が何を抱えているんだ…
「分からないなら、私の口から言えるものではありませんね」
「引き止めてしまって申し訳ないです」
先生は頭を軽く下げると机上にあるパソコンに目を向けた。
俺は、その部屋から出て、病院の出入口に向かって歩き出す
数日後、散歩がてら河原を歩いていると、”ある人”を見つける。
その人も俺を見つけると、少し距離があるものの、目が合うのを感じる。
その人は逃げる素振りもなく、こちらに近づいてくる。
「久しぶりじゃん」
「久しぶり」
「ちょっと痩せた?」
「そう?」
素っ気ない返事。
俺も何を言えばいいのか分からなくて黙り込む。
「倒れたんだって?大丈夫だった?」
「来てくれたんだろ?」
隠していたのに、誰が言ったんだ。
「佐久間?マネージャー?」
「先生」
予想もしなかった人物に少し面食らう
「なんでも喋る先生だね」
「あのさ、」
突然、話を変えられる
「ん?」
「……やっぱいいや」
「なんだよそれ…」
「こっちだって暇じゃないんだから」
「ごめん…」
「それじゃあ」
わざと冷たい態度を取る。
その方が、未練とか残らないと思ったから。
彼が亡くなったと連絡が入ったのはその日の夜だった。
「照……」
今は、照がいる病室に照の両親の気遣いでメンバー全員だけで集まっている。
もちろん、照の固く閉ざされた目は開くことはない。
「岩本さんは……」
それから、先生は照のことについて話し出した。
「岩本さんは、大きな病気を抱えていました」
「余命宣告もされていました」
「でも、今日の夕方、定期検診のとき、」
「岩本さんの病気は悪化しすぎていました」
「すぐに入院の手続きをして処置をしましたが、進行が予想以上に早くて、」
「私たちも対処しきれませんでした」
「本当に、申し訳ございませんでした」
先生が、深く頭を下げる
「先生が…謝ることなんて…ないやん…!!」
誰よりも泣いている康二が涙でぐしゃぐしゃになった顔で途切れ途切れになりながらも言葉を紡ぐ。
「謝らないでください」
「これは、先生方の責任では無いです」
「照は、こういう運命だっただけです」
「先生の努力には…感謝…してます…」
そんなことを言う阿部ちゃんの顔は、とても苦しそうで、涙はどんどん溢れていて、見ていられないほどだった。
「最期まで…全力を尽くしていただき…ありがとうございました…」
阿部ちゃんの言葉でSnowMan全員で頭を下げる。
深く、深く。
「これを。岩本さんがもし自分の身に何かあったら渡して欲しいと預かったものです」
メンバーカラーの封筒に入った手紙を渡される。
「それと、深澤さんにはこれを」
俺にだけ、小さな小箱を渡される。
みんな、自分宛の手紙を読み始めた。
全てを吸い込んでいきそうな濃紺の夜空と夜空に煌めく無数の星と光り輝く丸い満月がある夜だった。
『はいおっけー!!』
「ッ、ひかるぅッ!!」
声がかかったにも関わらず演技を続ける康二と佐久間
これには苦笑いするしかない
多分、照がツッコミいれるんだろうなとか思っても、中々突っ込まれない
2人も不思議がって照の顔を覗き込む
「あ、こいつ寝てる」
佐久間が言って、面白がってほっぺをつつく
すると、眉間に皺がよるものの、すぐに穏やかな顔に戻る
こういう顔、あんま見ないから貴重かも
すぐにスマホを構え、照の寝顔を撮る
なんだ、案外可愛いとこあんじゃん