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そして…翌日
ピンポーン…というインターホンの音が聞こえるのと同時に
「亜優に会わせてっ!」
「亜優は中西の子やろっ!」
怒鳴り声が聞こえ始めた。
夫の両親だ……これは予想外だ。
「ちょっと、ドアを叩かないでください」
ドンドン…ドンドンドン……
玄関に行った母の大声は全く聞き入れられず、玄関ドアが家全体を揺らす勢いで叩かれる。
私に引っ付いている亜優を抱きしめたまま、アオちゃんに電話をすると、今から向かうことと、アオちゃんから警察に連絡も入れるという。
そして録音するように指示された。
「亜優、ごめんな…」
怖いよな…
「……おじいちゃんとおばあちゃん?」
「うん」
「…ぱぱみたいにおこってる…な…」
そう言って私にしがみついた亜優の言葉に、驚いた。
「パパみたい…?」
季節外れの汗が噴き出した気がする。
「……亜優?」
私は、同じように汗ばむ亜優の背中を撫でながら
「パパもあんなして怒ってた?」
と、そっと…聞いてみる。
「…あゆ、こいっ……あゆ、はよこいっ…こわくいうねん……あゆ、ねろ……あゆ、はよねろっ……ぱぱがあゆっていうとき…おこってる…」
そうか…私から見れば何も言わずに抱っこする夫が不機嫌だと感じていたけど、亜優はそれはよかったんだ。
無言でしてもらう“タカイタカイ”は、キャッキャウフフ…と喜んでいたもの。
でも…寝かしつけの時などには名前を呼ばれて…こわかったのか…
だから今、夫の両親が
“亜優っ”
と大きな声で言っているのがパパみたい…ってこと。
「ごめんな、亜優…」
亜優はそれ以上何も言わなかったけど、そこへ母の制止を振り切った二人が入ってきた。